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キュリアと謙次 にひゃくきゅうじゅうさんかいめ!

<前回のあらすじ>
 ああ、やっぱり今回もダメだったよ。(キュリアたちが負けた的な意味で)


↓ 本編 ↓
 決勝戦が終わり、しばらくして表彰式が執り行われました。
「優勝! ミカエル、テルモト、アルラウネチーム! おめでとう!」
 フェニックスはそう言って、ミカエルにトロフィーを渡すも、観客の盛り上がりはいまいちです。
 それもそのはず。こんなチートなチームに勝てる相手など、どこにもないのですから。優勝して当然のチームが優勝したところで、盛り上がる人は多くはいないでしょう。
 フェニックスも、
「ま、君たちが優勝することは分かってたけどね。できレースおつかれさま」
などと、優勝者を讃える気の感じさせないコメントを残しました。
 対するミカエルは、
「いえいえ。フェニックスさんも、実況解説おつかれさまでした。私たちの優勝は、私たちの力だけでなく、応援してくださった皆さまの力があってこその優勝だと思います。私たちを応援してくださった方々、本当にありがとうございました」
 このように一見まともなコメントを言いましたが、……こいつらを応援した観客なんかいたのかなぁ。強い人を応援する方は多いと思いますが、勝って当然の連中を応援する人がそんなにいるとは思えないけど。そう考えると、皮肉にしか聞こえませんね、このコメント。
「さてさて! それでは本日準優勝! 実質優勝のチームの表彰を行います!」
 準優勝チームを祝う際も、優勝チームに対する悪意を感じさせるフェニックスの言葉。こいつ、何でこんな大会を開こうと思ったんだろう?
「準優勝! キュリア、マリエル、ガイチーム!」
 今度は会場も盛り上がります。こいつら、そんなにナンバー4のチームが嫌いなのかとも思いますが、まぁ優勝して当然のチームなので、この扱い方も致し方ないでしょう。
 表彰台には、キュリアの姿がありました。
 キュリア、マリエル、ガイの3人は、今回の一番の貢献者である謙次に表彰台に立って欲しかったそうですが、謙次が嫌がったため、キュリアに立ってもらうことにしたそうです。
 フェニックスはコメントしようとしますが、
「……えーと、君に対するコメントは難しいな。今日は準優勝として表彰される立場だけど、世界的大犯罪者だからねぇ」
 こんなことを言いだしました。場の盛り上がりは一瞬冷めましたが、
「……でも、普段の君たちの実力じゃあ敵わないような相手を、チーム力で倒したその戦いっぷりは見事だったよ! 準優勝おめでとう!」
 この言葉で、再び会場は盛り上がります。
「うん、ありがとう! 私もコメントは気をつけなきゃいけないよね。私クオリア障害だし、気に障るようなことを言うかもしれないけど、それでも1つだけ言いたいことがあります」
 その言葉で、会場は一旦静まります。謙次も、
(キュリアが、言いたいこと?)
 これが気になって、キュリアの言葉を真剣に待ちます。
「……いつも私は、自分が悪者だから、応援なんてもらってなかった。マリエルやガイも、よく私と戦ってくれるけど、1対1の戦いだから、応援なんてしてもらってない」
 キュリアは心の中で、謙次を除いて、と呟いて続けます。
「でも、今日はみんなが応援してくれたおかげか、すごく楽しかった! すごくうれしかった! 私分かってたよ! 私感じてたよ! 会場のみんなが応援してくれたのを! それがすごく心強くて、幸せだった!! だから、今日応援してくれたみんなに言いたい! ありがとう!!」
 ややしどろもどろな言い方ですが、しっかりとキュリアの感情が伝わります。
 再度盛り上がる会場。普段なら、世界的犯罪者であるキュリアを褒め称えることなどありえないでしょう。しかし、本日、この会場でだけは、キュリアは褒め称えられました。
 ……この会場でだけは。
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