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キュリアと謙次 ひゃくにじゅうななかいめ!

キュリアと謙次のまとめサイトはこちら → http://www.wa.commufa.jp/~ksk/culia.html


「また旅に出たくなったから、突然だけど村から出て行くよ」
 突然、キュリアが村人に言いだしました。村人たちの半分くらいは驚きました。もう半分は、
「まあ、旅に出たくなったのなら仕方ないね」
と思い、納得していました。そもそもキュリアは、ここに永住すると言ってやって来たわけではなく、しばらく暮らしたいと言ってやって来たのです。それゆえ、キュリアを引きとめようとした人が少なかったのでしょう。
 しかしここで、
「待て、キュリア!」
 キュリアを呼びとめる声が聞こえました。キュリアと一緒に遊んでいた子どものうちの1人です。金髪の少年です。幼き頃のガイです。
 少年ガイは続けて言います。
「お前、吸血鬼みたいに血を吸えるんだろ!? 行く前に、俺の血を吸ってから行け!!」
 この言葉を聞いて、村人全員が驚きました。言われたキュリア本人も相当驚いていました。
「ええ!? でもすっごく痛いよ!?」
 キュリアは制止しようとしますが、ガイは『いいからやって』とだだをこねます。
 キュリアがどうしてそんなに血を吸われたいのか、理由を尋ねると、
「俺はアンタみたいに強くなりたいんだ!! いつか、魔法の特訓もしてみたい!! そこで、アンタみたいな強い人に出会ったってことを忘れないように、血を吸ってほしいんだ!!」
だそうです。まったく、子どもの考えることはよく分かりませんね。
「そこまで言うなら仕方ないなぁ。血を吸ってあげるよ」
 少年ガイの言うことを納得しちゃったよこの人!! 村人たち唖然。
「あれ? いや、別に命に関わることじゃないし、回復魔法で傷跡も消せるから、大丈夫かなって思ったんだけど」
 村人たちの反応が予想外であるかのようにキュリアは言いました。
 村人たちの反応はイマイチでした。しかしかと言って、キュリアを止めようとする村人もいませんでした。
「じゃあガイ、腕出して」
 ついにキュリアは実行に移りました。おい誰かコイツ止めろ!!
 少年ガイは腕を出します。すると、キュリアは即座にその腕に噛みつきました。
 直後、村中に悲痛な叫びが轟きます。吸血を終え、回復魔法で傷を直されてもなお、ガイは喘いでいました。村人たちの何人かは心配して、ガイの元へ駆け寄りました。
「後味悪くしちゃってごめんね、それじゃあ」
 周りの空気は冷え切っていました。まったく、こんなことをするから。
 キュリアが飛び立とうとすると、ガイは小さな声で言いました。
「キュリア……、俺、……絶対、……強くなるから」
 すぐ近くにいた村人はその声に気付けましたが、他の村人は全く気付けないぐらい、小さな声でした。
 しかし、キュリアには聞こえたのか、飛び立とうとする動作を中止し、ガイの方を向いて笑顔で言いました。
「うん。じゃあ強くなったら私と対決しようか?」
 ガイは、なにも言いませんでしたが、キュリアの方に向けて拳を突き出しました。
「……待ってるよ」
 キュリアはそう言って、その村から飛び立ちました。


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