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キュリアと謙次 にひゃくさんじゅうにかいめ!

 一方その頃、現在進行形で火の海になっている村の上空にて、
「ハハ……! 見ろ! 人がゴミのようだ!!」
 そう言って喜んでいる青年がいました。『見ろ』とか言ってるくせに、独り言だということには触れないでおきましょう。
(作者:あと、どこかで聞いたことのあるセリフだということにも触れないでください。今のセリフが聞き覚えのないセリフだなと思った方は、そのままスルーしていただいて結構です)
 この村が火の海になったのは、今さっきのことです。青年が何か魔法を使い、この村を火の海にしたのです。
(作者:今青年が使ったのは、正確には、魔法じゃなくて『呪文』です。)
 あれ? そうだったんだ。今まで呪文はほとんど出てなかったから、忘れてたよ。
 えーと、呪文の設定は、……あった! 202回目です。
(作者:イノブンが自分で説明してるじゃないか。呪文についてめちゃくちゃ詳しく)
 ああ。あれはカンペをガン見して説明してただけだよ。
(作者:カンペ!? え!? この地の文って、そういうシステムなの!?)
 202回目によれば、イノブンこんな説明もしてましたね。
『もう1つ、呪文が魔法と異なる点があります。それは、その難しさゆえ、効力が一般的な魔法と桁違いな点にあります。魔法では、怪我を治す、火を出す、そういったものが、呪文では、体力を全回復する、あたり一面を一瞬で火の海にする、そういったものになります』
 あたり一面を一瞬で火の海にする呪文があるって、自分で言ってましたね。
 呪文は魔法と比べて扱いが非常に難しい(202回目参照)から、この青年はそこそこ強いということなのでしょうね。
(作者:前回で、キュリアよりも強いという設定がすでに出てますしね)
 村を燃やし、満足したところで、青年はあたりを見渡しました。すると、青年は黄色い何かを見つけてニヤリと笑いました。
「やはり来たか、フェニックス」
 青年が見つけた黄色い何か、……フェニックスは目が笑っていない感じの笑顔で言います。
「もちろん。悪い子には、お仕置きをしなくちゃ」
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キュリアと謙次 にひゃくさんじゅういっかいめ!

「フェニックスに伝えたぜ! 俺たちはどうする!?」
 切羽詰まった顔をして言う謙次に、キュリアは落ち着いて答えます。
「あ、だったらもう大丈夫だよ。あとはなるようになるね」
「え!? でも、俺は非力だからともかく、キュリアならなにかできることがあるんじゃ……」
「ないよ」
「ないの!?」
「うん。私とフェニックスじゃあ、戦力が桁違いだからね。私が戦力に加わったところで、1だったのが1.00001ぐらいに増えるだけだよ。下手したら、ただの足手まといになるだけかもね」
「そ、そうなのか?」
「え、えっと、そろそろ聞いてもいいわよね?」
 キュリアと謙次の会話に、空気と化していたマリエルが入ってきます。
「緊急事態っぽかったから黙ってたけど、何があったの?」
「実は……」
 謙次は説明しました。1人の男が村を1つ消そうとしていたことを。
「なるほど、それでキュリアに行かせて村を救おうとしていたのね。えらいじゃない」
 そういうマリエルは、なぜ自分がすぐそばにいたのに頼られなかったのかということで、心の中で落ち込みます。
「ほんと、他人事なのに自分のことのように考えて行動するってのは、誇れることだと思うぜ」
 そう言うシーノは、謙次が今のことを話している間に意識を取り戻しました。
(作者:キュリアに超スピードで運ばれたから、さっきまで気を失っていたわけですね)
「まあ、その情報だけだと、私が行けば済む話だったんだけど、謙次のイメージから伝わってきた情報から、フェニックスに頼むべきだと私は思ったんだよ」
 え? 何、情報が不足してたの? そこはちゃんと伝えるべきだよ、謙次。
「今の話で不足してた情報は2つ。1つはその大量虐殺が行われる時間だよ」
「「時間?」」
 シーノとマリエルがオウム返しします。
「うん。おそらくその大量虐殺は、……もう始まってる」
「「なっ!?」」
 驚いたのはシーノとマリエル。謙次はただ、深刻な表情をしていました。

キュリアと謙次 にひゃくさんじゅっかいめ!

(……これは?)
 マリエルの回復魔法により、意識を取り戻しつつある謙次。しかし、そんな謙次の脳裏に、あるおぞましい光景が叩きこまれました。
 村人たちが平穏に暮らしている村。人口密度はそんなに高くはありませんが、そこそこ広い村なので、200人ぐらい人口はいるのでしょう。
 そんな村の上空にやってきた好青年[たくみ]。好青年は村に右手のひらを向けます。すると、なんということをしてくれたんでしょう。平和だった村が、解放感ある焼け野原に。


「はっ!?」
 急に謙次が起き上がりました。回復魔法をかけていたら、本当に急に起き上がってきたので、マリエルはびっくりしています。
 謙次は、イノブンの言葉に対して、『無理矢理某番組のフレーズにこじつけるな』とか突っ込みたいのではありません。
(……今のイメージは、一体!?)
 冷静になろうと、謙次は深呼吸します。しかし、深呼吸しても気は休まるどころか、むしろおぞましさだけが増大していきます。
(この感覚。まるで、俺の本能が俺に、これからそういうことが起きるとでも言っているかのような感覚。……間違いない! さっきのイメージは、俺の未来予知能力による未来の姿!!)
 つまり、これからこの世界のどこかの村が焼け野原になる、そういうことです。
「キュリア!!」
 謙次は周りを見渡します。しかし、家の中にいるのはマリエルだけです。
 マリエルは驚いた様子を出しながら言います。
「キュ、キュリアならシーノと出かけてるわよ? ど、どうしたの?」
 謙次はマリエルの問いに答えずに、キュリアに『テレパシー』で連絡を取ろうと試みます。
『キュリア! 今すぐ俺のイメージしているところに向かってくれ!!』
『……え? 謙次、どうしたの?』
『早くしろ!! これから人が死ぬんだぞ!?』
『ちょっと待って? え? 何? どういうこと? 詳しく聞かせ……』
『詳しく話している時間はない!』
 ……この会話からして、嫌な予感しかしない。
 焦る謙次に、キュリアは落ち着いて尋ねます。
『謙次、話している時間がないなら、イメージで伝えてよ。「テレパシー」なら、それができるよね?』
『……そうか!』
 謙次は能力で見た光景を、イメージでキュリアに伝えます。
 すると、
「なるほどね!」
 キュリアがシーノを連れて、家の扉を開けました。すごい速さで飛んできたのか、シーノが泡吹いています。
「謙次、急いでフェニックスにそのイメージを伝えて!」
「え? フェニックスに?」
「いいから早く!!」
 今度はキュリアが謙次をせかし出しました。
 ……余談ですが、この時のマリエルの空気感が半端ないです。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうきゅうかいめ!

↓ 今後、毎週日曜日に更新することにします。ご了承ください ↓


「おーい謙次! 夏休みの宿題教えて……あれ?」
 謙次に夏休みの宿題を教えてもらおうと、シーノはキュリアの家にやってきました。
 もちろん、1人で来たわけではありません。マリエルが連れてきたのです。
 え? なぜ謙次に宿題を教えてもらうと思ったのかって? それは、謙次の方が一学年上だからです。
 で、シーノがキュリアの家にやってきたわけですが、……その中では謙次が大怪我していて、大量出血していました。
 そんな状況だったら、普通に考えて真っ先に謙次の怪我の回復に努めるでしょう。
 しかし、この状況で普通に考えることはできません。
 なぜなら、謙次のそばにキュリアがいたからです。
 キュリアは、笑って言います。
「あ! マリエル! シーノ! いらっしゃい!」
 その言葉を聞いて、マリエルとシーノは思いました。
(謙次君、言ってしまったのね)
(あの、禁句を……)
 この後どうすればよいか、2人は考えました。
 さすがに、謙次がこんな状態なのに家に上がって会話するのは、2人とも嫌です。
 しばし考えた後、シーノは言いました。
「そうだキュリア! 急に川見たくなってきた! 1人じゃ行きづらいから、ついてきてくれないか?」
「え? いいけど……、って、うわっ!?」
 キュリアはシーノに引っ張られ、どこかへ行ってしまいました。
 キュリアがいなくなったのを確認して、マリエルは謙次に回復魔法を使います。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうはっかいめ!

ケーケー「今度から、更新日を毎週日曜日のみとさせていただきます」
イノブン「え!? たったの週一!?」
ケーケー「私事ですが、これから小説にかけられる時間がかなり制約されるので、もう当分は週二更新はできないかと。そういうわけなので、よろしくお願いします」
↓ 本編 ↓


 謙次たちが遊び疲れて浜辺に戻ると、キュリアのそばに、人間の脚のひざより下だけが逆さまに露出していて、あとは砂に埋まっている何かがいました。
 みんながその光景を見て静まっている中、ガイは言います。
「じゃあ、マリエルがこんな状態だから、今日は俺がお前らをマリエルの家に送ってやるよ!」
 え? これマリエル? この脚だけ出てるの。
「ちょ、……ちょっと、マリエル?」
「あ、話しかけても無駄だぜシーノ。こいつ完全に気絶してるからな」
 そうガイに言われるシーノ。すると謙次が、
「え? 一体何があったんですか?」
 みんなが疑問に思っていることを聞きます。すると、ガイは、
「……キュリアには、言ってはいけない言葉がある。もう、分かるよな……」
 そう、やさしい顔で語りかけました。


(作者:さて、これにて海編完結です。みなさん、どうだったでしょうか?)
 ……ぶっつけ本番を感じさせられたよ。
(作者:まあ、毎回毎回ぶっつけ本番ですしね)
 次の内容は考えてあるのか?
(作者:いいえ)
 ……読者のみなさま、ご愛読ありがとうございました。キュリアと謙次はこれにて……
(作者:ちょっと待った!!)
 え?
(作者:ぶ、部分的にだけど!! 部分的にだけど、案は残ってるから!! だから、もうちょっとだけ!!)
 ……まあ、じゃあ期待しようか?
(作者:お? 予想外の反応!)
 みなさま、次からは今までとは比較的にならないくらい面白い展開が待っているので、どうぞ期待してお待ちくださ……
(作者:ハードル上げないで!! そういう期待しなくていいから!! 今まで通りだな的な期待でいいから!!)

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうななかいめ!

「さて、謙次君大丈夫かしら? シーノに無理やり泳がされてなければいいのだけど」
 マリエルは心配なので、自分の両手を合わせることにしました。
 え? 今の文おかしいって? いえいえ、おかしくないです。
 マリエルは、『自分の両手を合わせると、世界中のどこでも好きなところを見れる』能力を持っています。マリエルは謙次のことが心配なので、この能力を発動したのです。
 ところが、両手を合わせた瞬間、マリエルは目を開きました。
(作者:マリエルはキレると、目を開く癖があります)
 マリエルが能力で見たのは、シーノが自分の胸を謙次に触らせようとしている姿。マリエルは自分の孤児が変態的な行動を取るのをすごく嫌います。ってか、嫌うのを通り越してブチギレます。
(作者:マリエルは、そういうのに無頓着で健全な精神を持って育ってほしいと、孤児に願っています。なので、そうでない傾向が見えると、キレちゃうわけです)
 さて、幸いシーノはマリエルの怒りを感じ取ったらしく、他の孤児の乗っている動物型の乗り物とかで遊ぶことにしたようです。
 マリエルは怒りの対象が消え、ほっとしました。
 ほっとして、左を振り向くと、ガイが砂のお城を作っていました。そのお城の中に、寝そべったキュリアが埋まっていて、キュリアの頭だけが城の横側から出ています。
 何かがおかしい。そう思う気持ちもありますが、
「あなたたち、……何で楽しそうにそんな年齢に合わないことやってるの?」
 呆れた顔で、マリエルは聞きました。
 それを聞くやいなや、キュリアはガイの作っていたお城の中から、急に起き上がり、マリエルに笑顔で聞き返します。
「ん? 年齢に合わないって、どういうことかな? かな?」
 あ、これだめなやつや。
プロフィール

ケーケー

Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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