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キュリアと謙次 にひゃくよんじゅういっかいめ!

「記者の質問を聞いてるとさ、キュリア」
 謙次は言います。
「どれだけひどい質問をしてるかが分かるな」
「そうだね、謙次」
 キュリアは答えます。
「マスコミに悪者だと決め付けられた人は、だいたいこんな感じで理不尽なこと言われるからね。相変わらずあきれるよ。これだと何のためにフェニックスが記者会見を開いてくれたのか分からなくなってくるね」
「まったくだな」
 そう言って、謙次はニュースに再び注意を向けました。
 しかし、この時の記者の質問は今までのものと比べ、遥かにひどいものでした。
『あんたはわれわれを完全に支配している。それでもわれわれがあんたをその地位から引きずり降ろさなかったのは、あんたが独裁によって平和な社会を築いてくれると信じていたからだ! にもかかわらず、今回のような事件が起こった! この際だ! もうあんたは支配者・独裁者の地位から降りて、われわれをあんたの支配から解放すべきだと思う! あんたが自ら降りなくても、自然とその地位から引きずり降ろされるだろう! どうだ!? 私の意見に対して、何か異論はあるか!?』
 もう、何がひどいって、まず質問じゃないし。敬語使ってないし。
 この質問に対するフェニックスの回答は、次のようなものでした。
『あなたは1つ勘違いをしている。あなたは、僕が独裁者の地位を保っていられるのは、この世界の人々の同意をある程度得られているからだとおっしゃいたいのでしょう。しかし、それは違います』
 この次の言葉で、会場は静まり返ります。
『僕が好き勝手に支配しているこの暴動を、誰も力ずくで止めることができないからです』
「ちょっ……!? この発言はないだろ、フェニックス!!」
「別に、間違ったことは言ってないと思うよ、謙次」
「え?」
「フェニックスは、人々の支持を勝ち取って今の地位を築いたんじゃないんだよ。フェニックスは、当時の有力者たちを力ずくでねじ伏せ、無理やり今の地位を築いたんだ」
「で、でもそれだと、集団でリンチされたり暗殺されたりして、やっていけないんじゃないのか!? てっきり、フェニックスが政治的に有能だから誰も文句言わないんだと思ってたけど」
「確かに、フェニックスは独裁前よりも平和で公平な社会を築いたから、有能だよ。でも、そうじゃないんだよ、謙次」
「そうじゃないって、何が?」
「集団で襲われ、暗殺を計画され、……それでもフェニックスは無事に過ごせてるんだよ。それも、運よく生き残ったとかじゃなくて、そういう手段ではフェニックスを絶対倒せないんだよ」
「え?」
「考えてみてごらんよ。集団で襲い掛かっても、光の速さで動けるフェニックスを倒せると思う? あんなに強いフェニックスが、暗殺者にやられると思う?」
「暗殺の方は良く分からないけど、集団で襲い掛かっても通用しないのはなんとなく分かった」
「そう。だから……」
 キュリアが言おうとしたことを、テレビの中のフェニックスが先にしゃべってしまいます。
『僕の支配から解放されたければ、僕を倒す他ないので、僕は今の地位を維持できると思います』
「……ということ。まあ、フェニックスは世界で一番強いから、フェニックスの独裁を止めることはできないけどね」
 そんなこんなで、フェニックスの記者会見は終了しました。
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