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キュリアと謙次 ごじゅういっかいめ!

↓ 疲れた上に時間がないから即席で作った。まさか帰宅時間が10:30になるとは…… ↓


 謙次がフェニックスと会話をしていると、キュリアがビクンと動きました。
 気がついたか、と思って謙次はキュリアの方を見ました。そこには、まさに今、フェニックスの首にキバを差し込もうとしているキュリアの姿がありました。
「フェニックス、……誰がオバサンだって?」
 キュリアのキバが、フェニックスの首に思い切り差し込まれました。しかし、フェニックスはそれを気にも止めませんでした。
「な!? フェニックス、お前、痛くないのかよ!?」
 謙次は驚きながら言いました。首から血が大量に吸われていることがはっきりと分かるような、ジュルジュルという音が聞こえてきます。うわ、聞いてるだけで寒気がしてくる。
「いやまあ、痛いんだけど、放っておけばすぐに離れてくれるだろうし」
 フェニックスがそう言うやいなや、キュリアはフェニックスから離れました。
「ほら、ね?」
「本当だ、……でもどうして?」
 キュリアは禁句を言われてマジギレしているはずなのに、どうしてキュリアはフェニックスから離れたのでしょう?
「だって、吸う血がなくなったら、キュリアも吸えないでしょ?」
 全身真っ青になったフェニックスが言いました。うわ、ややグロい。
「だけどまあ、このままだとさすがの僕でも2時間程度しか生きられないから、リヴィルで回復させてもらうよ」
 そう言ってフェニックスは全回復呪文『リヴィル』を自分に使いました。ってか、逆に2時間も生きられるのかよ!?
「まあ、キュリアがいるなら謙次も家まで帰れるだろうし、僕はそろそろ帰るね」
 フェニックスが言った瞬間、フェニックスの背中に巨大な羽が生えました。
「あ、そうだ、謙次」
 フェニックスは言います。
「君が『この世界』に来たことについてだけど、それほど深刻に考えなくてもいいかもしれないよ。……少なくとも、君の命が危ないなんてことはないと、僕は思うね。それじゃあ、またね」
 そう言い残して、フェニックスは飛び立ちました。
「え!? それってどういう……」
 謙次はすぐさま訊き直しましたが、フェニックスは謙次が訊くのを待たずに飛び立ってしまいました。
 フェニックスは一人で海の上を飛んでいます。周りに誰もいないその状況下で、フェニックスはこうつぶやきました。
「謙次、君は自分が異世界からやってきたと言っていたが、……はたして、本当にそうなのかな?」
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キュリアと謙次 ごじゅっかいめ!

ケーケー「やったー! 50回目だー!」
イノブン「わーいわーい!」
ケーケー「しかし特に言うこともないので、すぐさま本編に行きたいと思います」
イノブン「おまww 40回目のときよりもコメントが短いぞ!?」
ケーケー「じゃあ一応言っておきましょうか」
イノブン「……何を?」
ケーケー「たとえイノブンが地の文で何と言っていても、作者の発言は真実のみを告げるということを!!」
イノブン「思い切り、脱線しまくってる気がするが……」
ケーケー「まあ、あくまでこの作品に対しての発言が『真実』であるというだけだよ。今回の話の最後らへんの発言とか」
イノブン「え?」


 謙次は黙々とフェニックスについていきます。
 やがて、謙次が口を開きました。
「なあ、フェニックス」
「なんだい?」
「お前、一体何者なんだ?」
 おっと、謙次が意味不明な問いかけをしましたよ。すると、
「僕かい? フフフ、それはね……」
 フェニックスは、答えます。
「僕は、モンスターだ!!」
 うん、やっぱりこっちも意味不明だ。おそらく読者の中にも、『キュリアじゃなくて、フェニックスの方がクオリア障害なんじゃね?』と思っている人が増えてきたんじゃないでしょうか?
「違う、そういう意味じゃない!」
 謙次はつっこみました。でも、お前がどういう意味で『何者なんだ?』と聞いたのか、イノブンには分かりませんけどね。
「え~。違ったのかい? ……ああ、そういうことか!」
 少し考えて、フェニックスは謙次が自分に対して何を聞いているのかを導き出したようです。
「僕はね、……モンスター王国の国王だ!」
「いや、だからそういう意味で聞いているんじゃねえよ!!」
「え? じゃあどういう意味なの?」
 フェニックスは問いかけます。まあ、どういう意味で分かる方がすごいので、問いかけるのは当然ですけど。
 謙次は答えます。
「だから、お前はどうしてそんなに強いのかって聞いているんだよ!!」
 質問内容が変わった!? てか今更だけど、コイツ主人公なのに、言ってることがおかしかったり馬鹿だったりして、いろいろとダメじゃね!?
(作者:主人公なら必ずかっこよかったり、性格がよかったり、補正があったりするとか思うなよ!!)
 思うよ!! 第一、かっこわるくて正確悪い上に、補正がない主人公は主人公じゃねえよ!!
 フェニックスはうなずいて言います。
「なるほど……、つまり君は、『すごく強いけど、お前ただものじゃないな。一体何者なんだ?』と聞いたわけだね」
 ああ、なるほど。フェニックス頭いい。ナイスフォロー。
(作者:かわいい、性格は悪いが意外と気を使ってくれてる、超強い(補正)。……テラ主人公ww)
 ちょww お前が考えた話だろ!?
(作者:でも、主人公でない人が主人公っぽい話も一応あるじゃん。たとえばヴァ……)
 うわあああ!! アニメのタイトル出すな!! しかも、そのアニメでも主人公はある程度は主人公っぽいぞ!!
(作者:おいおいイノブン、そろそろ話を進めないと、読者があきちゃう)
 お前が脱線させてるんだろ!! もういい、進めるぞ!!
 フェニックスは続けて言います。
「でも、それに対する僕の答えは、『国王だけど?』になっちゃうね」
「は?」
「だって、僕は強いだけで、別に変ったものじゃないし、生まれたときからこんなに強かったわけでもないし」
「え!? 生まれたときからじゃないの!?」
「そうだよ。努力は実を結ぶ」
「結びすぎだよ!! どんだけ努力したんだよ!!」
「え? 生まれてから強くなる努力を欠かすことはあまりなかったから、どれだけと言われても」
「そうは言っても、今お前は強くなる努力とやらを欠いている気がするんだけど」
 確かに。……でもフェニックスは、努力を欠かすことは『あまり』なかったと言ったわけだから、別に今努力してなくっても……
「え? してるよ今。現在進行形で」
「嘘つけ!!」
 嘘つけ!!
(作者:この時はまだ、謙次もイノブンも、フェニックスの発言が本当であるとは思いもしなかったのである)
 ……え?

キュリアと謙次 よんじゅうきゅうかいめ!

 フェニックスは思い切りキュリアに吹き飛ばされました。
 キュリアは、今さっき吹き飛ばしたばかりのフェニックスを凄い速さで追っていき、追い打ちをかけようとしています。
 しかし、
「遅いよ」
 フェニックスは、キュリアの背後でつぶやきました。なんということでしょう。フェニックスは一瞬でキュリアの背後に移動していたのです。
 キュリアは振り向こうとしましたが、キュリアが体を動かすより先に、フェニックスが攻撃をしかけました。
え? どんな攻撃をしかけたかって? 正直、早すぎてイノブンにもよくわかりませんでした。ただ、その攻撃は一瞬のうちに終わり、攻撃が終わった後は、キュリアが元いた位置から自由落下していきました。
キュリアは地面に落下しました。そして、そのままキュリアが起き上がることはありませんでした。……え? もう戦闘終了?
「というわけで、謙次、僕はキュリアに勝ったよ! さあ、約束通り僕を信用してよ!」
 え? 本当にもう終わったの? いくらなんでも早すぎない? 正直言って、イノブンは何にも面白く感じなかったのですが。
「……本当に、あの一瞬だけで、勝ったのか……!?」
「そうだよ。僕は光よりも速く移動できるぐらいに速いから、キュリアなみの人なら一瞬で倒せるよ」
「光……だと!?」
 な、なんだってー!?
「というか、光って速さとかあるのか? 特に動くものでもないし」
 謙次の発言に、フェニックスはずっこけます。あれ? 中学では光について習わなかったっけ? それとも謙次がただ馬鹿なだけ?
 フェニックスは説明します。
「えーとだね、光も一応、速さというものがあるんだよ。音もあるだろ?」
「え? 音も速さあるの?」
 謙次の発言に、フェニックスは頭を抱えます。
「……うん、あるよ。たとえばほら、遠くで雷が落ちたとき、ピカッて光ってから、ズゴーンって音が鳴るでしょ? これは音よりも光の方が速いから起きる現象なんだ」
「……へえ」
 謙次は気の抜けた返事を返しました。こいつ、本当に分かっているのか?
 フェニックスはさらに説明を続けます。
「だいたいの数値で言うと、音は秒速340メートル、光は秒速30万キロメートルだね」
「……へえ」
 謙次はまた気の抜けた返事を返しました。特に謙次は驚く様子もありません。
「……要するにだね、謙次、僕は秒速30万キロメートルの速さで動けるんだよ」
「……へえ。……って、なんだと!?」
 やっぱりフェニックスの話を理解できてなかったか。というか、今回の話、理科の授業と化してない?
(作者:気のせい気のせい)
「とまあ、そんなわけで僕はキュリアを一瞬で倒せたんだよ」
 フェニックスはそう言うが、謙次は絶句するよりほかありませんでした。格が違いすぎるのです。謙次とキュリアの間でもそうですが、キュリアとフェニックスの間に超えられない壁が見えるのです。
「まあ、何度も言うけど、僕は君を『この世界』に連れてきた犯人じゃないから、安心していいよ」
 フェニックスはキュリアを背負って言いました。
「この島は危険だから、キュリアの代わりに僕が君を家まで送っていくよ」

キュリアと謙次 よんじゅうはっかいめ!

 フェニックスはキュリアに向かって歩き出しました。イノブンはなぜか、嫌な予感しかしない。
(作者:このときイノブンは、フェニックスがあんなことを言うとは、全く予想しておりませんでした)
 ……なるほど、私の予感が的中するわけね。
「……フェニックス?」
 キュリアはフェニックスの姿を見つけると、泣き顔のままフェニックスの方を見ました。
 フェニックスは心配そうな顔をして、キュリアに一言、こう言ってあげました。
「おばさん、どうしたんだい? 年齢に全く似合わないぐらい大泣きして」
嫌な予感的中!! しかも、しょっぱなから禁句で攻めるとは、イノブンの予想をはるかに超えている……。
フェニックスはさらに続けます。
「まったく、こんなお年寄りをいたわらないやつはどこのどいつだい? このヨボヨボババアの代わりに、僕が懲らしめ……」
 そのときでした。フェニックスの首にかするかかすらないかというぐらいの場所を、一筋の赤いレーザーが通りました。もちろん、このレーザーはキュリアの放った魔法(ブラッディレイ)です。
「……フェニックス」
 キュリアが静かに言いました。このとき、キュリアは完全に泣きやんでいました。キュリアは静かに立ち上がって、続けます。
「私はまだそんなに年寄りじゃないとか、自分よりも年上の相手に年寄り扱いされたくないとか、……言いたいことはいろいろあるけど、ひとつだけ訊くよ?」
 まあ、44歳はオバサンですけど、年寄りとまではいきませんしね。
(作者:え? 19歳超えた時点で、すでにBBA[ババア]だろ?)
 ……ロリオタは少し黙っていようか。
 というか、『自分よりも年上の相手に年寄り扱いされたくない』ってことは、フェニックスって一体何歳なんだ? 少なくともキュリアより年上ってことだろ?
(作者:僕はロリオタなんかじゃないやい。僕はロリオタなんかじゃないやい)
 分かった。お前はロリオタじゃなくていいから少し黙ろうか?
(作者:あ、それなら静かにします。そうだよね、人間だれしも間違えることだってあるよね、うん!)
 ……もうあんなのは放っておきましょう。
(作者:あんなのじゃないやい。あんなのじゃな……)
 うるさい、黙れ!!! とっとと話を進めるぞ!
 キュリアの『ひとつだけ訊くよ?』に対して、フェニックスは
「なんだい?」
 と優しく丁寧に尋ねました。するとキュリアはいきなりバージョン3になり、フェニックスに襲いかかってきました。
 襲撃したあとに、キュリアは冷たい声&怖い顔で尋ねます。
「誰が『おばさん』だって?」

キュリアと謙次 よんじゅうななかいめ!

(作者:なんかさぁ、イノブン)
 うわ!? なんだよお前、しょっぱなからどうでもいい話を繰り広げる気か!?
(作者:いやぁ、最近の『キュリアと謙次』では、どうも不完全燃焼な終わり方しかできてないなと)
 ……本当にどうでもいい話になりそうだから、とっとと本編に移るべ。
 フェニックスのあとをついて歩いて約5分、謙次はキュリアの泣き声を聞きました。
「うんどらばーだったんにゃーがー!!」
 泣き声か、これ!? 何かの宗教の間違いじゃないのか!?
「なあ、フェニックス、この声……」
 キュリアの泣き声なのかどうか不安になった謙次は、フェニックスに尋ねました。しかし、声の感じからして、明らかに泣いている声ですけどね。
 フェニックスは答えました。
「キュリアの泣き声だよ」
「これが!?」
「さっきも言ったけど、キュリアはクオリア障害者なんだ。努力である程度は克服し、健全者と同じ感じになってきたけど、……今は感情的になって、思い切りクオリア障害の症状を出しているね」
「症状?」
「クオリア障害者というのは、わけのわからないことをする人だからね、本来なら今みたいな感じにわけのわからない言葉を発したりするんだよ」
「そ、そうなのか」
「ちなみに、クオリア障害者同士で会話させると、だんだんと言葉の意味が消えていくんだ。最終的には、『あばかー』とか『なままーぽ』とか言って笑いだすよ」
「それって、……すごく怖くないか?」
 すごく……怖いです。
 とまあ、そんなやり取りをしているうちに、キュリアの姿が見えてきました。キュリアは、さっきのようなわけのわからない泣き声を発しながら、大泣きしていました。
「キュリア……」
 謙次は自分を責めました。謙次はキュリアにいろいろやさしくしてもらっていたのに、キュリアを疑い、傷つけた。悪いのは明らかに謙次だとイノブンも思います。
 そんな謙次に対し、他人の考えが読めるフェニックスは、
「君は何に対して悪いと思っているんだい?」
「え?」
「キュリアは、君がキュリアを犯人扱いしたことで泣いているんじゃないよ」
「じゃあ一体?」
「キュリアは、自分の軽率な冗談が謙次を傷つけてしまったことで泣いているんだよ。キュリアは自分のことよりも、自分の仲間のことを気にかけるからね」
 つまり、謙次に責任はない、ということですね。それを聞いた謙次は、ホッと安堵しました。
「まあ、そうは言っても謙次は謙次で悪いから、そこでホッとするのはどうかと思うけど」
 フェニックスの直球。謙次の心にクリーンヒット!
「うっ」
 図星の謙次に、またもやフェニックスは直球を放ちます。
「そいやっ!」
 硬式の野球ボールです。謙次の肩にクリーンヒット! って実物かい!?
「痛いな!! 何するんだよ!!」
 さすがの謙次も怒ります。謙次は肩を押さえてめっちゃ痛そうにしています。
「まあそんなことより」
「『そんなこと』じゃねえよ!!」
「キュリアと戦うということだから、さくっとけんかを売ってこよう」

キュリアと謙次 よんじゅうろっかいめ!

イノブン「フェニックスって、よくわからないキャラだなぁ」
ケーケー「そりゃあ、僕が毎回フェニックスの行動を、単なる思いつきで書いてるからね」
イノブン「え、ああ。……え?



「さて、デビルにはそろそろご退場願おうかな」
「え?」
 デビルはきょとんとしました。
「ちょっと待て、フェニックス、俺に退場を願うというのは、どういう意味だ?」
 デビルがせまると、フェニックスは、
「いやー、まあ今回の事件の発端は、謙次がバカすぎるのが悪いんだけれども……」
 これを聞いた謙次はひどく落ち込んでいます。フェニックスは続けます。
「謙次を騙したデビルも悪いから、君の師匠にお仕置きをしてもらおうと思ってね」
 するとフェニックスの右側に、今いる部屋とは全く違う、別の部屋を映した薄っぺらい何かが出現しました。
「な、なんだ、この『穴』は!?」
 デビルが驚いています。フェニックスは答えます。
「見て分かる通り、君の師匠の部屋につながってるよ。それじゃあ『シェド』、デビルを送るね~」
 フェニックスが言うと、『穴』の中から『はい、お願いします。どうもうちのデビルがご迷惑をおかけしました』という、丁寧な返事が返ってきました。この返事をした人が、『シェド』という人なのでしょうか?
「おい、フェニックス、よしてくれよ、な? 頼むよ、今回は見逃してくれよ、な?」
 デビルはとてもビクついています。するとフェニックスは、
「全く、仕方ないなぁ、じゃあ今回だけは……」
「見逃してくれるのか!?」
「うん、見逃してあげよう。さあ、早く逃げなよ、デビル」
「分かった、恩に着るぜ、フェニック……」
 デビルは後ろを向いて急いで逃げようとしました。しかし、まさかデビルは自分の逃げる方向に、さきほどと同じ『穴』があるとは知らず、その『穴』に突っ込んで行きました。
 デビルを吸収した『穴』はすぐ閉じられました。
「……おい、フェニックス、まさかこの魔法って……」
 謙次がおそるおそる尋ねます。
「……まさか、『時空系魔法』じゃないだろうな?」
「……おいおい謙次、『時空系魔法』っていうのはね、超上級者でも使える人が少ないような魔法なんだよ、そんな魔法をこの僕が使えるとでも思っているのかい?」
「……そうだよな、そんなわけないよな。ははは」
「そうだよ、違うって。あはははははは!」
「そうだな。あはははははは!!」
「と見せかけて、実は『時空系魔法』でした~」
「なっ!?」
 言われて謙次は身がまえます。
 おそらく、犯人が謙次をこの世界に連れてきた手段は『時空系魔法』! だとしたら、もしかしてフェニックスが……!!
「うーん、そうだね。謙次、君は僕にいろいろ聞きたいことがあるようだから、1つだけ、君の質問に答えてあげよう」
 フェニックスが言いました。いかにも犯人っぽい発言ですね。
 謙次は少し考えて、言いました。
「……じゃあ、お前は一体どういう目的で、俺をこの世界に連れてきたんだ?」
 謙次が訊くと、フェニックスは真顔で、かつ無言で、謙次を見つめました。
 謙次も緊張感を保ち、じっと身構えながら、フェニックスをにらんでいます。
 やがて、フェニックスが口を開きました。
「目的も何も、まず君をこの世界に連れてきたのは僕じゃないよ」
 フェニックスは笑顔でそう答えました。
「何だと!?」
 謙次は予想外の答えに驚愕しました。予想しておけよ、こんな返答ぐらい。この国王、何考えてるかさっぱりわからないんだから。
「……僕の口からそう言っても、君は信じてくれないみたいだね」
「当たり前だ」
 謙次は未だ身構えながら、フェニックスをにらんでいます。
「そうか。……だったら、僕が君をこの世界に連れて来ようと来なかろうと、君を諦めさせてあげよう」
「……どういう意味だ?」
「まず、君はキュリアの強さを知っているよね?」
「ああ」
「もしキュリアが君をこの世界に連れてきて、君を危険な目に合わせようと、君にはどうしようもできないことぐらい分かっているよね?」
「……確かにな。だがキュリアは違うんだろ?」
「まあね。すると僕が君をこの世界に連れてきた犯人だったら、キュリアが君を守ってくれるかもしれない。そう君は考えないかい?」
「……だな」
「だったら、僕がキュリアよりも格段に強いということを証明すれば、君はどうにも抵抗することができなくなるわけだ」
「……何?」
「とまあそういうわけで、今からキュリアに喧嘩を売ってくるよ。ついてきて、謙次」
「……え?」
「いや、僕は何が言いたいのか、君には分からないのかい? だからさ、今から僕がキュリアと勝負して、僕が圧倒的勝利をおさめたら、君の望みは断たれるでしょ? ね?」
 呑み込みの悪すぎる謙次に、フェニックスは丁寧に説明してあげました。フェニックス、親切すぎる。
「……つまり、お前がキュリアに勝ったら、お前が犯人でないことを信じろというのか?」
 いや違うって。
「その通り。さあ、行こうか」
 あ、コイツ説明するのが面倒くさくなったな。
「ああ、分かった」
 そう言って謙次はフェニックスとともに、キュリアのいる場所へと向かいます。というか、『分かった』ということは、もしフェニックスが勝ったら、フェニックスが犯人でないことを信じるということだよね? ね?
(作者:そういうことになりますね)
 ……そんなんでいいのか、謙次。

キュリアと謙次 よんじゅうごかいめ!

「くっ」
 姿を現したデビルが悔しそうにしています。
「嘘だったのかよ、デビル……」
 謙次は思い切りとまどいながらも、なるべく真剣さを出そうと努力しながら尋ねました。
(作者:要するに、戸惑いを丸出しにして尋ねたってことです)
「デビルくーん? 本当のことを言わないと、僕は怒っちゃうぞー☆」
 フェニックスがふざけている雰囲気を全開にして言いました。すると、デビルはビクッとして、
「わ、わかったよフェニックス! あれは嘘だ! 嘘だが半分ぐらいは本当だ!」
 何それkwsk[くわしく]。
「半分ぐらい本当だと!? どういうことだ!?」
 謙次がそうせまると、デビルは答えます。
「キュリアが悪魔だとか、お前を殺そうとしているのは嘘だ。キュリアはちゃんとした『人間』だ。もちろん、キュリアの『冗談』とやらも、おそらくただの冗談だ。他人を傷つけ、かつ力を得るなんて術は知らないからな。生贄なんて、もってのほかだ」
「じゃあ何が『本当』なんだ!?」
 謙次がさらにせまります。その間フェニックスは黙々と、テーブルに『キュリアのバーカ』と油性ペンで書いて遊んでいます。って何してるんだこの国王!!
 デビルは続けます。
「俺が言ったことの中で本当のことは、キュリアがジェノサイドである、ということだ」
「……つまり、あいつはバルカン半島で本当に……」
「ああ、100人ほど殺したのは事実だ。だから、俺の言ったことはすべてが嘘じゃない」
「……他に、本当のことは?」
「これだけだ。半分って言ったろ?」
 3分の1以下な気しかしませんが、気のせいでしょうか?
 ちなみにこのとき、フェニックスは黙々と、何かをしみこませた雑巾で『キュリアのバーカ』という落書きを消しています。一体何がしたいんだこの国王?
 あと、どうでもいいことですけど、謙次はここからどうしていいか分からなくなっています。キュリアは犯人ではない。これが分かってから、どうにも行動がとれないようです。
(作者:それって、『どうでもいいこと』なのか?)
 そんなわけで、謙次は何か尋ねることを考え、デビルに訊きます。
「そういえばデビル、お前の能力って一体何なんだ? キュリアは、姿が見えないぐらいなら見つけられる、って言っていたが……」
「ああ、じゃあ姿を消さずに試してみるかい?」
 『キュリアのバーカ』を消し終えたフェニックスが言いました。ちなみに、テーブルの上はべとべとです。一体何でふいたんだお前。
 フェニックスはデビルをテーブルの上において言います。
「まず確認するけど、今はデビルが見えるよね?」
「……え? 普通に見えるけど?」
「じゃあ今からデビルに、姿を消さずに能力だけフルに使ってもらおう。どう?」
「……あれ!? ついさっきまでここにいたよな!?」
 何か謙次がとまどっています。しかし、デビルは謙次が指さしているところに思い切りいます。
「ん? あれ、……ひょっとして、この黒いの、……デビル?」
「そう、普通に見えるよね? だけど『存在感』がなかったでしょ?」
 フェニックスが言いました。つまり、どういうことだ?
「要するにデビルの個体能力は、『自分の存在感を変える』能力ってわけ。これを思い切り使われると、目の前にいるのにデビルの存在に気付けないってことになるんだよ。だからキュリアもデビルに気付けなかったんだ」
 フェニックスは続けて言います。
「でもさ、デビルの能力はいいとして、謙次、君はどうしてデビルにだまされたんだい? こんな容姿でこんな名前のやつ、絶対に怪しいと思うはずなんだけど」
 直球すぎる質問に、謙次はすごく悲しくなりました。

キュリアと謙次 よんじゅうよんかいめ!

↓ なげぇ ↓


(……いったい、どういうことだ!?)
 謙次にはわけがわかりません。自分をこの世界に連れてきた犯人はキュリアだと思っていたが、キュリアはさらによくわからない行動を取る。では犯人はキュリアでなくデビルなのかというと、キュリアの言うことを聞いている限り、おそらく違うのでしょう。
(デビルなら、俺に危害を与えない……? キュリアはひょっとして、デビルと知り合いなのか?)
 では2人(?)とも犯人ではないのであろうか? しかしだとすると、キュリアはなぜ自分が犯人であると錯覚させるようなことを『冗談』として言ったりしたのか? デビルはなぜ、キュリアが犯人であると信じ込ませようとしたのか?
 悩ましいことが多い中、突然、玄関がノックされました。
(……誰だ?)
 謙次は返事をせずに黙っていると、訪問者によって玄関の扉が開けられました。
 訪問者は誰なのか、謙次は確認しようとしましたが、
(……誰も、いない?)
 扉の向こうには、誰もいませんでした。とすると、ひとりでに扉が開いたのでしょうか? だとすると、さっきのノックは一体?
 と、その時でした。
「だ~れだ?」
 謙次は後ろから目を手で覆われ、誰かにそう問われたのです。
 しかしその少年のような声は、謙次にも聞き覚えがある声でした。
「お前は、確か、フェニックス!?」
「正解!」
 フェニックスは謙次の目を覆っていた手をどかして言いました。
読者のみなさんは覚えていらっしゃるでしょうか? 全身が黄色で、頭が丸くて、三角の耳がはえてて、体に対して足が短い、マスコットキャラみたいなフェニックスというモンスターを。
フェニックスは言います。
「遊びに来たのに、キュリアが泣きながら家を出て行ったのを見たから、どうしたんだろうと思ったんだけど。……なるほど、そういうことなのか」
「え?」
 なんだコイツ、もしかして一国の国王にして電波さん? というか、国王という身で、単独で遊びに来たのかよコイツ。
(作者:忘れているかもしれませんが、フェニックスはモンスター王国の国王です)
「謙次、君は相手の顔を見て、相手が次にどう出るかを読み取る『先読み』という術を知っているかい?」
「先読みっていうと、キュリアが使えるようなやつだよね。確か、相手の顔を見ると、相手の言っていることが嘘か本当か見抜けるという」
「そう、それだよ。ただ、僕は先読みをかなり鍛え上げたからね。相手の顔を見るだけで、相手が何を考えているか、完全に見抜くことができるんだよ」
「な、なんだって!?」
「ちなみに、ここでいう考えていることというのは、無意識的なことも含まれるんだよ。だから、相手の記憶を読み取ることもできると言っても過言じゃないよ」
 すごいなそれ。
「たとえば、作家の人の顔を見たら、その人がまだ原稿を仕上げていない内容を先取りして知ることができる!」
「なんかせこい!!」
「あと、女の人の顔を見たら、その人が毎日風呂場で見ているその人自身の裸姿がはっきりと浮かぶ!!」
「使い方がなんかひどい!!」
 思い切り変態じゃねえか!!
(作者:あ、ちなみにフェニックスのこの能力は、あくまで『先読み』なので、『個体能力』ではありません。どうか間違えないように)
「とまあ、そんなわけで、君がどうやってキュリアを泣かしたのかということが、僕には分かるわけだ」
「な……」
「なるほどねえ、キュリアがあんな冗談を、ねえ」
「やっぱり、あれはただの冗談なのか?」
「そうだよ。実を言うとキュリアは、ああ見えても『クオリア障害』なんだよ」
「くお……え?」
「『クオリア障害』。『謙次のいた世界』にはなかったのかい?」
「ああ、ないな」
 あれ? おい作者。なんでフェニックスのセリフで『謙次のいた世界』に『』がついているんだ?
(作者:ああ、『』は各キャラが直感でつけたいところにつけるからね。フェニックスがその言葉に『』をつけたかったんじゃない?)
 え? ちょっと待て、それってどういう……
(作者:あまり話をこじらせると、読者が困惑しちゃうよ。とっととフェニックスに『クオリア障害』を説明させてあげて)
 ……まあいいか、とりあえずフェニックスが説明します。
「『クオリア障害』っていうのは、生まれつき持っている感覚が他の人といろいろ違う障害のことだよ。生まれつき持っている感覚が違うだけで、普通の人と同じ育て方をしても、異常に育っていくことが多いんだ」
「へえ」
「本来、クオリア障害者というと、常にわけのわからないことを言って大爆笑しているような、見ててかなり不気味な人なんだけど、キュリアは軽度だし、長年の努力で常識をきちんと身につけ、一般人とさほど違わない思考法をすることができるようになったんだ」
「そんなことがあったのか。なんか、かわいそうだな」
「そうだね。まあでも、キュリアが『クオリア障害』を持っているおかげで、『オバサン』と言わない限り、キュリアにたいてい何やっても怒られないんだ」
 だから異常にやさしいわけね。
「あと、キュリアにとって体の痛みというのは、自分がどれだけ死に近づいているかを見る指標でしかないから、致命傷を与えない限りは、キュリアはどれだけ傷ついても全く気にも留めないんだよ」
「そんなやつだったのか、キュリアって」
 要するに、キュリアって、M?
(作者:いや、Mは痛みを受けて喜ぶ人だけど、キュリアは痛みを受けようが受けなかろうがどうでもいいと思うから、Mとは違うよ)
「ちなみに、キュリアにとってあの『冗談』は、大爆笑を巻き起こすネタであるらしい。まあ、実際に一切笑いを取れていないんだけれども」
「感覚が違うから、何を面白いと思うかが、普通の人とかけ離れているんだな」
「とまあ、キュリアがあんな『冗談』を言ったのはそういうワケがあったからだよ」
「じゃあ、あのデビルとかいうやつは?」
「ああ、デビル? デビルはただのいたずら好きモンスターだよ。ね? デビル」
「え?」
 フェニックスの言葉に、謙次はあたりを見回します。が、デビルはどこにも見当たりません。
「何逃げようとしているんだい? デビル」
 フェニックスはとっさに透明な何かを捕まえました。その透明な何かは、徐々に黒色に色づいていき、姿を表しました。デビルです。
「な!?」
 謙次は驚きです。まさかデビルがこの部屋にデビルがいたなんて。
(作者:キュリアが言うには、たとえ姿を消していてもキュリアに気付かれるということだったので、謙次はデビルはこの部屋にいないものだと思っていたのです)
 フェニックスは言います。
「能力を発動した上に姿を消したところで、僕には通用しないよ、デビル」

RGBLifeGameを公開

 ついに2作目です! ここからダウンロードできます。
↓ なお、最終的にはこんな感じになりました ↓
RGBLifeGame
 ご意見・ご感想があれば、下のコメントまたは『疾風の谷』のメールフォームからどうぞ!!

キュリアと謙次 よんじゅうさんかいめ!

↓ 燃えたよ、燃え尽きたぜ ↓


「おかえり、キュリア」
 謙次が1階に降りてきて言いました。なぜ1階に降りてきたかって? それはもちろん、ゲームを一切やっていなかったからですよ。なるべくなら、キュリアにあやしまれたくないですもんね。まあ、ゲームをやってないことはバレてますけど。
 キュリアはもとから謙次が嘘をついていることを知っているので、特に気にせずに話します。
「そうだ謙次」
「ん?」
「7色目のトランズストーンが見つかったんだよ! ほら、ここに……!」
「やっぱり、さっきお前が言っていたのは冗談じゃなかったのか!?」
 キュリアがトランズストーンを取り出そうとしたとき、謙次が突然さけびました。
「え? ちょっと謙次?」
「デビルの言う通り、お前は悪魔なのか、『ジェノサイド』!!」
「謙次、どうしてその名前を……!? って、デビル?」
 息を落ちつけて、謙次はキュリアに尋ねます。
「なあ、キュリア。お前がバルカン半島で100人ほどの人を殺したってのは、事実なのか? そして、お前が俺を儀式の生贄にするためにこの世界に連れてきたのは、本当なのか?」
「え……?」
 謙次の言葉に、キュリアは驚きました。
実を言うと、謙次は今、あまり考えずにキュリアに尋ねていました。彼はひょっとすると、命の危険にさらされているかもしれないのです。なので、筋道たててきちんと物事を考えることは、彼にはできていませんでした。だから、デビルが教えてくれたことをいろいろとキュリアに聞いたのです。
キュリアはしばらく黙ったのち、こう答えました。
「そっか、謙次は今、誰が謙次をこの世界に連れてきた犯人で、その犯人が謙次をどういう目的で利用しようとしているのかを必死につきとめようとしているんだよね。……なのに私は、無神経にあんな冗談をついちゃったんだよね」
 あれ? なんかキュリアの声が泣き声になってきたぞ。
「普通なら笑いがとれるはずの冗談が、あんなにしらけたのも、きっとそのせいなんだよね……」
 いや、あれは仮に冗談だとしても、絶対に笑いは取れないから。
 キュリアは謙次を振り返ります。キュリアは目に涙を浮かべていました。そして、こう言ったのです。
「私って、ほんとバカ」
 あれ? なんかどっかで見たような光景だなぁ。
(作者:某魔法少女アニメと違って、キュリアが死ぬようなことはないので安心してください)
 キュリアは続けて言いました。
「……デビルなら、謙次に危害を与えることもないし……。ちょっと頭を冷やしてくるね」
 そう言って、キュリアは家を飛び出して行きました。

そろそろ2作目を公開予定!!

ケーケー「こんなゲームをつくりました。ライフゲームという有名な観賞用ゲームの改悪版です!」
イノブン「改悪版かよ!!」
3色同時表示
赤のみ表示
緑のみ表示
青のみ表示
ケーケー「そのうち公開しようとも思ってます。タイトルは『RGBLifeGame』です!」
イノブン「RGB? それって、赤(RED)・緑(GREEN)・青(BLUE)の3色だよな?」
ケーケー「その通り! その3色でセルを構成し、3色同時に表示できるライフゲームがこれ!!」
イノブン「一番上の画像か?」
ケーケー「そうそれ! また、その下の3つの画像のように、3色それぞれ単独で表示することも可能!」
イノブン「……そう言われても、まず『ライフゲーム』というのが分からないんだが」
ケーケー「えー、そんなの一般常識だろ?」
イノブン「常識外れのお前が言う『一般常識』は、一般人のいう『一般常識』とはひどくかけ離れたものだということが分かった」
ケーケー「ひでぇ!!」
イノブン「事実だ!! で、ライフゲームって、結局なんなの?」
ケーケー「こんな感じの観賞用ゲームだよ」

1. 画面上に『セル』という正方形の枠がたくさんあります。分かっていると思うけど、セルってのは尻尾からいろいろ吸収して強くなるような緑色の怪物では全然ないよ
2. セルには、生きているか、死んでいるかという2つの状態があります。
3. 時間が経つにつれ、セルの状態が周りの8つのセルの状態によって次のように変わっていきます。
 ・誕生:周りに生きているセルが3つだけのとき、そのセルは誕生します。
 ・生存:周りに生きているセルが2つか3つあるとき、そのセルは生命を維持します。
 ・過疎:周りに生きているセルが1つ以下あるとき、そのセルは過疎で死にます。
 ・過密:周りに生きているセルが4つ以上あるとき、そのセルは過密で死にます。

ケーケー「ざっと説明するとこんな感じです。分かりにくいと思うので、詳しくルールを知りたい人はググってみてね!」
イノブン「緑色の怪物って、お前……」
ケーケー「まだうpしていませんが、うpしたらまた記事をかいておきます。それでは!」


ケーケー「今日、そういえば小説の更新日だっけ?」
イノブン「そうだけど、どうかした?」
ケーケー「これ作るので力尽きたんだけど……」
イノブン「グチグチ言うな!! ちゃんと書け!!」
プロフィール

ケーケー

Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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