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キュリアと謙次 にひゃくごじゅうななかいめ!

<前回のあらすじ>
 キュリアと32年以来の旧友エルカとが面会している中、拷問を受けている受刑者たちを見るのが好きな少女ミカエルがそこにやってきた。


↓ 本編 ↓
「くっ」
 突然、キュリアは面会室の出口から出て行きました。椅子を立って出口から出るまでが、1秒足らずの素早い行動でした。
「無駄です。『ナシング』」
 ミカエルは一言、そう言いました。しかし、『ナシング』と口にしてからしばらく立っても、何かが起こる様子はありませんでした。
「お、おい、一体君は、何をしたんだ?」
 謙次がミカエルに問いかけます。
「何って……」
 ミカエルは言います。
「キュリアさんを殺しただけですよ」
「な……」
 絶句する謙次とエルカ。ミカエルは続けてこう口ずさみます。
「『アピア』」
 すると、ミカエルの前にキュリアが現れました。
「……やっぱり、ダメだったか」
 周りを見て、自分の身に起こったことを自覚し、キュリアは落ち込みます。
「……お前一体、何をやったんだ?」
 謙次はミカエルに聞きます。なお、謙次のミカエルに対する二人称が『君』から『お前』に変わったのは、ミカエルに対する敵意が現れた証拠です。
 ミカエルは答えます。
「何って、キュリアさんを存在させたのですよ」
「存在させた?」
 何を言っているのか良く分からない謙次。エルカはミカエルの使う魔法について知っていたため、おおよそ何が起こったのかを把握できました。
 ミカエルは説明します。
「謙次さんは、魔法の存在しない時代からやってきたのですよね? ならば、この世で最も強いとされる『二大属性』も知らないですよね」
「二大属性?」
 何それおいしいの?
「はい」
 どうやらおいしいようです。ミカエルがおいしいというのですから、『二大属性』はさぞおいしいのでしょう。
(作者:茶番はそれくらいにしておいて)
 はい。……せっかく持ちネタを披露できたのに。
(作者:239回ぶりにやるネタを持ちネタとは言わないよ)
 ミカエルは言います。
「ではまず、そこから説明しましょう。二大属性の一つは『時空系』と言います。『時空系』魔法を使うと、自分の周りだけ時間の経過を遅くしたり、過去や未来に移動したりなど時間を操作することができます。また、空間を切断して何でも切れるようにしたり、異世界に移動したりするという空間を操作することもできます。時間と空間、合わせて『時空系』なのです」
「それはキュリアと初めて会った日に聞いたな。俺は異世界から来たんじゃないかってことで、話題になったし」
「そして、二大属性のもう一つが私の使う属性、『霊属性〔れいぞくせい〕』です!」
「れいぞくせい?」
「はい。この魔法では、例えば……」
 ミカエルは突然、室内の明かりを落としました。
 その直後、白くて薄光る不気味な(´・ω・`)をした何かが現れました。
(作者:……ねぇ、その(´・ω・`)って、どういう意味?)
 ……ちくしょう! お前が『かお』の変換で一番上の候補に『(´・ω・`)』を持ってきてるのが悪いんだぞ!!
(作者:変換ミスだったか、サーセン)
「うわあぁぁ!!」
「きゃあぁぁ!!」
 謙次とエルカは目の前にお化けが現れ、驚き叫びました。
「……と、このように幽霊を出すことができます」
 そう言って、ミカエルは明かりを点けました。
「お、驚かすなよ!! ……でも、そんな魔法でどうやって、キュリアを部屋の外から中に一瞬で移動させたんだ?」
「……言ったはずですよ。キュリアさんを一度、殺したのです」
「殺したというか、『存在を消した』んでしょ! 私は殺されてなんかないよ!」
 キュリアが言いました。ミカエルは、
「その通りです。先ほど私は幽霊を存在させました。幽霊は、この世に存在しないものですよね?」
「あ、ああ。少なくとも、俺の元いた時代ではな」
 心霊現象を取り上げる番組が本当だったら、話は別ですけどね。
 ミカエルは言います。
「存在していないものを存在させる魔法、それが『霊属性』魔法です。逆に、存在しているものを存在させないこともできます。先ほどはキュリアさんを『ナシング』で消して、『アピア』で私のそばに出現させたのです」
 なるほど。ところで、なぜに『ナシング』? ディサピアの方が適切だと思いますが。
(作者:このことが気になる方のために、少し説明します。興味のない方は次の「」のセリフまで読み飛ばして下さい)
 分かった、読み飛ばそう。
(作者:質問しておいてそれか!? ……まあいいや。『ナシング』は、英語で『何もない』という意味、『アピア』は英語で『現れる』という意味、『ディサピア』は『アピア』の反対の意味を持つ英単語、すなわち『消える』という意味です。『アピア』の対になる言葉は『ディサピア』なので、確かに『ディサピア』を使うべきという意見もあるかと思います)
 だったら、どうしてそうしなかったんだ?
(作者:……対になる言葉だからこそです。英語で書くと、『アピア:appear』と『ディサピア:disappear』。ただ前に『dis』がついただけなんですよ! 『ディスられてる』の『ディス』が『アピア』の前についただけなんですよ!)
 それがどうした?
(作者:安直じゃあないですか!! それよりも少しひねった単語にすべきだと、僕は思ったんですよ!! ナシングというのは、『問題ナッシング』という感じに使われる単語、『nothing』のことです! 英語を勉強されてる方ならよく見かける単語なのに、それが最強属性の魔法なのか!? そう読者に思わせたかったんでs……)
 あ、ちょうどここに長くて細い金属パイプがあったからつい。
 ……気絶したか。まあいい。話を進めましょう。
「そういう意味で、ミカエルはナンバー4のうちのナンバー2なんだよ」
 キュリアは震えながらもそう言いました。
「その、『ナンバー4』とやらは、一体何なんだ?」
「この世界での実力が上から4番目以内の者で構成されたグループです。私はナンバー2なので、世界で2番目に強いことになります。……まぁ、2番目と言っても『自称2番目』ですが」
 謙次の問いに、ミカエルが答えました。
 ミカエルは、一呼吸おいて言います。
「……さて、エルカさん。確かにあなたは悲惨な目に遭われていて、今すぐにでもここから逃げ出したくなる気持ちは分かります。しかし、今からキュリアさんもあなた以上につらい目に遭うのです」
「え……?」
 かなり不安になる言葉を聞いてビクビク度が増すキュリア。
 ミカエルは言います。
「そうですよね、キュリアさん。親友のエルカさんだけがつらい思いをするわけじゃないというキュリアさんの心意気、感動しました」
「……えーと、ミカエルが何を言ってるのか、良く分からないなぁ」
「私がこの部屋に来る前、キュリアさんはこう考えていました。あと2ヶ月ここにいることをエルカさんに我慢させたい。そのために、自分もつらい思いをしていることをエルカさんに伝えたい」
 なるほど。今までにもキュリアが死にそうな場面はありましたからね。つらい思いをしているのは間違いではないでしょう。
「しかしキュリアさん、死にそうになるのと、拷問を受けるのとでは、つらさが全く別物なのですよ。工場で切磋琢磨に働くのと、施設で最先端技術を開発すること並に別物なのです。だからこそ、ここでエルカさんと同じようなつらさを体感する機会を与えて差し上げようとしているのです」
 キュリアは、なんとなくミカエルの意図を理解しました。それと同時に、体の震えがより激しさを増します。
「さぁ、選択してください! 私からのスペシャルな拷問を受けるか否か!」
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好きなゲーム:ぷよぷよ

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