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キュリアと謙次 にひゃくじゅうにかいめ!

※月曜更新分です。


「まあ、約束だからな……」
「約束?」
 ジャンクの言葉に、キュリアは首をかしげました。
「聖室町裁判所[せいしつちょうさいばんしょ]での、だ。覚えていないのか?」
「あ、……ああ。思い出したよ。正直、あのゲームでの勝利は、私にとってたいした利はないと思ってたから、忘れてたよ。負けた時の条件だけは、重要だからいつでも思い出せたけど」
 ジャンクはキュリアたちとのボードを使ったゲームを始める前、こんな約束をしていました。
『よし、ではゲームの賭け条件を確認しよう。もう分かっていると思うが、お前たちが勝てば、僕がジェノサイドのために、何か裁判があった場合に精いっぱい弁護することを約束しよう。だが、僕らが勝てば、ジェノサイドに裁判を受けてもらい、さらにそこでの判決をきちんと受け入れてもらう』
 キュリアには人権がないので、裁判なんて本来は無意味なのです。だから、キュリアはあのゲームに勝利したら、ジャンクが『何か裁判があった場合に精いっぱい弁護する』なんてことを忘れていたわけですね。
「それで、……これはどういうわけか、説明してもらいましょうか? 裁判長」
 ジャンクに言われると、裁判長は顔を青くし、冷や汗を大量に分泌しました。何か、よほどまずいことをしたようですね。
「あなたは『先読み』で相手の心が分かるくせに、真犯人である証人の意見を聞き入れ、本来下すべきではない判決を下そうとした」
 ここでは、まだそんな判決を下してはいませんが、しばらくしたら、キュリアが犯人だ的な判決を下そうとしたのでしょう。
「い、いえ!! 私は、最終的には真犯人を暴いてやろうと!! た、ただ、ジェノサイドは実際に悪いことをしているので、しばらく疑わせるという形で、その罪を償わせようと……」
「嘘をつけ!! 僕はお前と同じで、『先読み』でお前の心が読めるんだ!! そんな嘘をつくんじゃない!!」
 丁寧語を本能的に使うのを忘れるレベルでのキレようで、ジャンクは裁判長を怒鳴りつけました。
 ジャンクは、深く深呼吸し、落ち着きを取り戻して言います。
「裁判長、あなたはこのような失態を犯した場合、フェニックスからどのようなお仕置きが待っているか、知っているはずですよね?」
 この言葉だけで、裁判長は意識を失いかけました。お仕置きって、どんなのだろ?
(作者:『それじゃあ、お待ちかねの、お仕置きタイム~!』的な?)
 ……冗談だろ?
(作者:いや、だいたいそんな感じですよ。だって、この裁判長は、わざと誤審を起こしたわけですし。『サイバンチョウがクロにきまりました。おしおきをかいしします』的な感じになっても仕方ないと思います)
 このネタ、知ってる人どれだけいるのかな? 流行には乗ってるけど。
「さて、あなたたちも同罪ですよ。……って、おや?」
 証人たちのいた所に向かってそう言ったジャンクですが、おかしいですね。先ほどまでそこにいた証人たちの姿が、消えています。
 ジャンクがそれに気づくのと同時に、裁判長が叫びます。
「ちょっ!? お前ら!! 俺もこの計画の後は身を隠せるんじゃなかったのかよ!! 俺も逃がしてくれよ!! おい!!」
 裁判長の謎の発言に、ジャンクは、
「……なるほど、そういうことか。どうやら、やつらの計画は阻止できたようだが、謙次という少年の言うとおり、やつらは逃がしてしまったようだな」
「計画?」
 キュリアが首をかしげます。
「ああ。やつらの目的はお前も分かる通り、お前を殺人犯に仕立て上げることだ。そうすることで、いままでより強いやつらもお前を殺しにかかるだろう」
 基本的に、正義の味方には強い人はいません。しかし、それはキュリアがもう殺人なんてマネをしないだろうと考えているからで、キュリアが再び人を殺したとなれば話は別です。なので、逃げた証人たちは、裁判長にキュリアを殺人犯に仕立て上げてもらうことで、より強い人にキュリアを襲わせようとしたのです。
「その計画が成功すれば、真犯人とともに、裁判長が姿をくらます。そうすることで、裁判長はフェニックスによってお仕置きされないで済む。しかし、裁判長は……」
「誤審を認めた。つまり、計画は失敗。だから、真犯人たちに裏切られ、一緒に逃げさせてもらえなかった、というわけだね」
 ジャンクは、キュリアの説明に対し、そうだとうなずきます。
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