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キュリアと謙次 ななじゅうきゅうかいめ!

 人権の放棄。それはフェニックスの治めるモンスター王国が力を持ち始めたころに作りだされた概念です。
 当時、モンスター王国に住んでいたのは、ほとんどがモンスターでした。なので、フェニックスは、当時人間だけで構成されていた人間社会に対し、モンスターにも人権を持たせるべきだと提案したのです。
 もちろん、『人』権だけに反対意見が多かったです。しかしフェニックスは平和的に(直訳:権力者をおどしながら書類にサインをさせるなどして)この問題を解決したのです。それによってモンスターたちは、自らが人権を持ちたいと望むならば、人権を持てるようになったのです。
 しかしそれは同時に、人権が『人』権でなくなったことを意味します。人権は人であれば誰もが持つ権利ではなく、人として生活がしたい者が持つ権利になったのです。よって、モンスターに人権が認められてから、人が人権を破棄することもできるようになったのです。
「でも、人権を捨てるって、……そんなことしたら一体どうなるんだ?」
 謙次がおどおどと質問します。おっと、今時間軸はキュリアの過去じゃなく、謙次のいるもとの時間に戻っていますよ。気を付けてください。
 キュリアは説明します。
「人権を捨てるってことは、人として扱われなくなるってことだよ。簡単に言うと、私を殺しても、殺した側は罪に問われないってことだね」
「でも、フェニックスはそんなことを提案したのか!?」
「当然だよ。そもそも私はあの場で殺されているべき存在なんだ。人をたくさん殺しておいて、軽い罪ですまされるだなんて、虫がよすぎるよ」
 自分の犯した罪をしっかりと認識する。まあ、人を殺してる時点で異常ですけども、ちゃんと自責の念を持っているところを見ると、キュリアはヒロインっぽいですよね。
 それに引き換え、
「まあ、言われてみればそうだよな」
 そこは否定しろよ主人公!! お前、目の前にいる人に向かって、『お前は死ぬべき存在だ』って言ってるようなものだぞ!! こんなんだから、作者の友達から『もうちょっと謙次を主人公らしくしたら?』とか提案されるんだよ!!
(作者:実話です)
「でも逆にさ……」
 お? 意外ですね。ここでまさか、『肯定→常識にとらわれない否定』という一般的な主人公の発言に移るのか、謙次!
「どうしてフェニックスはキュリアを許したんだ?」
 ……なあ作者。
(作者:何?)
 もうキュリアが主人公でよくね?
(作者:えー。でも、主人公らしくないのが主人公な作品ってあるじゃん。猫型ロボットの話とか)
 あれは映画のなかで十分主人公してるからいいんだよ。まあいいや、話を進めます。
 思いやりの一切感じられない謙次の発言に、キュリアは丁寧に答えてあげます。
「勘違いしているようだから訂正させてもらうけど、フェニックスは許していないよ。あくまで、私を殺さなかったというだけだよ。でもそれには、二つの理由があるんだよ」
「二つの理由?」
「うん。一つは国際社会の権力者たちが私を殺すべきじゃないって言ったからなんだ」
「え?」
「どうやらその人たちは、私がクオリア障害だから、あまり殺したがらなかったみたいなんだ」
「クオリア障害だから? 理由がよくわからないな。何か関係があるのか?」
「うん。今は違うんだけど、昔は精神障害がひどいと、どんな悪いことをしても罪に問えないみたいなんだ。謙次の世界ではそういうのなかった?」
「そういえば、そんなことがよくあったな。俺はどちらかと言うと、そういうのは絶対に認められるべきじゃないと思うんだけど」
 『どちらかと言うと』なのか、『絶対に認められるべきじゃない』のか、どっちなんだよ主人公。
「張本人である私もそう思うよ。あまりこういうことを言うと、強い人が私を殺しにかかってくる可能性があるから恐いんだけど、そんなことで許されるなんて殺された人がかわいそうだよ」
 お前がゆーな。まあ、潔いのはいいことかもしれないが。
「それで、もう一つの理由だけど。それは『私が反省していたから』だよ。もちろん、反省して許されるような問題じゃないけど、フェニックスは感情的なところがあるから、それで死刑だけは見逃してくれたんだ」
「そ、そうなのか」
 まあ、さっきからキュリアの発言を聞いてると、潔さを感じますしね。たいていの悪人なら、『俺は悪くない』と言って自分の罪を認めようとしないでしょうし。
「またフェニックスは私が決して死にたがらないのを分かってるから、殺さないでおいた方が罪滅ぼしになるとも考えたんだよ。あと、必要悪としていさせるとも言っていたかな。……おっと、理由が二つじゃなくなっちゃったね」
 キュリアは苦笑いしながら続けます。
「ただ、フェニックスは私を生かしておいたことについて後悔してるみたいなんだ。当然だよ。だって反省して許されるような罪じゃないし、精神障害による冤罪なんてもってのほかだよ」
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