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キュリアと謙次 にひゃくにじゅうろっかいめ!

 ばしゃばしゃばしゃ。
 シーノは謙次を海の中へ連れて行き、泳ぎまわっています。
 それを、謙次はただ突っ立って見ていたのでした。
「どーん!」
「うわぁ!?」
 シーノは、ただ突っ立っていただけの謙次に突撃しました。
「せっかく海に来たんだし、謙次も泳げよ!」
「だから、俺は泳げないんだって!! 見てろよ」
 そういうと、謙次は一度頭を海中に沈め、すぐに直立不動の体勢に戻しました。
「……何やってんだ、謙次」
「見ての通りだ。俺は全く泳げない。学校のプールの授業も、ビート板がないとうまくやっていけなかったぐらいだからな」
「いや、ビート板以前に、泳ごうとしてなくないか?」
 シーノの指摘はもっともでした。謙次は、絶対に泳げないと思い込んでいるため、底を思い切り蹴って泳ごうとせず、沈んでもすぐ立ち上がれるような姿勢で泳ごうとしたのです。つまり、泳ぐための体勢を取っていなかったわけですね。
「じゃあ、ここで特訓だな」
 そう言って、シーノは謙次の手を取ります。
「「あ」」
 しかし、その手はシーノの大きめの胸に当たってしまいました。
 互いにわざとではありません。これは完全なる事故です。
 謙次は顔を赤らめましたが、シーノは、
「さぁ、手をこっちへ、謙次!」
 謙次の反応を見て、胸から離れた謙次の手を、自分の胸へと近づけます。
 どうやらシーノは、嫌がる謙次を見て、その反応を楽しんでいるようですね。
(作者:まあ、嫌がっているようでおそらく本心ではあまり嫌がっていない謙次を見て、というのが正しい表現でしょうけど。シーノはMなので、あまり人の嫌がることはしません)
「どうだ謙次? そろそろ、お前の『聖剣エクスカリバー』が『拡大』してきた頃じゃないか?」
 『聖剣エクスカリバー』も『拡大』も、謙次やシーノがよく遊んでいるカードゲームのカードの名前です。『聖剣エクスカリバー』はかなり強めの装備カード。『拡大』は能力値を倍加する強い効果を持ったカードです。
 まあ、そんな感じで謙次をおちょくっていると、急にシーノの動きが止まりました。
 よく見ると、なにやらシーノが青ざめています。
「ど、どうしたんだシーノ? 急に」
「……さ、殺気のようなものを感じたんだが。……あそこらへんから」
 そう言って、シーノが指さしたところは、砂浜でした。シーノの指差したところには、両手を合わせて開眼しているマリエルがいました。
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キュリアと謙次 にひゃくごじゅうごかいめ!

 前回のあらすじ。海に遊びに来たはいいが、海中に潜む3人の正義の味方。かれらを倒しておかないと、謙次やマリエルの孤児たちが海で遊んでいる最中に危険が訪れるかもしれない。よって、キュリアは謙次の指示に従い、正義の味方を倒しに行くことになったが……、
「倒してきたよー!」
 早っ!? え!? 今回、戦闘シーンとかないの!? 3人もいたのに、カット!?
「ふふ。スムーズな戦闘だったわね。能力で見てたわ」
 そう語るマリエル。だったらその能力で見た戦闘シーンを語れよ!! そうでもしないと、せっかく来た3人が報われないだろ!!
(作者:いや、3人とも戦闘シーンを載せてほしいからやってきたわけじゃないんだけど)
「よし! 終わったなら、さっそく泳ぎに行こうぜ! 謙次!」
「うわっ!! ちょ、急に引っ張るなって、シーノ!!」
 謙次はシーノに連れられ、海の中へと向かいます。
 にしても、シーノはよく謙次なんか誘う気になりましたよね。普通、身内(マリエル)の友達(キュリア)の友達(謙次)よりも、親密なはずの孤児同士で遊びに行こうとしませんか?
(作者:マリエルの孤児の中でも、シーノだけ年が離れてますし。謙次はシーノと1つしか違わないので、そのせいでしょう。または、ひょっとしたら、シーノは世話好きな面も持ち合わせてるかもしれないですね)
 なるほど。謙次は人の世話なしでは生きていけないダメ人間ですもんね。
(作者:ひどいこと言ってるように聞こえるけど、事実だからなぁ。自立してきた面も書かれてましたが、いまだにほとんど家事とかそういうのはキュリアまかせですからね、コイツ)
「ところでキュリア」
「ん? どうしたの、マリエル?」
「謙次君って、泳げるの?」
「……いいや」
 そう言って、2人は海に連れて行かれる謙次のさまを見ていたのでした。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうよんかいめ!

ケーケー「ぷよぷよの大会であるBOXQ2杯! その初中級者大会で2位になりました!!」
イノブン「2位だと!? それはおめでとう!!」
ケーケー「イエーイ!!」
イノブン「……ん? 待てよ、『初中級者』大会?」
ケーケー「……うん。一般大会にも出たけど、初戦敗退でした」
イノブン「……やっぱり」
↓ 本編 ↓


 さて、作者の不安な言葉と、キュリアと謙次の制作秘話で始まった新編。今回、キュリア達は海に来ています。
 海に来ているのは、キュリアの他に謙次、マリエル、ガイ、そしてマリエルの孤児たちです。
「ちょっとシーノ! 海に入る前に……」
 マリエルが、海に飛び込もうとしているシーノを制止しました。
 しかし、『海に入る前に』の後の言葉を遮って、キュリアが言います。
「別にもう入ってもらってもいいよ、マリエル。どうせもう海の中には多くの人がいるんだし。……それで、やっぱり今年もいる?」
 一体キュリアは何を言っているのでしょう? 良くわかりませんが、
「いるわ。3人よ」
 マリエルは言いました。
 いい加減、話題に付いていけなくなった謙次は言います。
「えーと、2人とも、何を……」
 言いかけたところで、謙次の脳裏にあるイメージが浮かび上がりました。そのイメージは、キュリアが3人の正義の味方を、海中で倒しているイメージでした。
 なるほど。つまりマリエルの言った3人とは、海中でキュリアを待ち構えている正義の味方のことですね。事前にキュリアが今日海に来ることを知っていた正義の味方が、海で遊んでいるすきを突いて、キュリアを攻撃しようとしているのでしょう。
そう考えれば、今までのやりとりのつじつまが合います。マリエルが最初、シーノを制止したのは、キュリアが今から海の中で正義の味方と戦闘するため。マリエルは、キュリアが戦闘中に、シーノが海に入るのは危険じゃないかと思ったのでしょう。
それをキュリアは、
『別にもう入ってもらってもいいよ、マリエル。どうせもう海の中には多くの人がいるんだし』
 と言ったのですね。
(作者:この回のセリフをわざわざ引用で出さなくても)
 こうした方が、読者にとって分かりやすいかと思ったんだけども。……問題ないよな?
 謙次は、自分の能力が発動し、そのことを察することができました。
(作者:さっき、謙次の脳裏にふと浮かんだイメージというのが、謙次の能力によるものです)
 水平線は暁ではないので、勝利を刻んだりはしませんが、謙次はその水平線を指差して言います。
「状況は分かった。キュリア、俺が『テレパシー』で指示するまで向こうに向かって飛んでくれ」
「え!? 何で謙次が状況を把握してるの!?」
 キュリアの当然のツッコミ。そりゃあ、謙次が自分の能力で未来を見たからなんて、キュリアには分かるわけがありませんからねぇ。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうよんかいめ!

(作者:……はぁ)
 どうしたいきなり!? ここはもう本文だぞ!? 出だしで言いたいことは↑で書けよ!!
(作者:いやでも、↑で書くと、転載された後載らないし)
 載らないからそこで書けって言ってるんだろ!? まとめサイトに出だしのグダグダトークはいらねぇんだよ!!
 それで、一体どうしたんだよ?
(作者:いやねぇ、最近の話読んで、ひょっとしたら気付かれてるんじゃないかと思ったんだけどさ)
 ん?
(作者:最近の話の内容が薄すぎるって点に)
 まあ、言われてみればそうだな。
 1回目からキュリアの過去編までは、ど素人が書いたにしてはの話だけど、とても内容が考えられている感じだったし。
(作者:いやぁ、そこまで褒められるとは)
 『ど素人が書いたにしては』の話だけどな。
(作者:その言葉は大事じゃないから二度も言わないで)
 大事だよ。この小説と、小○家にな○うの人が書いた小説とじゃあ、面白さが全然違うだろうし。
(作者:それ言っちゃだめ!! 読者に逃げられたらどうするの!? あと、なぜ伏字にしたし!?)
 まあ、事前に考えてあった内容で書いてあるせいか、国語力がプラマイゼロむしろマイなお前でも、割といい感じに物語が出来上がってたんじゃないかな?
(作者:まあ、聖室庁裁判所編まではね)
 え?
(作者:そこから、ほとんどアドリブで書いてきた)
 アドリブ?
(作者:更新期限日まで何もせず、期限日が来てから早々と書いてた。だから、内容が薄い。アテラス・ダーパ・エルメス・ドライトとの対決編は正直、ドライト以外どんな対決にするか考えてなかった。そもそも、対決させること自体を行き当たりばったりで決めてしまった。3VS3にすることなんて、キュリアVSドライト戦が始まってから考えたことだし)
 すごい適当だなぁ。
(作者:そうじゃなかったら、わざわざフェニックスの妻ウインドを出したりしない。あんなヤバいの出したりしない)
 ……まあ、今からならウインドの方向修正も可能だから、今度出す時までに考え直したら?
(作者:実は、フェニックスとウインド。この2人は、僕が小5の時に考えて、以後いろいろな設定が加わり、性格とかがひどくなってるんだ)
 そんなにひどいのか?
(作者:……小3からエロ本読んでる僕の脳内なめるなよ)
 マセてるとかそういうレベルじゃないな、それは。
(作者:そのせいで、フェニックスとウインドが、年を重ねるごとにひどい設定に……)
 よくそんなキャラを、長年経ってから再登場させる気になったな。
 ……ってことは、その時からキュリアも考えてたの?
(作者:いや。キュリアはずっと後で考えたキャラ。吸血鬼っぽくして、和服着せた少女って可愛くね? ……そんな発想から、この物語のヒロインは生まれた)
 え? ってか、グダグダトーク中なのに、この物語の秘話言っていいの?
(作者:別にいいよ。今言わないと、ずっと秘密になるだろうし。っていうか、誰も興味持ってないだろうし)
 だろうね。
(作者:キュリアを考えてから、無人島に住ませようってなった。それで、そこに異世界から来た少年を一緒に住ませようってなった)
 それが、謙次か。
(作者:そういうこと。当初はキュリアの見た目の年齢が謙次の年齢だったけど、面白くなかったから、今みたいな感じになった)
 まあ、謙次はダメ人間してなきゃ謙次じゃないしね。小学生だとダメ人間ってイメージがないし。
(作者:それで、キュリアの過去とか、この物語で今までに出てきた設定をいろいろ考えた。そして、ある程度固まったところで)
 ブログを使って書き始めたわけだね。
(作者:うん。それで、話を戻すけど。あらかじめいろいろ考えてあったから、今までみたいにマシな内容で書けてたんだ)
 うん。
(作者:でも、ここからはマジで何も考えてない)
 ……え?
(作者:もうフェニックスの家から出てきちゃったし、新編に移るけど、それでも、まだ何も考えてない)
 ……やばくない?
(作者:だから、なんだかんだでこうなった)
「海だー!」
 ……え?
(作者:シーノは砂浜に着くと、そう叫びました)
 いや、勝手に地の文始めないで!! ってか地の文は、イノブンの仕事!!
(作者:そういうわけで、今回は海編になりました! みんなで来た海! そこでどんなイベントが起こるのか!? まあ、定番ですよね)
 いや、定番だけどさ!! ……どんなイベントが起こるのか、考えてあるの?
(作者:いや、全く。下手したら、何も起こらずに終わる)
 ……大丈夫か、この新編。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうさんかいめ!

「いやぁ、楽しかったね」
 城の出口付近、キュリアたちと別れる前に、フェニックスは言いました。
 キュリアも、
「そうだね。4人ともいい戦いができたしね。最後のウインドの逆転は予想できなかったよ」
 今日やっていたゲームの感想を述べました。
 この日やっていたゲームは、すごろくのゲーム。なぜすごろくゲームを選んだかというと、運ゲーだからです。実力が出るゲームは、いくら謙次が得意なゲームであれど、キュリアの方が強いからです。
いままで謙次は、キュリアの家で何種類かゲームをやっています。しかし、そのすべてのゲームで、キュリアと謙次との間に実力の差が出ています。それも、わずかな差ではなく、明白な実力の差が。
 なので、実力ゲーでは謙次はキュリアに絶対勝てません。戦闘中、光の速さで動けるフェニックスならなおさら勝てないでしょう。
(作者:光の速さで動けるということは、目で見た情報をそれだけ早く処理できるということなので、もし謙次とフェニックスが格ゲーで対戦したら、謙次はフェニックスに一撃も入れられずに終わるでしょう)
 圧倒的な力の差が見えるゲームなど、やっていて楽しいものでしょうか? いえ、そんなのは変態だけです。ウインドしか楽しめないでしょう。
(作者:割とウインドに失礼なこと言ってるけど、いいのかな?)
 でも、実際あの人おかしくない?
(作者:……気付いた?)
 まあ、あえて何も言わなかったけど。
 221回目、ウインドは上半身が吹き飛ばされても、平然としていました。意識が保っていられるのは、ウインドの『生きていられる』能力のおかげでしょうけど、その能力って痛みが消えるわけじゃないでしょ?
(作者:まあ、その通りです。死ぬほどのダメージを受けても、意識を保っていられるわけですが、意識を保っているからこそ、そのダメージの痛みは味わい続けることになります)
 それなのに、ウインドは痛がっているそぶりを見せず、むしろ明るくふるまっていました。
(作者:まあ、それ以上考察すると、ウインドがこの物語の中でどれだけヤバい人物なのか分かっちゃうから、そろそろ止めとこう)
 ……ヘタすると、ダーパよりやばくない?
(作者:ヘタしなくてもやばい。だから、これ以上は議論しないでおこう)
 ……分かった。
「さて、じゃあ夕食の食材でも買って、帰ることにするよ。じゃあね、フェニックス!」
「じゃあな!」
 キュリアと謙次は、フェニックスに手を振り分かれます。
 フェニックスも、
「うん! またね!」
 そう言って、手を振ります。
 2人がある程度離れたところで、フェニックスは城の中へ戻ろうとします。
(3か月前、あんなに消極的だった謙次が、今では積極的にキュリアを助けようとしている)
 それは、つい最近のことではありませんが、フェニックスはふとそんなことを考えました。
(ただのダメ人間だった謙次を、キュリアはちゃんと成長させているようだね)
 この時代に来たころは、キュリアが自分を殺そうとしているのではないかと疑っていた時期がありました。キュリアは命の恩人だというのに。
(作者:まあ、イノブンも疑ってたから、人のこと言えなくない?)
 それは言わない約束。
 しかし、そんなダメ人間だった謙次も、1ヶ月半経った時、聖室長裁判所でキュリアを救いました。キュリアを助けれたのは、あの時覚醒した能力のおかげでもあります。でも、キュリアがゲームを諦めていたら、能力が覚醒しようとキュリアは死んでいたでしょう。キュリアがゲームを諦めるのを阻止できたのは、謙次の勇気ある発言です。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅうにかいめ!

ケーケー「『三つ目が悟る ~これが私のドキュメント~』を聴きながら書いてた」
イノブン「もうちょっとまともな曲聴きながらにしろよ」


↓ 本文 ↓
「ここが、フェニックスの部屋か」
 謙次は自分たちが連れられた部屋を見渡します。部屋の真ん中には、ダイビングすると気持ちよさそうなソファーが2組、背の低いテーブルを挟んで向かい合っていました。奥の壁には、壁一面に広がる本棚、あとはクローゼットとか花瓶とか冷蔵庫とかテレビとか、そういうものが部屋に置いてありました。
 謙次の言葉に、
「いや、ここは客間だよ」
 フェニックスが訂正しました。
 ウインドは、本棚の上を指して言います。
「ちなみに、エロ本の類はあの本棚の一番上の段の端にある、あの箱の中に入ってるから」
「いやウインド、謙次にそれを読ませるのは教育上よくないから、そういうの教えちゃだめだよ」
 そう言って制止するフェニックス。ちなみに、今『制止』って言葉を打ったときに誤変換で……、
(作者:やめろ! その先は言ってはいけない!!)
 フェニックスは謙次に説明します。
「この部屋は、友達を招待したときに使うけど、会談しに来た外国人が来た時もここでくつろがせてるんだ」
「へえ」
 納得する謙次。フェニックスは続けて言います。
「だから、本棚のエロ本も、このゲームの類も、普段は隠してあるんだよ」
 そう言って、フェニックスはテレビの下からゲーム機を取りだします。

キュリアと謙次 にひゃくにじゅういっかいめ!

↓ フェニックスの妻、ウインドの胸から上を粉砕したキュリア! ついに人を殺してしまったか!? ↓


「はあ……。ウインド、廊下が血ですごく汚れちゃったじゃないか。どう考えても目に毒だから、早く元に戻ってくれるかな?」
 謙次の頭になにやら魔法をかけながら、フェニックスは言いました。
 その言葉に、
「はーい!」
 ウインドの下半身は答えました。
「え?」
 驚く謙次。それはまあそうでしょう。上半身のほとんどがふきとんだ人間が、返答したのですから。
「『コンストラクション』!」
 下半身しかないウインドがそういうと、周りに散らばっている赤いグロテスクなものが、ウインドのところに集まり出しましたキモい。そして、
「復活!」
 傷一つない、ウインドができました。
「まったく。僕が精神安定作用のある魔法を使ってなかったら、謙次は吐いてただろうに」
 そう言って、フェニックスは謙次に魔法をかけるのをやめました。確かに、こんなグロシーンを見たら、普通は吐きますよね。
「……どういう、ことだよ?」
 キョトンとして謙次が聞きます。グロシーンをしっかりと見ていたのに、精神安定作用のある魔法が掛けられてない今も、キョトンとしていられる謙次がすごい。いや、そんな作用を引き起こす魔法の方がすごいのか。
「どういうことって? ああ、ウインドが死ななかった理由?」
 フェニックスが聞き返し、さらに続けます。
「それがウインドの能力だよ。『死ななくてもいい』能力。致命傷を受けても、死にたくないと思っていたら、意識と感覚を保っていられる能力だよ。僕やキュリアは、肉体はそこそこ強いけど、脳をつぶされたら死んじゃうんだ」
 あ、やっぱり脳はまずいんだ。フェニックスって、血を吸いつくされても生きてたから、何やっても死なない気がしたんだけど。
「でも、ウインドは違う。ウインドは脳を木っ端みじんにされても意識を保っていられる。死にたくないと思っていれば、何があっても死なないんだよ」
「それは、すごい能力だな」
 謙次が言います。
 フェニックスは、
「さて、じゃあ気を取り直して、客室に案内するよ。ついてきて!」

キュリアと謙次 にひゃくにじゅっかいめ!

「へぇ。じゃあ、あなたが謙次なのね」
 ウインドは、フェニックスに紹介を受けてそう言いました。
「……にしても」
 謙次は言います。
「この国には、男は18歳以上じゃなければ結婚できないとか、女は16歳以上じゃなければ結婚できないとか、そういう法律がないのか?」
 確かに、ウインドは見た目9歳ぐらい。現在の日本では結婚なんてできません。
 謙次の言葉に、ウインドが反応します。
「え!? まさか謙次、『アンチフェミ』!?」
 ウインドは目をキラキラさせています。……シーノと同じような性質を感じるけど、気のせいなのか?
(作者:ちなみに、『アンチフェミ』とは、男女不平等主義者、すなわちアンチフェミニストの略です。男と女、どちらかの優位を訴え、世間からうっとうしがられます。
たとえば、『女は男の奴隷として扱われるべきだ!! なのに、どうして平然と街を歩いている!?』みたいなことを主張したり、『男は生きている価値がない。死ね』と主張したりする人がアンチフェミです。うざいですね。
この時代では実際にこういう人がいるわけですが、少し考えてみてください。もしあなたがアンチフェミだと疑われたら、嫌ですよね。みんなからうざがられるわけですから。
 そういうわけで、みんな自分がアンチフェミだと思われないように、男女についてほとんど何も言わなくなったのです。一人称が『俺』の女性がいたとしても、スカートをはいている男性がいたとしてもです。
 今謙次がアンチフェミだと疑われたのは、男女で制限が異なる法律を挙げたから。このように、この時代では少しでも男女不平等要素を含む言葉を口にするだけで、アンチフェミの疑いをかけられるわけです)
 お前にしては比較的分かりやすい説明だが、作者コメントでそんなに行を使うな!!
(作者:あ、すみません、つい)
 どうせこの設定を覚えてる読者は読みとばすんだから。
(作者:え!? 何それヒドイ!!)
 いや、ひどくないと思うけど。むしろ当然だと思うけど。
 ……さて、本編に戻りますか。
 こっそりフェニックスにアンチフェミ疑惑を解いてもらい、謙次は話を続けます。
「あと、確かお前50歳だろ? 年の差ありすぎだろ!!」
 そう言って、謙次はフェニックスにロリコンの疑いをかけます。……しかし、
「……え? 私、フェニックスより3つ年下なだけだけど?」
とか言うウインドに、
「……え?」
唖然とする謙次。まさかウインドも、キュリアと同じような設定か?
 ウインドはキュリアに迫り寄り、笑顔で謙次に向かって言います。
「私たちは、2人ともオバサンなんだよ!」
 ……あ。
(作者:……あ)
「……ちょっと、ウインド。今、何て?」
「だから! 私とキュリアは、オバサ……」
 ウインドが『ン』を言いかけた瞬間でした。キュリアの拳が、ウインドの顔面に当たりました。
 ……そして、砕けました。ウインドの頭が。
 一緒に弾けてなくなりました。ウインドの胸から上が。
「……え?」
 再び唖然とする謙次。もちろん、先ほど唖然としていた時と、心境はかなり異なります。
 ちなみに、勘違いしてはいけません。今謙次が唖然としているのは、謙次の目にグロ画像が映っているからではありません。
(キュリアが、人を、殺した……?)
と思ったからです。

キュリアと謙次 ひゃくじゅうきゅうかいめ!

「ここがフェニックスの家かぁ」
 謙次とキュリアがフェニックスに連れられたのは、モンスター王国の中心、フェニックス城。
「って、城じゃねえか!!」
「ちなみにこの城は、この国の政府でもあるよ。この国は王である僕が政治の主導者だからね」
 そう語るフェニックス。そういえばコイツ、一国の国王にして世界の支配者的な立ち位置にいるんだっけ?
 さっそく、城の中に入った謙次たち。1階の廊下を歩いていると、私服を着て事務仕事をしているたくさんの人を目にしました。
「なあ、フェニックス。あの人たちは?」
「ああ、『政務員』だよ。この城で政治関係の仕事をしてるんだ。『政務員』は、事務仕事から法の改正まで携わって、この国を左右させることのできる唯一の職だよ」
 国会議員と事務職を掛け合わせたような職みたいですね。国を左右するってことは、さぞかし給料が良いのでしょう。
(作者:ちなみに、給料は3食部屋付きで20万円です)
 安っ!?
(作者:この時代の通貨単位は円じゃないですが、換算するとそうなります。ちなみに、この職には誰でもなれるわけではなくて、『政務員試験』という難しい試験に合格しなければなりません)
 でも、誰が就きたいんだよ、こんな職。3食出ても、あまり待遇が良くない気がするし。
(作者:これは、フェニックスの方針です。こんな待遇でもこの職を希望する人は、まず間違いなくこの国の政治に携わり、この国を良くしようと思っている人でしょう。待遇はあまりよくありませんが、この職に就けば、一応生活に困ることはないわけです。だから、この職に就いてもちゃんと生活していけるかどうか不安だと思い、この職を目指すのを諦めるだなんて思うこともありません)
 なるほど。
「あれ? フェニックス! キュリア!」
 廊下で、緑髪の少女に声を掛けられました。年齢はキュリアより1歳ぐらい年下に見えるぐらいの年齢で、すらっとした容姿に似合わない巨乳が目立つ少女です。
「ただいま、ウインド!」
「ウ、ウインド!? ってことは……」
 謙次は驚きます。謙次は珍しく、フェニックスの口にした言葉を覚えていました。
『何だ謙次? 僕がキュリアに浮気しているとでも言いたいのかい? 失礼な! 僕は自分の妻のウインドの他には、モンスター王国第二王女のセリアと、ピラニア王国王女、アトランティス王女、そしてその他、故あって夜を共に過ごした千人余りの女性としかそういう関係は築いていない!!』
「この人が、フェニックスの……」
 驚く謙次に、フェニックスは笑顔で言います。
「妻だよ!」
プロフィール

ケーケー

Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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