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キュリアと謙次 さんびゃくななかいめ!

<前回のあらすじ>
 謙次が久々の学校に行くため玄関を出た後、謙次ママはキュリアに言います。
「未来では、謙次がどういう風に過ごしていたのか、私に話してもらえる?」


<本編>
「謙次がどう過ごしていたか、ねぇ……」
 居間のテーブルの着き、キュリアは呟きました。
 謙次ママは言います。
「あの子、早寝早起きはしてる? 暇なとき、ゲームばかりしていない? 勉強はちゃんとしてる?」
(……うわぁ、謙次のおかあさんが危惧してること、全部謙次に当てはまってるよ)
 謙次ママの言葉を聞いてすぐ、そう思ったキュリアでしたが、
「……普段の生活はともかく、謙次はすごい子だと思うよ」
「すごい?」
 キュリアのあいまいな回答に、謙次ママが反応します。
「うん。……実は私、未来では殺人鬼なんだ」
「……え?」
「30年前、102人の人を虐殺した殺人鬼。罪を犯してからすごく後悔したけど、それで私が殺した人が生き返るわけじゃない。だから、未来では世界中の人に命を狙われながら暮らしていたんだ」
「え? ちょっ、……えっ!?」
 驚愕の表情でキュリアを見つめる謙次ママ。
 昨晩、謙次が両親に話したのは、未来がどういう世界かということだけでした。なので、この時まで謙次ママは、キュリアの犯した罪について何も知らなかったのです。
「クオリア障害っていう精神障害を持ってて、人殺しがどうしていけないことなのか、あの時は分からなかったんだ。もちろんあれから、私は誰一人として殺していなし、これからも罪を償いながら生きていくつもりだよ」
「あ、ああ……、そうなの?」
 謙次ママは、落ち着いていいのか悪いのか、混乱しつつそういいました。
(作者:実際、こんなこと突然告白してくる人がいたら、割と困ると思う)
「罪を犯してから30年後、突然謙次がやってきたんだ。……おかあさんがいる前で言いづらいけども、正直、人に頼って自分で努力しようとしない怠けた性格だなぁ、と思ってた」
「全然言いづらそうにしてないように見えるけど……」
「私はそれでも、一緒に暮らしてくれる人が居てくれることが嬉しかった。精神障害のせいだと思うけど、私、人にコキ使われても何とも思わない性格なんだ。だから、謙次が着てくれたことが純粋に嬉しかった」
(これは、母親として喜ぶべきことなのかしら? 息子が居て嬉しかったという所だけ聞くと、母親としても嬉しいのだけれど……。怠け者の息子だと言われているわけだし、そもそも殺人鬼に喜ばれても、どうなんだろう……)
 こんな謙次ママの気持ちをよそに、キュリアは続けて言います。
「私の罪について話しても、謙次は私と居ることを選んでくれた。私の過去の過ちを知らないし、私が世間にどう思われているかも知らない。だから受け入れてくれたのかもしれないけど、それでも、私と一緒に暮らしてくれて、すごく嬉しかった」
(受け入れたの!? 謙次、それでいいの!? ……まぁ、あの子の性格からして、身の回りの世話をしてくれる子がいたら、そうなるだろうけど)
「……ここまでが話の導入なんだけど、どうかな? 着いてこれた?」
「……内容は理解できたのだけれども、内容が内容だけに、ごめんなさい。こんなときどんな顔をすればいいかわからないの」
 笑えばいいと思うよ。
(作者:意訳しますと、『笑うしかないと思うよ』)
<ネタ解説>
・笑えばいいと思うよ。
 新世紀エヴァンゲリオンで、主人公のシンジがヒロインのレイを助けた後、
レイ「ごめんなさい。こんなときどんな顔をすればいいかわからないの」
シンジ「笑えばいいと思うよ」
 というやり取りがありました。感情の薄いレイに対し、その何とも表現しがたい嬉しさ、ありがたみといった感情をどう表現したら良いのかを、単純な一言で促す名シーン。


イノブン「ごめんなさい。こんな名シーンをへっぽこ小説で使われて、どんな顔をすればいいのかわからないの」
ケーケー「笑えばいいと思うよ」
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Author:ケーケー
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