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キュリアと謙次 じゅうさんかいめ!

↓ 13回目なのにまだ1日目だなんて ↓


「二人とも、お待たせー!」
 バージョン3から元の青い着物姿に戻ったキュリアは、ボロ雑巾な上に顔が真っ青なマリエルを背負って、謙次たちのもとへ戻ってきました。
「やっぱりキュリアが勝ったか」
 シーノはごく日常的な感じにそう言います。
「まあね。……それに、私にあんなことを言ったことを後悔させる必要があったし」
 キュリアは笑顔でそう言いました。謙次はそんな笑顔をしながら生きているのか死んでいるのか分からない怪我をしているマリエルを背負っているキュリアを見て、めちゃくちゃ引いてました。
「ん? どうしたの謙次?」
 どうしたのじゃないって! もしこれをアニメにしたりマンガにしたりしたら、今のマリエルにモザイクがかかるぐらいの怪我をマリエルに負わせておいて! というか、これ、本当にまだ生きてるの?
 謙次はそんなことを聞いていないが、シーノが察してくれたようです。
「ああ、心配するな。こんなになってもマリエルは生きてるから」
「さーて、敵は排除できたし、私の家にでも来る?」
 キュリアはまるで何事もなかったかのように言います。なんかいろいろとおかしいぞこいつら!
「そりゃあ行くさ。マリエルがこんなだと私も帰るすべがないしな」
 シーノがそう言うと、キュリアは明るく、
「よし、それじゃあしゅっぱーつ!」
 とか言い出します。シーノはキュリアから距離をとっている謙次に近づき、小声でこう言いました。
「まあ、キュリアはあのタブーさえ言わなければ、基本的に何言われても、何されても怒らない、かなり温厚な性格なんだ」
「……あんなことやってたのに?」
 謙次はすごい不審な目でキュリアを見ます。もちろんモザイクをかけるべきマリエルも視界の中に写ってます。
「ああ。だからアレさえ口に出さなければ、キュリアと接するとき特に気を使わなくても大丈夫だ。だからそう自分の身を心配するな」
「ん? 二人して何話してるの?」
 キュリアが話に割り込もうとしてきました。シーノはあわてて、
「ああ、えーと、ほら、謙次はキュリアの家に来るの初めてだからって、……とにかく、そんな話!」
 するとキュリアは笑顔で、
「そっか。まあ、私の家はかなり質素だから、あんまり期待しない方がいいかもよ」
 そう言って、キュリアは謙次たちと距離をとって、前に出ていきました。
「……今のごまかせたのか? 思い切り変な言葉になってたぞ」
 謙次はそうシーノに尋ねました。それに対しシーノは、
「まあ、ごまかせてないだろうな。私の話し方もすごくおかしくなってたし、……それに、キュリアは相手の言ったことが本当か嘘かを見抜けるからな」
「え?」
 なにそれ? どういうこと?
「『え?』って、……そうか、謙次のいた世界には魔法がないから、あんなふうに戦う人がいないのか」
「え? え? 一体それはどういう意味?」
 謙次はかなり混乱しています。
「この世界ではある程度強くなると、勝負において先読みすることが重要になってくるんだ」
「先読み?」
「ああ。いろんな種類があるようだが、一般的なのは相手の顔をみて、それで相手が何を考えているのかを知ることだな」
「え? それって先読みなの?」
 なんか、イノブンの考えていた先読みとは全然違うっぽいですね。
「ああ、先読みだ。とはいえ、完全に相手の行動を読むことは難しいみたいだな。特に、戦いに必要だからそれを身に付けたやつは、戦いでしか相手の考えていることを理解できないんだ」
「……つまり、戦いじゃないと先読みを使えない、ということ?」
「ああ。ただ戦いで使える人は、日常生活でもある人の言ったことが本当か嘘かを判別できるぐらいには分かるみたいなんだ」
「へえ、だからキュリアに嘘は通じない、ということか」
「そういうことだ。ちなみに、今キュリアは私の言ったことが嘘だと知っていながら、私たちから離れて歩いてくれてるだろ?」
「……確かにそうだね」
「つまり、まあ、キュリアはそんな感じの思いやりのあるやつなんだ。タブーさえ言わなければ決して恐ろしいやつじゃないさ。むしろ、自分に対しては殺さない限りなんでもしていいというぐらいに心の広いやつなんだ」
「……それは言いすぎじゃないか?」
「言いすぎじゃないと思うがな。まあ、そういうやつだから、安心しなよ」
「……そうだな。分かったよ、シーノ」
 謙次はそう言ってシーノに微笑みかけました。どうやらさっきまであったキュリアへの恐怖心はふっしょくされたみたいですね。
 そしてシーノは、念を押してこう言いました。
「まあ、タブーを言わなければ、の話だがな」
 すると謙次の恐怖心が再び蘇りました。目の前のボロ雑巾マリエルも目に入ってきます。
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