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DESTINY~風野 息吹の運命~⑤

 ああ、長い長い。
 そうそう、当サークルのjusticeの役割が変わりました。新しい役割は、『温存』です。
 ……それがどういう役割なのかは、ご自身の判断にお任せします。
↓というわけで、D-風の続き↓


「……なるほど、不良を一撃で」
 その少女、風野 息吹[かぜの いぶき]からいきさつを聞いて、ひでおはつぶやいた。
 息吹は、
「本当に殺したと思って、私はその場からすぐ逃げたんだ。そして、警察に出頭した……。そのあと、私が殴った人が、ただ気絶していただけだと知って、本当に安心したよ」
「なんだ、死んでなかったのか。ならいいじゃねえか。それだと普通に正当防衛ということになるんじゃねえの?」
「別に私は自分が罪に問われるかどうかについて悩んでるんじゃないよ。そこら辺は相手側の母親が、『むしろ息子をぶん殴ってくれてありがとう』と言ってくれたから、私がやったことは事件にはならないんじゃないかって、さっき別の警官に言われたからね」
「へ? ちょっとまてよ。じゃあこの問題はもう解決したってことじゃねえか。なのになんでまだお前はこの取調室にいて、俺まで呼び出されたんだ?」
「……怖いんだ」
「え?」
「怖いんだよ、こんな自分が。今回は、人を殺さずに済んだけど、でも、今度自分が制御できなくなったら、その時は、ひょっとして誰かを殺してるんじゃないかって」
「おいおい、物騒だな。というかさ、制御できなくなったらって、一体どういう意味だ? まさか、無意識に人をぶん殴ってた、とか言わねえよな?」
「……だいたい、そのまさかであってるよ。それでさ、そのことを他の警官に話したら、私は取調室に残されて、しばらくしてからあんたが入ってきたってわけ」
 ひでおはそれを聞いて、少し考えて言った。
「……えーと、ひとつ聞くが、お前はさっき、いつか人を殺してしまうかもしれない的なことを言ってたよな。でもそんなことできるのか? ……その、何か武器を使ってならだれでもできるだろうけど、……まさか、こぶし一発で……」
「できるよ。なんなら今私たちがいるこのテーブルを割ってみせようか?」
 息吹はまじめな顔つきでひでおに言った。しかしすぐに苦笑いして、
「……ま、信じられないとは思うけど、本当なんだよ。あんた、何か壊してもいい物で、人の手で壊れそうにないものを持ってない?」
「……残念ながら、そんな都合のいいものはないな。……でも、信じれるよ」
「え?」
 息吹は驚いた。こんなに簡単に、自分みたいな存在を受け入れてくれる人がいるのか、と。
 だが次のひでお一言は、もっと息吹を驚かせた。
「俺の知ってる奴にも、お前みたいな超人がいるからな」
「え!? うそ!?」
「ほんとだよ。……なあ、話は変わるが、お前の親はどうしてる?」
「え? えっと、……実は私、一人暮らししてるんだよね。私が小さい時に、とんでもないことをやらかしたからね」
「とんでもないこと?」
「物を投げたり、棚を倒したりしまくったんだ。……あの時も、私は自分を制御することができなかった。結果、殺してはないものの、両親にすごい大けがをさせてしまった。……長いこと会わなくなったなあ。会いたいんだけど、親の顔、特に父さんの顔をみると、また自分が制御できなくなるんだ」
「そうだったか。悪いな、変なこと聞いて」
「いや、気にしなくていいよ。誰もそんなことをするヤツがいるとは思わないだろうし」
「じゃあさ、親とは今も連絡を取り合ってるのか?」
「ああ。直接会ったら、私が吹っ切れて危険だけど、声を聞くぐらいなら、全く問題ないし」
「……もうひとつ聞こう、お前は今何年生だ?」
「……高1だけど、……あんた、一体何を言いたいんだ?」
「……吉村高校というとこに転校しろ。そこにお前みたいなやつがいるし、そいつを救ったやつもいる」
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Author:ケーケー
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好きなゲーム:ぷよぷよ

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