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キュリアと謙次 さんびゃくごじゅうはっかいめ!

イノブン「今回の問題って、相当難しいわけだよな」
ケーケー「そのとおり! 超難問です」
イノブン「読者の中で、自力で答えにたどり着いた人は出ると思うのか?」
ケーケー「出ないと思うね。もし出たら凄く驚く」
イノブン「へぇ。どんな風に」
ケーケー「正解したのか、俺以外のヤツ(が作った難問)を・・・」
イノブン「OK。予想通りの回答をありがとう。まぁ、第1問から第4問までもお前が作った問題じゃないけどな」
ケーケー「この問題に正解するのは、謙次だけだと思ってた」
イノブン「OK。新鮮ネタとはいえ無理に引っ張らなくて良い。そろそろ読者も飽きる」
ケーケー「大丈夫。このネタ(※1)で利用できる部分はもうナレーションとテレレレレー↑くらいしかないから」
イノブン「ニコ動ランキングに上がる割には素材不足だもんな」
ケーケー「少ない素材で健闘することに対する賛美というわけですね」
(※1:『今夜』で検索)


<前回のあらすじ>
【第5問】
 13枚の金貨がある。この中の1枚がニセモノであり、その1枚を特定したい。
 本物の金貨は全て同じ重さであるが、ニセモノの金貨だけ重さが異なる。ただし、ニセモノの金貨が本物の金貨と比べ、軽いか重いかは分かっていない。
 3回だけ天秤を使い、ニセモノの1枚を特定しなさい。 
※今回はややヒントを含みます。


<本編>
 あれから特に進捗も無いまま、1時間が過ぎました。
 この間、謙次は何もしていなかったわけではありません。
 1回目の天秤に、片方3枚ずつ乗せたときの解決法を考えていたのですが、結局分からず仕舞いで終わってしまいました。
 そんな時でした。
『……聞こえるかい、謙次』
 ふと、フェニックスの声がしたのです。
『その様子だと、聞こえているみたいだね。……あ、そのまま動かず、何も考えず、声も出さずに。やつらに見つかったら、一巻の終わりだから』
 フェニックスの言う『やつら』とは、お面の人たち、キリスト教過激派のことでしょう。
『ちなみに、この問題を考える際は、金貨にアルファベットと数字をつけて考えると分かりやすいよ。たとえば、1回目の天秤にかける際、左側に乗せる金貨をA1,A2,A3,A4。右側に乗せる金貨をB1,B2,B3,B4。乗せなかった金貨をC1,C2,C3,C4,C5とそれぞれに名前をつけると、2回目以降どうすればいいかがとても考えやすくなる』
 今フェニックスが言ったのは、1回目の天秤で片方4枚ずつの8枚を乗せるという状況です。……ということは、1回目の天秤はそのようにするのが正解、ということなのでしょうか?
 フェニックスは続けて言います。
『さて、本題に入ろう。まずこの問題のヒントを伝える前に、一つ忠告したいことがあるんだ』
 脳内に響くフェニックスの声からは、これまでに無いほどの緊張感を感じました。
 それだけお面の人たちに気づかれるのを恐れているのに、ヒントより先に伝えたいこととは、一体何なのでしょうか?
『君がその問題に挑戦してから、早くも4時間が経過した。……実は、君があと15時間以内にこの問題を解かないと、世界中で君のような被害者が続出するかもしれないんだ』
 今の謙次は人質のようなもの。
 謙次が問題に挑戦している間に、お面の人たちは次にこの空間に拉致する人を連れ出そうとしています。
 今は、その前準備中で、それが1日以内に終わるとのことでした。フェニックスの口ぶりからすると、その前準備が終わるのがあと15時間程度といったところなのでしょうか?
『もし、あと15時間以内に君がその問題に正解できなければ、君のような人質がまた数人増える。そして、その人質を使ってまた数人増える、といったように被害者が増え続けるんだ』
 フェニックスは一息置いて、続けます。
『逆に、もし君が15時間以内に正解できれば、人質のかせが無くなって僕も自由に行動できる。およそやつらの不思議な術の真相を暴いたから、人質さえいなければやつらの前準備が終わる前に全員捕まえることができると思う』
 なるほど。
 つまり、謙次はなんとしてもあと15時間以内に正解しなければならない。
 そういう意図だと思って、謙次は聞いていましたが、
『……でも、絶対に無理はしないでくれ』
 フェニックスは言いました。
『君がその空間にいるうちは、僕も隙を見て助言できるだろうし、……最悪長い時間をかけて君を助け出すこともできるかもしれない。……だが、もし君が不正解でもして、別空間に幽閉されでもしたら、おそらく僕は助けることはできない。だから、絶対に不正解だけは出さないでくれ。まず、ヒントを伝える前に、それだけ伝えておきたかったんだ』
 いつものようなおふざけ感が一切感じられない、フェニックスの真剣な声。
 そんな声で『絶対に不正解をするな』と伝えたのは、謙次の身を案じてのことなのか、はたまたフェニックスがお面の人たちを捕まえる上での足かせになりうるからなのか?
 そんなことを謙次は疑問に感じましたが、すぐにその疑問を引っ込めました。
 なぜなら、今はその疑念こそがただの足かせでしかないからです。
『さて、じゃあヒント……もとい、この問題の答えだけども』
 フェニックスは言います。
『そろそろ気づかれそうだから、イメージで送るね。さっき言ったとおり、1回目の天秤の左側に乗せた金貨をA1からA4、右側に乗せた金貨をB1からB4、乗せなかった金貨をC1からC5で表記してあるから、……ちょっと痛いけどごめん!』
 早口でフェニックスが言い切った途端、謙次は激しい頭痛を感じました。
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キュリアと謙次 さんびゃくごじゅうななかいめ!

ケーケー「今回の回は、第5問について少し考えているだけで、ヒント回とは程遠いので安心してご覧下さい」
イノブン「……え? まだヒントじゃないの? じゃあ、今回は何のためにやるの?」
ケーケー「第5問がいかに難しいかを、解いていない人たちに分からせるためさ!」


<前回のあらすじ>
【第5問】
 13枚の金貨がある。この中の1枚がニセモノであり、その1枚を特定したい。
 本物の金貨は全て同じ重さであるが、ニセモノの金貨だけ重さが異なる。ただし、ニセモノの金貨が本物の金貨と比べ、軽いか重いかは分かっていない。
 3回だけ天秤を使い、ニセモノの1枚を特定しなさい。 


<本編>
(な、……なぜだ)
 謙次は、ニセモノ金貨の特定に苦戦していました。
(金貨は全部で13枚。……そして)
 謙次は天秤に金貨を5枚ずつ、合計10枚乗せました。
 すると、天秤は釣り合います。
(1回目、金貨を片方5枚ずつ天秤に乗せ、それがすべて本物の金貨であれば、このように釣り合う。そうすることで、今天秤に乗せた10枚は本物の金貨とみなせるから、あとは残った3枚の中でニセモノを特定すればいい)
 次に、謙次は残った3枚の中から2枚を手に取り、天秤に片方1枚ずつ乗せました。
 すると、天秤は右に傾きました。
(2回目はこのように乗せる。もし、天秤がこのように傾けば、どちらか一方がニセモノだと分かる)
 なるほど! じゃあ2回目でもうニセモノが特定できた!
 ……というわけでは、ないんですよね。
 確かに、今乗せた2枚の金貨のうち、1枚がニセモノであることは特定できたのですが、
(今分かっていることは、ニセモノの金貨が本物の金貨と重さが異なるということだけだ。つまり、本物の金貨と比べて重いのか軽いのかが分からない)
 その通りです。
 天秤が右に傾いたということは、右の金貨が左の金貨よりも重いということ。
 もし、ニセモノの金貨が本物の金貨よりも重いのであれば、ニセモノの金貨は右の金貨になります。
 ですがもし、ニセモノの金貨が本物の金貨よりも軽いのであれば、ニセモノの金貨は左の金貨ということになります。
 つまり、もう1回天秤を使う必要があるのです。
(3回目は、左の金貨を余ったもう1枚の金貨と置き換える。すると……)
 今度も、天秤が右に傾きました。
 これは、どういうことか皆様お分かりでしょうか?
 今、謙次が置き換えたのは、1回目で余った3枚の金貨のうち、2回目で乗せなかった1枚です。
 2回目では、天秤に乗せた2枚のうち1枚がニセモノであることが分かったので、今置き換えた1枚は本物の金貨であるということが分かります。
(作者:ニセモノは13枚中1枚なので、天秤に乗せた金貨の中にニセモノがあると分かれば、乗せなかった金貨は本物であるとみなすことができます)
 結果、天秤は右に傾きました。……ということは?
(左の金貨は本物だから、右の金貨がニセモノだと分かるわけだ)
 ちなみに、3回目で釣り合えば、右の金貨も本物ということになるので、置き換えで天秤から降ろした金貨がニセモノということになります。
 ここまでは、謙次が3時間かけて自力で答えを見出しました。
 しかし、このことが分かったところで、正解とは程遠いのです。
(今分かったことは、1回目で乗せた金貨がすべて本物だった場合における正解だ。……もし、1回目で乗せた10枚の中にニセモノの金貨がある場合は、特定ができねぇ)
 謙次はそこに、苦戦していたのでした。
 最初に天秤に乗せた金貨の特定は、片方2枚ずつの4枚の時でしか、できていないのです。その場合、天秤が釣り合えば余る金貨は9枚。とても後2回の天秤で特定することはできそうにありません。
(作者:片方2枚ずつの4枚の中からのニセモノの特定はそんなに難しくはないですが、正解とは程遠いので説明は省きます。余力のある人は、片方2枚ずつの4枚の正解を見つけた上で、そのもう一歩上のレベルに当たる、片方3枚ずつの6枚に挑戦してみてください。おそらく、それに挑戦するだけでこの問題の難しさが実感できると思います)
 『挑戦するだけで』ということは、必ずしも正解できるわけじゃないということか?
(作者:そうですね。正解はあるのですが、まずまず難しいので、正解できる人と出来ない人とは半々くらいだと思います。……もっとも、片方3枚ずつの6枚の中からニセモノを見つけられる正解があるだけで、余った7枚の中からニセモノを見つけることもできるとは言っておりませんが)
 ……片方3枚ずつの正解を見つけても、もし釣り合った時、余りの7枚の中からどうやって探すんだ、ということか。現状、余りは3枚でしか特定できていないしなぁ。
(作者:この辺がこの問題の難しいところですね。1回目の天秤にかける金貨は3枚ずつの6枚でもかなり難しい。その上、1回目の金貨が釣り合い、余った金貨の中からニセモノを探す場合は3枚を超えると厳しい。つまり、本来この問題、金貨9枚の中から1枚を探すだけでも十分に難しいのです)
 めちゃくちゃな問題だぜ、まったく。本当に正解なんてあるのやら。

キュリアと謙次 さんびゃくごじゅうろっかいめ!

ケーケー「ついに第5問、最終問題です」
イノブン「超難問なんだよな」
ケーケー「そのとおり、第4問までと比べて、遥かに難しい問題となっております」
イノブン「……して、今回はそのヒント回か?」
ケーケー「いいえ。第5問は難しいので、いつも以上に冗長に行こうと思います」
イノブン「多分、読者は魔法でバトルしてる回を期待してると思うのだが……」
ケーケー「それはそれ、これはこれだから」
イノブン「どれだよ」
ケーケー「つまり、ヒントに行く前に、まずは触りを今回やろうかなと」
イノブン「ふむ」
ケーケー「それでもって、次かその次あたりにヒントを入れようと、そういう考えです」
イノブン「……うん。でも、イノブンの考えとは違うかな」
ケーケー「どう違うの?」
イノブン「とっととクイズ編終わらせて、バトル編を展開しろ!」
ケーケー「そういわれましても、次なにやるか、まったくアイデアがないんですよ~!」
イノブン「はぁ!? ふざけるな!! とっとと考えろ!」


<前回のあらすじ>
【第5問】
 13枚の金貨がある。この中の1枚がニセモノであり、その1枚を特定したい。
 本物の金貨は全て同じ重さであるが、ニセモノの金貨だけ重さが異なる。ただし、ニセモノの金貨が本物の金貨と比べ、軽いか重いかは分かっていない。
 3回だけ天秤を使い、ニセモノの1枚を特定しなさい。


<本編>
 謙次は考えました。
(どうせ、この問題も画期的な解決法を思いつかない限り解けないようになっているんだろ)
 確かに、これまでの問題は全てそうでした。
 第1問では、帽子を数字に置き換え、自分より上の段にいる人たちの回答から自分の帽子が特定できる画期的な解決法で正解しました。
 第2問では、『答えられない』という情報から自分の帽子の色を特定する画期的な方法で正解しました。
 第3問では、第2問で用いた手法を発展させ、一見複雑な難問を3パターンで考える画期的な方法で正解しました。
 第4問では、送る側と受け取る側との両方で鍵を掛けた後、送る側の鍵を外すことで、受け取る側が鍵を開けられるようにする画期的な方法で正解しました。
 第2問以降、謙次はこれらの画期的な方法を導き出せています。
 しかし、第2問ではお面の人からの2つのヒントがありました。
 第3問も、いうなれば第2問を複雑にしただけの問題です。
 第4問は、ヒントは無いものの十分な時間を掛けて正解に至っています。
 ですが、この第5問はノーヒントです。
 時間も、これまでの問題より難しいわりには、1日も猶予がありません。
(作者:謙次が脱出するには、どれだけでも時間を掛けることができます。しかし、謙次が半ば人質となり捕まっていると、1日も経たないうちにお面の人が宗教活動を始めてしまいます。それを阻止するための期限が、1日未満というわけです)
 このような状態で、これまで通り画期的な方法を考えることができるのでしょうか?
(無理だ……)
 謙次はそう考えました。
(……でも、取りあえず考えるだけは考えないとな)
 さて、長らくお待たせしました。
ここからが第5問の内容になってきます。
(まず、これが金貨か)
 机の上には、13枚の金貨がありました。
 これらは、すべて同じ外見ですが、どれか1枚が重さの異なるニセモノです。
 謙次は、1枚ずつ金貨を手に取り、13枚の金貨を触ってみました。
(……持ってみた感じだと、重さの違いが全然分からないな。……試しに、天秤に6枚ずつ乗せてみるか)
 机の上には、金貨のほかに天秤とメモ、ペンがありました。
 メモとペンは、天秤と金貨を触ってひらめいたアイデアを書き留めるためのものなので、この問題で鍵となるのは天秤の方です。
 謙次は、天秤の片方に6枚、もう片方に6枚の金貨を乗せてみました。
 しかし、
(……釣り合ってる、よな? 本当にこの金貨、重さの違いがあるのか?)
 謙次は、いぶかしげながらも残った1枚の金貨を取り替え、天秤に載せました。
 すると、
「……ああ、これなら分かるな」
 天秤は、目で見て分かるレベルで傾きました。
(……ん? 待てよ)
 謙次は考えます。
(今俺、2回しか天秤を使ってないよな? ……でも、ニセモノは明らかに今俺が乗せたこの1枚だ)
 確かに、謙次の言うとおりです。
 13枚中12枚を乗せたところ、天秤は釣り合いました。
 しかし、残った1枚を入れ替えて乗せると、天秤は傾きました。
 ニセモノは、残った1枚です。
(……この問題、案外簡単にクリアできるかもしれねぇ!)
 謙次は、そう考えていました。
 しかし、その考えが全くの的外れなものであることを、謙次は思い知るのでした。

キュリアと謙次 さんびゃくごじゅうごかいめ!

ケーケー「ようやく最終問題です」
イノブン「やっとか。ようやく終わるのか。これで、減りに減った閲覧者数も回復するといいが」
ケーケー「……え? 減ってるの?」
イノブン「最盛期は週平均5人来てたけど、現状のカウンターを見てみ」
ケーケー「……5人来てる日が一日もない」
イノブン「最近の話って、ミカエルと何気ない1日を過ごしたり、クイズに延々と取り組んだり、イマイチ熱気が足りないんだよね」
ケーケー「うぐっ。……でも、クイズ編は前々からやりたかったし……」
イノブン「好き勝手だな。このキュリアと謙次は、いつから何でもアリの読者に配慮の無い内容になってしまったんだ」
ケーケー「最初からだよ」
イノブン「……」
ケーケー「たしか、200回目あたりが最盛期だった気がする」
イノブン「……ごめん、イノブンがどうかしてたわ」


<前回のあらすじ>
 謙次が最終問題である第5問に挑戦することになりました。


<本編>
【第5問】
 13枚の金貨がある。この中の1枚がニセモノであり、その1枚を特定したい。
 本物の金貨は全て同じ重さであるが、ニセモノの金貨だけ重さが異なる。ただし、ニセモノの金貨が本物の金貨と比べ、軽いか重いかは分かっていない。
 3回だけ天秤を使い、ニセモノの1枚を特定しなさい。


「……というのが、第5問だ」
 お面の人は言います。
「第5問のクリア条件だが、今言った主旨のゲームを5回行ってもらい、それに1回も間違えずに正解すればクリアとする」
「5回も!?」
 謙次は驚いて言いました。
 それに対し、お面の人はこう返します。
「5回このゲームを行い、全問正解することができれば、13枚のうちどの金貨がニセモノであっても答えが分かるとみなせるのだ。すなわち、クイズに正解したと言えるわけだ」
「……よく分からないけど、難しそう」
「ああ、このクイズは非常に難しい。その代わり、ゲームに挑戦するまでは、この部屋で自由に過ごしてもらって構わない」
 お面の人は言いました。
 第5問に挑戦するにあたって謙次が連れられてきた部屋は、これまでのような質素さや暗さがなく、物がたくさん置いてあり、明るい部屋でした。
 部屋に入って謙次がまず目をつけたのは、右手奥にあるドリンクコーナーと本棚でした。
 ドリンクコーナーは、ファミレスのドリンクバーのようになっており、本棚にはたくさんの漫画の単行本が入っていました。
「ドリンクや漫画は、追加で欲しい種類があれば、ダイニングテーブルの上においてある端末で注文すれば、いつでも買ってきてやろう。あの端末は、元の世界にあるほぼ全ての商品を網羅している。特に、食事だな。元の世界の有名店のメニューをおよそ再現した食事も提供できる。つまり、いつでも好きな時に、美味しい食事が食べれられるというわけだ」
 何そのうらやましい空間。
 今お面の人が言ったダイニングテーブルの他に、テーブルと机がそれぞれ1個ずつありました。もう1つのテーブルは、左手奥にあるテーブルで、謙次が好きそうなゲームが置かれていました。
 机は、正面にありました。
 その机には、1個の天秤と、13枚の金貨が置かれていました。
「あれが、このクイズの主旨となる天秤と金貨だ」
 お面の人は言いました。
「あれは自由に使ってもらって構わない。先ほど説明した端末に、『第5問本番挑戦』というボタンがあるが、そのボタンを押すまではどのように使ってもらっても構わない。13枚の金貨のうち、1枚だけニセモノがあるから、実際に使ってみてニセモノの金貨の特定方法を考えてもらえばよい。必要があれば、同じ机の上に乗っている紙とペンも使うと良い。それでも整理しきれず、解答に行き詰まったら、美味しい食事を注文するなり、ゲームで遊ぶなりして、気分転換して脳をリフレッシュすると良い。実際、リフレッシュした後クイズに臨むと、思った以上の成果が出ることも多々あるからな」
 長い……。
(作者:この問題は、今までの問題よりも遥かに難しいです。実は、このクイズ空間では、回答者がある程度の優位性を保てなければいけないというルールがあるのです。優位性と言うと良く分からないかもしれませんが、例えば、これまで出してきたようなクイズの難易度を遥かに超えた難しいクイズをそのまま出すことができない、といったルールがあります)
 え? じゃあこの第5問も、難しすぎて出せないんじゃ……
(作者:しかし、今回は時間無制限にしたり、脳をリフレッシュできる施設を提供することで、謙次はある程度有利に問題を解けるようになっています。このようにすれば、この空間でも難しいクイズを出すことができます)
 そうなのか。……何か、へりくつな気もするが。
(作者:実際、難しいクイズも長い時間を掛けて、合間にリフレッシュをはさみながら考えれば、案外解けるようなものですよ。このクイズも、謙次のレベルで解けないわけではないと、僕は思っています)
 そうなのか?
(作者:遥か長い時間をかければ、の話ですけどね)
 ……そうして、謙次がこの空間にとどまっていることで、人質にできるわけだな。フェニックスに救出されることがなく、謙次が第5問に正解するまで人質にされる。その間、お面の人の所属する宗教団体は、フェニックスの妨害を受けることなく宗教活動できる。
「せいぜい長い時間をかけて考えることだな、謙次。ただし、次の宗教活動は1日もしないうちに開始すると思ってもらおう。次の宗教活動が始まれば、お前のような人質を増やし、仮にお前がこのクイズに正解したとしてもフェニックスの妨害を受けないシステムが完成する」
「……つまり、あと1日以内に正解しなければならない、ということか」
 謙次はそう言うとともに、思考をめぐらせます。
(……となると、もしかしたら当てずっぽうでクイズに臨んだほうがいいのかもな。だが、5回連続で正解できる確率はとても低いし、もし不正解なら……)
 そう考えた矢先、お面の人は言います。
「もし不正解なら、1生を何も無い空間で過ごしてもらうことになる。その空間からお前を脱出させることは、フェニックスであれど不可能だろう。もし、元の世界に返りたいのであれば、第5問に正解するほかないぞ」
 一呼吸置いて、お面の人は言います。
「あと、このクイズは当てずっぽうでは絶対に正解できないようになっている。もし、ニセモノの金貨を13枚中2枚にしぼれたとしても、当てずっぽうで1枚を選んだらもう片方の金貨がニセモノになるように設定されている」
「な、なんだよそれ!? ニセモノの金貨は勝手に変わるのか!? 卑怯じゃないか!」
 謙次の文句に対し、お面の人はあきれたように言います。
「謙次、お前はゲームに取り組んでもらっているのではない。クイズに取り組んでもらっているのだ。このクイズでは、13枚のうち1枚あるニセモノを3回天秤にかけて特定したら、ちゃんと正解できるようになっている。当てずっぽうが通用しないだけだ」
「そういうことか」
「……では、私は次の宗教活動の準備があるので、これにて失礼」
 そう言って、お面の人は消えてしまいました。
プロフィール

ケーケー

Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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