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DESTINY~風野 息吹の運命~③

↓ちょっと長くなっちゃった。なお、ここ一週間以上、VC++を起動していない点については、気にしないようお願いいたします↓


 村本と水原が格闘ゲームで対決していた。
 村本の使用キャラである『項羽』は残り体力があとわずか。それに対して水原の使用キャラである『カエサル』は、項羽から一度、ジャブの3連コンボを喰らっただけなので、体力が4分の3ぐらい残っている。
(くそっ、本当に、よくあんな使いにくいキャラでここまで追い詰められるなあ)
 水原の使用キャラ、カエサルは、攻撃力はかなり高いが、とても行動が遅い。しかし、カエサルには、いろいろと特殊な必殺技がある。たとえば今、水原が使おうとしている必殺技、
(……これは、来る!!)
 村本はタイミングを合わせて、項羽をジャンプさせた。すると、カエサルが巨大なレーザー光線を放った。
 これがカエサルの必殺技の一つ、『バリアブレイクカノン』。コマンドを入力してから発動に多少時間がかかるが、ある程度離れていれば相手から攻撃される前に発動できる。ハンドグローブである、カエサルの相棒『ブルータス』から、巨大なレーザー光線を放つ技で、その光線に巻き込まれた遠距離攻撃は無効化され、しかもただでさえ攻撃力が大きいのに、ガードをすると、通常の1.5倍のダメージを喰らうという恐ろしい必殺技である。つまり、この技をやり過ごすには、ジャンプによる回避しかないのである。
 ジャンプ回避でやり過ごした村本は、ここであることに気付く、
(やばっ、この位置はカエサルのアレの範囲!!)
 村本が気付くと同時に、水原はコマンド入力。するとカエサルの足に、すごい速さで回転する大きなサイコロが出現し、それを真横からやや上向きに放った。
 これもカエサルの必殺技の一つ、『賽は放たれた』である。使用後はカエサルがゆっくりと息をつくため、相手からの反撃が予測されるが、技が当たれば、相手は吹っ飛ぶため、反撃を恐れずに済む。また、防御されると、少しも体力を削ることなくかき消される技でもあるため、バリアブレイクカノンとのコンボ以外ではあまり使われない技でもある。
 このゲームでは、ジャンプ中はガード不能のため、サイコロは項羽に直撃。この戦いは水原の勝利となった。
「……あー、やっぱ負けちまったか」
 村本はため息をついた。沢田も、
「いや、そりゃお前、初めから分かり切ってることだろ? 現に俺たちがいくらやっても、水原さんに勝てたとこがなかったんだし」
 ひでおも何かを言おうとしたが、突如、ひでおの携帯電話が鳴りだした。
「ああ、すまんな、お前らちょっと静かにしてくれるか?」
 そう言って、ひでおは携帯電話ととった。
「もしもし、……ああ、お前か。……極秘内容? 言わなくても分かってるって。周りにゃ誰もいねーよ」
 普通にいるんだが、と、村本は小声でつぶやいた。
「……おう、……ああ、分かった、報告ありがとう。……え? ああ、アレ以外にそっちの事件もあったな。……え? 事情聴取? いつも通りに俺はゲームやってるから、よろしく。……えー、たまにはやれっていったって、……もう、しょうがねーな、……分かった分かった、やりますよ、やればいいんでしょ!? ……はーい、じゃあなー」
 そう言って、ひでおは電話を切った。
「おいオヤジ、あんたよく警察クビにならないな」
 ため息交じりに村本が言った。それに対してひでおは、
「別に悪いことじゃないだろう? 仕事をサボってゲームをすることぐら……」
「十分に悪いっつーの!!」
 村本が言ったとき、ふと沢田はあることに気付いた。
「あれ、そういえばおじさんって、まだ停職中じゃなかったのか?」
「ああ、そのはずなんだが、この前警部がな、今更停職を取り消してでもお前にやってもらいたい仕事があるとか言い出して、それで職場復帰に成功したわけよ」
 ひでおがそういうと、村本は、
「あれ、ひょっとして、その仕事って……」
「そう、今電話で話してた『極秘内容』だ。さすがに極秘内容というだけあって、どんない内容かはお前らにも教えられねえがな」
「……でもひでおさんにやってもらいたい仕事って、……ひょっとして、私みたいな人がなにかやらかした、……とか?」
 水原がそういうと、周りに突如、沈黙が訪れた。
 ひでおは、恐れをあらわにした表情で、水原に尋ねる。
「……え? ……あのさ、水原。……ひょっとして、俺が今電話で話してた相手の声が、……つまり極秘内容が聞こえてた?」
「……いや、聞こえてないけど」
「っていうかさ、オヤジ、それって、水原が今言ったことを肯定しているようなモンだぜ」
 今の村本の一言で、ひでおはさらに面喰った。
 しばらく考えて、ひでおは言った。
「……しょうがない、どうせまさると水原には、いずれ教えなきゃならないことだしな」
「え? じゃあ俺は?」
 すぐさま沢田が聞き返した。
「ああ、本当は教えちゃまずいが、まあ話している間、『廊下で待ってろ』というのもアレだしな、……まあ、聞いててもかまわないぜ。実はだな……」
 ひでおはそう言って、語り始めた。
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Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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