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キュリアと謙次 にじゅうごかいめ!

 さきほどキュリアが言ったとおり、今日の謙次の朝ごはんは昨日の残りのカレーでした。ちなみに、キュリアの朝ごはんは今朝狩ったばかりの大型モンスターの丸焼きです。
 謙次は昨日と同じように、すぐカレーを食べ終えました。しかしキュリアが食べ終わるまで何もすることがないため、二人はテキトーに何か話すことにしました。
 話し始めてすぐ、話題は『この世界と謙次の元いた世界との違い』になりました。まあ、謙次が異世界に来たのはつい昨日だから、この話題が一番決めやすいでしょうね。
 今回はこんな感じの会話をしていました。
「え!? じゃあキュリア、この世界には飛行機がないのか!?」
「うん、そうなるね」
「まあ、この世界には魔法があるから、それで十分なのかな」
「いや、昨日も言ったと思うけど、魔法を使える人はそんなに多くないから、全然十分じゃないよ」
「じゃあどうやって遠いところに行ったり、国境超えたり、海を渡ったりするんだい? 船とか?」
「船はたまに使われるね。基本的には鉄道だよ」
「鉄道!? ……そういえばこの世界の鉄道はすべて地下鉄だったな。ということは、海の中にも鉄道があるってことか!?」
「うん。一番下の方にある鉄道は世界中に広がっているから、それで移動できるんだよ」
 と、そんな会話をしているときでした。キュリアの顔のそばを何か銃弾のようなものが、すごいスピードで通過しました。
 二人はその何かが飛んできた方向を向きました。その方向には、やや遠いところに金髪の若い男性が立っていました。
 男性は言います。
「よぉ、キュリア。またの名をジェノサイド」
「……何か用? ガイ」
 ガイと呼ばれた男性はキュリアの方を見て言います。
「ああ。ちょっとお前と対決しに来たぜ。ところで……」
 ガイは謙次の方を向きました。
「こいつは誰だ?」
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キュリアと謙次 にじゅうよんかいめ!

 翌朝、
「謙次、朝だよ」
 女の子の声がしました。
「……う、ん?」
 かなり嫌そうに謙次は目を開けました。すると視界に何か白いものが見えました。
 よく見ると、その白いものの横から太い肌色の何かが出ていて、それ以外の部分は青で埋め尽くされていました。もしやこれはキュリアのぱん……
 白いものが何なのかに気付いた謙次は、急いで起き上がりました。
「……おはよう、キュリア」
 謙次はやや息を荒くして言いました。
 そんな謙次に対し、キュリアは笑顔で、
「おはよう、謙次。朝遅く起きて体内時計が狂っちゃうと困るから、悪いけどそろそろ起きてもらうよ」
「……ああ、分かったよ」
「さて、それじゃあまず朝ごはんだね。昨日のカレーがまだ残ってるから、それでいいよね?」
「ああ」
 謙次はうなずきました。どうやら自分のぱん……、を見られたことを、キュリアは気にしていないみたいです。さすがに、気づいていないわけではないと思うんですが。さすがに、……ね?
 謙次は自分の両手のひらを見ました。そして確認しました。ここが自分の元いた世界ではないということを。
 そんなの当たり前じゃん、と思うかもしれませんが、昨日のことは夢オチだということも考えられます。しかし起きていたことはやはり現実でした。
 ここで謙次はあることを思い出しました。
「そうだキュリア。昨日の夜、変な声を聞いたんだけど」
「変な声?」
「ああ。キュリアはぐっすり眠っていて気付かなかったみたいだけど。俺は聞こえたんだ」
「うーん、謙次の聞き間違いじゃないかな?」
「え?」
「私はこれでも長い間、いろんな人と戦ってきたんだよ。奇襲も何度か受けたことがあるよ」
 なんか平和そうな世界なのに、奇襲なんて起こるんですね、意外です。
(作者:普通は起こらないんだけど、キュリアはキュリアだからなぁ……)
 ……え? それってどういう意味?
(作者:まあそこんところは置いておいて、キュリアの話はまだ続きます)
「だから、近くで誰かが何か言っていたなら、私もその人の存在に気付くはずだよ。だってそうじゃないと普通に奇襲受けちゃうしね」
「そ、そうなのか?」
「まあ、その人が私の近くにいなくて、どこか遠いところで叫んでいたなら話は別だけど、……どう謙次? その声は叫び声だった?」
「いや、かなり近くから、普通に聞こえたぞ?」
「じゃあ多分聞き間違いじゃないかな? 夜中だったら、それは謙次の夢かもね」
「うーん、本当にそうなのかな?」
「まあ、確証はないけどそう考えた方が妥当かな? さて、じゃあ朝ごはんにするからついてきて」
「ああ、分かった」
 そういって謙次はキュリアのあとをついて行くのだった。

キュリアと謙次 にじゅうさんかいめ!

↓ 正直言って、この欄いりませんよね? 次からなくそうかな…… ↓


 約3時間後、ようやくキュリアは謙次を少女向けテレビゲームから解放してくれました。謙次はやけに疲れた表情をしていました。
「布団も一組しかなかったなあ。謙次の分はまた明日買いに行くから、悪いけど今日は私の使ってる布団でがまんしてくれる?」
 キュリアはこんなことを言い出しました。謙次はあまり良識がなっていないので、『しょうがないな。それでいいよ』的なことを言うかと思っていたら、
「え? いいのかキュリア。あまり俺に気を使わなくても……」
 そんな感じの、ある程度良識にかなったことを言いました。へえ、意外と謙次、こういうこと分かっているんですね。
(作者:ひでぇ言いようだ)
 謙次の気遣いに対し、キュリアは、
「いいよ。板の間も布団の上も、やわらかさが違うところを除けば変わらないし」
「いや、そのやわらかさこそが重要なんだろ!!」
「まあ、一般的見解にはそうみたいだね」
「……一般的見解には?」
「私にとってはどうでもいいことだから、気にせず使いなよ。……それとも、実は謙次、布団よりも床で寝る趣味があるとか?」
「どんな趣味だ、それ!!」
 こんな会話をしている間に、キュリアは1組分の布団を敷き終えました。
「じゃあそういうわけで、この布団は謙次が使っていいよ」
「……それならお言葉に甘えて」
「じゃあそろそろ電気消してもいい?」
「え? いいけどキュリア、お前まさか布団だけでなく、枕や掛け布団も使わないのか?」
 そう尋ねる謙次。見ると、謙次の分の枕、掛け布団は用意されていますが、キュリアの分はどこにもありません。
「そうだよ。私、氷の魔法を何度も喰らったことあるから、このぐらいの寒さは全然平気なんだよ。だから掛け布団はいらないし、それに枕は空気枕で十分」
「空気枕? ……なるほど、風の魔法で疑似的な枕を作るんだな」
 へえ、魔法ってやっぱ便利いいですね。
「え? 違うよ。自力で首をやや浮かせて寝るだけ」
「そっちかよ!!」
 まさかの空気椅子、枕バージョンですね。
「じゃあそんなわけで、そろそろ電気消すよ? 謙次」
「……ああ、分かった、おやすみ」
「おやすみ~」
 そう言ってキュリアは消灯しました。
 今日一日でかなりつかれたはずですが、謙次はなかなか眠れません。
(だって、ここキュリアの家なのに、やけに俺いい待遇うけてるからなあ。ちょっと罪悪感が……)
 その上、謙次はいつも誰もいないところで寝ていますが、今日はキュリアが横にいるというのも眠れない要因のひとつみたいです。
 そんな感じで眠れず、しばらくして
『ここは危険だ。逃げろ。今ならまだ間に合う』
 こんな声が謙次の耳に届きました。
 あわてて謙次は起き上がりました。しかし、謙次の周りにはキュリア以外誰もいませんでした。つまり、キュリアを除いて部屋の『中に誰もいませんよ』。
(作者:『中に誰もいませんよ』のネタが分からない人はスルーしてください)
 おそらく空耳だろう。そう思って謙次は再び布団に入ります。すると不思議とすぐに眠ることができました。

キュリアと謙次 にじゅうにかいめ!

↓ 珍しくここに書く言葉がまったく浮かばなかったorz ↓


 キュリアと謙次は風呂からあがって、暗い夜道を歩き、家に戻ってきました。
「さて、今だいたい9時ぐらいかな? まだ寝るには早いよね?」
 パジャマ姿になったキュリアが言いました。そのパジャマは白い下地の上から緑色のダイヤモンド柄で埋め尽くした、シンプルな柄のパジャマでした。
(作者:あまりデザインの想像力が乏しいので、ひょっとしたらシンプルな柄じゃないかもしれませんね。シンプルじゃなかったらとりあえず、テキトーにシンプルな柄を思い浮かべておいてください。多分、キュリアが着ているパジャマはそういう柄のものです)
 いいのかそれで……。
 謙次はさっきのキュリアの質問に答えます。
「ああ、さすがに早いな。俺が寝るのはだいたい12時ぐらいだし」
「普通だね。じゃあそれまで何かしよっか?」
「何かって、何があるんだい?」
「うーん。トランプとテレビゲームがあるよ? どっちがいい?」
 謙次は考えました。さきほどキュリアの家の2階を見なければ、謙次は間違いなくテレビゲームを選択していたでしょう。しかし、2階にあったテレビゲームは少女アニメとかに出てきそうなキャラクターのゲームしか見えませんでした。よって、ここは無難に、
「じゃあトランプにしようか」
 と謙次は答えました。
 その答えを聞いて、キュリアは笑顔でこう返答しました。
「私はテレビゲームの方がいいと思うな」
「え? いや、でも俺は……」
「私はテレビゲームの方がいいと思うな」
「でも、どっちがいいかって聞いたのはキュリア……」
「私はテレビゲームの方がいいと思うな」
「……分かったよ」
 というわけで、寝るまでの時間つぶしはテレビゲームに決定です。

キュリアと謙次 にじゅういっかいめ!

 ケーケー「DrawPrimitive関数を使っているのに、D3DXSPRITEよりも処理が遅いとはどういうことだ!?」
 イノブン「……何の話?」
 ケーケー「プログラミングの話」
 イノブン「……あのさ、その話がこれから小説を読む一般読者に通じるとでも?」
 ケーケー「え? プログラミングは今や世界的流行だろ? 知らない人はいない」
↓イノブン「……お前、ちょっと今(23:34)から15階建ての建物の屋上行って頭冷やせ。できればそこから飛び降りろ」↓


「あのさ、キュリア」
「ん?」
「……キュリアはさ、恥ずかしくないの?」
 謙次は顔を赤くしたまま言いました。
 ここはキュリアの家からやや離れたところにある、岩で囲まれた温泉。その温泉はなかなか大きく、円形に近い形の温泉です。その温泉にキュリアと謙次はなるべく距離を取って入っていました。
 さきほどの謙次の質問に、キュリアは答えます。
「恥ずかしくないよ。私こういうのあんまり気にしないから」
 どういうことだ、と謙次は考えます。キュリアぐらいの年頃の子は、裸を気にする年頃ではないのか、と。しかしこのとき、謙次はキュリアの実年齢を全く考慮していませんでした。つまり、キュリアがオ……、いや、なんでもありません。
(作者:トラウマだからもう言えないよな、イノブン。読者の方々には分からないだろうけど)
 うん。もう絶対に言わない、オバサンなんて。
(作者:……あ)
 ……あ。
(作者:では、また読者が見ていないところでキュリアからお仕置きを……)
 いやだぁ!! もう『アレ』はいやだぁ!! うわあぁん!!
(作者:純粋にすごく嫌がってる!?)
 ……グスン。お、ここで謙次は何か考えごとを始めました。
(もしかして、この世界の女の子は、みんな自分の裸を気にしないとか?)
 おやぁ、もしかするともしかして!! この小説は以後18歳未満閲覧禁止の小説に……
(作者:なるかボケェ!!)
 さすがに前回みたいに、『よく分かったな』なんて言わないか。
(作者:言ったらこのブログをアダルト設定にしなきゃいけないからなぁ)
「あ、そうだ謙次。謙次は体洗うとき、石鹸を使うよね?」
「ああ、もちろん使うよ。……もしかして、この世界の人は洗う時に石鹸を使わないとか?」
「使わないのが当然だったら訊かないよ。使わないのは私含めてもそんなにいないと思うよ」
「へえ。……ということは、キュリアは石鹸を使わないのか?」
「うん。私がある程度力を入れて洗う用のタオルでこすれば、体の汚れは普通に落ちるよ。……まあ、同じ強さで謙次にやったら、謙次の肌が傷つくと思うけど」
「……なるほど」
「そういうわけで悪いけど、今日は体洗うの諦めてもらおうかな。明日石鹸を買いに行くよ」
「そうだな。じゃあよろしく頼むよ」

キュリアと謙次 にじゅっかいめ!

↓ ケーケー「水曜の0:30だけど、更新時間的にはアウトに限りなく近いセーフだよね!」
  イノブン「アウトに限りなく近いアウトだろ?」                    ↓


 キュリアも食べ終わったころ、あたりは真っ暗になっていました。
 謙次のもといた世界にあった街路灯などはこの島にないので、本当に真っ暗です。謙次があたりを見回しても、見えたのは50センチぐらい離れたところにある葉の先端部分の輪郭か、空にある月明かりぐらいしかありませんでした。
 そんな状況で、キュリアは立ち上がって言いました。
「じゃあ夕食も終わったし、あっちの方に小さな川があるから、そこへ洗い物をしに行くよ」
 周りが暗いので謙次の目で確認することはできませんが、このときキュリアは小川のある方向を指さしていました。
「……こんなに暗いのに、キュリアには周りが見えるのか?」
 謙次が尋ねると、キュリアはうなずいて言いました。
「うん。マリエルたちがいたときにも言ったけど、私の個体能力のうち一つは『明るさに関係なく、普通の明るさでモノが見える』能力だから」
 あれ? 今キュリアが言った能力、前に言った能力と名前が違くね? 『前は、どんなに暗くても、どんなに明るくても、普通の明るさでモノが見える』能力だったのに。
(作者:まあ、能力に名前なんてないから、意味合いが同じなら名前は何通りにもなるさ)
 え? でも『』で囲ってあるから、そういう名前なんじゃないの? 『』は固有名詞に使うものだろ?
(作者:普通はそうだし、この小説でもほとんど固有名詞に使ってるけど、個体能力に関しては、どこからが能力の名前なのかをはっきりさせるためだけに使ってます)
 なるほど、実際、能力の名前って長いもんな。
(作者:うん。まあ、長い名前をコピペして使えば問題ないんだけど、めんどいし)
 おいこら、本音隠せ。
「へえ、じゃあキュリアはどんなに暗かろうが、昼と同じ明るさで周りが見渡せるわけだ」
「そういうこと」
「ところで、洗い物をしたあとはどうするんだ?」
「お風呂だよ」
 なるほど混浴か。
(作者:……よく分かったな、イノブン)
 っておまww あってるのかよ!! てっきりイノブンは『そんなわけないだろ!!』的なことを突っ込まれるかと思っていたぞ!!
(作者:まあ、仕方ないのさ)
 え?
(作者:キュリアのセリフの続きを聞いてみな)
「ただ、そこにもモンスターは現れるから、謙次1人で入るとなると8割ぐらいの確率で死ぬことになるんだよね」
「えっ!? じゃあ俺は風呂に入れないのか!?」
「いや、そんなことないよ」
「ほっ、よかったー。でも一体どうするんだよ? 俺1人だと入れないんだろ?」
「簡単な話、私と一緒に入ればいいんだよ」
 キュリアがそう言うと、謙次はしばらく硬直したあと、こう言いました。
「何だって!?」

キュリアと謙次 じゅーきゅーかいめ!

 これ更新する前に、今日だけで4人もこのサイトを訪れていたみたい。毎度更新が遅くてすみませんm(_ _)m
 今回は前回の続きです。ちょっと長いのでこの段落は2回分にわけさせてもらいました。
 なお前回、イノブンが出した問題の答えですが、59分です。なぜならビンの半分がバクテリアで埋まっているなら、その1分後はバクテリアが2倍に増殖するので、ビンはバクテリアで満タンになります。だから、1時間の1分前が正解ということになります。では今回の話をどうぞ!
↓ なお、イノブンがキュリアに舞台裏でボコボコにされるのは今回の話が終わってからです ↓


「問題は、誰がどんな目的で謙次をこの世界に連れてきたか、ということなんだよ」
「……どういうことだ?」
 キュリアの言うことに、謙次は首をかしげます。
「連れてきた人も弱い人じゃなく、時空系魔法が使える世界でも最強クラスの人だから、一体何に謙次を利用しようとしているのか、余計に気になるね」
「……えーと、つまり、俺は誰かに利用されるために、この世界に連れてこられた、……そういうことなのか?」
 謙次がやや焦った口調で言った。それに対してキュリアが言うには、
「おそらくそうだろうね。異世界から人がやってくるなんて、そんなことは人為的にやらなきゃ起こらない。それに何回も言うけど、そんなことをやってのける人は世界でも最強クラスの人なんだよ。どう考えても私よりも強いだろうね。だから、謙次の身に危険がせまっても、どうしようもできないかもしれない」
 これを聞いて、謙次の顔が真っ青になりました。つまり、謙次をこの世界に連れてきた人が、その目的を達成するために謙次の身を危険にさらすようなことを考えている可能性がある。そして、そんなことをやる人はキュリアよりも強いはずだから、もし謙次をそういう目的でこの世界に連れだしたのなら、謙次は死ぬしかない、と。
(作者:まあ、謙次を殺そうと考えているなら、謙次は死ぬしかない、という意味でしょうね。……なんか、これだけの説明をするだけでやけに長くなってしまった)
 そうだな。普通にキュリアに一言で言わせればいいのに。
(作者:いや、実をいうと、このときキュリアは謙次に自分が思っていることを言うのを少しためらったんだよ)
 え? でもキュリア、謙次に面と向き合って、視線をそらさずに話していたぞ。それでもか?
(作者:そうだ。それに……)
 それに?
(作者:一度書いた内容を修正するのがめんどくさい)
 ……お前、それが一番の理由だろ。
「まあ、あくまで可能性だよ。ま、こればかりは相手側の都合ということでどうしようもならないし、マイナス思考もよくないから、気楽に行こうよ、謙次」
 そう笑顔で語りかけるキュリア。でも、本当にそう思っているんなら謙次にそのことを伝えなければいいんじゃない?
 もちろん、キュリアがそう元気づけたって、謙次の体は小刻みに震えています。そりゃあ、へたしたら自分はもうすぐ死ぬ、なんてことを知ったら、こうなりますよね。
「それにしても、謙次」
 うつむきながらカレーを食べる謙次にキュリアは声をかけました。
「ん?」
「謙次って、食べるの速いね」
 さすがに自分の身が危ないという内容の会話をしていたときは手を休めていましたが、そうでないとき、謙次はスプーンで3口、3,4回噛んでまたスプーンで3口、……この繰り返しなのでカレーの減るスピードが尋常じゃありません。
 キュリアの方はまだ自分が食べる丸焼きを作っている最中です。そして、
「お、そろそろ焼けたかな」
 とキュリアが言ったころには、
「ごちそうさま」
 と謙次が言うのでした。前回の話の冒頭でキュリアは、『こっちもそろそろ焼けたかなー』と言っていたし、謙次の身に危険が迫っている的な会話をしている最中、謙次はスプーンを止めていたので、そこからも謙次の食べる速さは尋常じゃないってことがわかりますね。

キュリアと謙次 じゅーはっかいめ!

↓ 勘違いされる方がいると困るので言っておきますが、イノブンは地の文担当なので、キュリアたちとは一切接触しません ↓


「よーし、そろそろいいかなー」
 火にかけられた鍋の中のカレーをかき混ぜながら、キュリアが言いました。
「こっちもそろそろ焼けたかなー」
 キュリアはカレー鍋の横にあるイノシシっぽいモンスターの丸焼きを見てそう言いました。
「……なあ、キュリア」
 謙次は呼びかけるように言いました。
「ん?」
「要するに、俺がそのカレーを食べて、キュリアがその丸焼きを食べる、というわけか?」
「うん、そうだよ。私はカレーよりもいつも食べてるモンスターの丸焼きの方が食べたいからね」
「そっか。……悪いな」
「え? 何が?」
「だって、俺のためだけにわざわざカレーを作ってくれているんだろ? なんか、悪いじゃないか」
 おお! 常識がなく自分勝手な謙次もさすがにこれについては申し訳ないと思ったか!
(作者:……ひどい言いようだな)
 え? イノブン何か間違ったこと言った?
(作者:いや、全然)
 ……お前も人のこと言えないじゃねえか。
 とりあえず、謙次が申し訳なさそうにそう言うと、キュリアは、
「あ、ごめん。それだったら私もカレーを食べた方がいい、かな?」
「いや、お前に謝られても。謝るべきはむしろ俺の方だと思うんだが」
「……そうなの? じゃあ私は普通に丸焼きの方を食べるよ。逆に謙次は丸焼きいらないんだね?」
 キュリアがそう尋ねると、謙次は冷めた顔で、
「ああ、絶対いらない」
 と答えました。
「だよね。あ、そろそろカレー出来たみたいだから、準備するよ」
「ああ、よろしく」
 そう言ってまったく手伝おうとしない謙次に対し、キュリアははんごうからご飯を取り出し皿に盛り、そこにカレーをかけて謙次に渡しましてあげました。ホント、異世界でこんなやさしい女の子に出会えるなんて、謙次は運がよかったんでしょうね。
(作者:え? 女の子? 誰のこと?)
 え……? あ、しまった、キュリアは女の子じゃない! BBA[ババア]だった!!
(作者:イノブンが聞こえないように小声で言っておきます。この段落が終わると、イノブンは読者様の目につかないところでキュリアにボコボコにされます)
 お? 作者、お前何か言った?
(作者:いや。イノブンはかっこいいな、って)
 は? 何をいまさら、そんなあたりまえなことを。
(作者:やっぱ俺が今すぐボッコボコにしてやろうか?)
 ん? 作者、お前何をそんなに怒って、……おや、謙次がカレーを食べ始めると、キュリアが何か話し出しましたよ。
「あのね謙次、今のうちに話しておこうと思うんだけど、……もしかして謙次の身に危険が迫っているかもしれないよ」
「……え?」
 スプーンを動かすのをやめ、謙次はキュリアの方を向きました。
「あくまで、もしかして、ということなんだけどね」
「それって、どういう……?」
「謙次、異世界から来たんだよね」
「ああ、よくわからないけど、おそらくな」
「まず聞いておくけど、謙次のいた世界には異世界という概念はあった?」
「ああ。アニメやゲームでよく異世界ものがあったな。だけど、実際に誰かが異世界に行ったという話はないよ。そんなのはアニメやゲームとかの中での話だ」
「そっか、じゃあこの世界にいる人のしわざだね」
「……まあ、俺のいた世界にない技術だから、当然そうなるよな」
「そしてこの世界で異世界に行く方法といえば、『時空系』の魔法を使う方法ぐらいしかないんだよ」
「時空系?」
 何それおいしいの?
「うん」
 どうやらおいしいようです。うそです。今のキュリアの『うん』は、さっきの謙次の質問に対する『うん』です。
(作者:なんか、前もそのネタ使ったよな、お前)
 だな。いっそイノブンの持ちネタにしようか。
(作者:やめてくれ)
「時空系っていうのは、時間と空間を操る魔法なんだよ」
「それって、かなりめちゃくちゃな魔法じゃないか?」
「うん。だからこの世界で時空系の魔法が使える人は両手の指で数えられるぐらいしかいないよ。ひょっとしたら、5本の指だけで数えられるかもね」
「そんなに強いんだ」
「うん。だけどそこに1つ問題があるんだよ。その問題は……」
「問題は……?」
 さてここで問題です。ビンの中に1匹、バクテリアを入れたとします。そのバクテリアは1分間で2倍に増殖していきます。つまり1分ごとに、1匹が2匹、2匹が4匹、4匹が8匹、という感じに増えていきます。そして1時間後にそのビンはバクテリアで埋め尽くされるとします。では、同じ条件でビンの中のバクテリアを増殖させるとき、そのビンの半分がバクテリアで埋まるのは何分後でしょうか? ちなみに、1時間の半分だから30分後、とかじゃありませんよ。
 え? キュリアの言う問題ってのはそういう意味じゃない? じゃあどういう意味なんですか?
「問題は、誰がどんな目的で謙次をこの世界に連れてきたか、ということなんだよ」


 さて、この段落は長いので途中で打ち切らせていただきます。続きはまた次回!

キュリアと謙次 じゅーななかいめ!

↓ 週4日は絶対続かないので、今度から火曜・木曜だけにします。どうせ今度の土日も用事入って更新できないし ↓


「あら、そろそろ夕食の準備をしなきゃ」
 マリエルはそう言ってテーブルのイスから立ち上がりました。
「じゃあ私たちはそろそろ帰るわ。行くわよ、シーノ」
「そうだな」
 シーノも立ち上がります。キュリアも立ち上がり、扉を開けてあげました。
 4人全員外に出ると、マリエルが
「『ウイング』!」
 と叫びます。すると、マリエルの背中から純白の翼が生えました。マリエルはシーノを抱きかかえ、飛び上がるときに言いました。
「さて、じゃあキュリア、また今度ね」
「うん、また今度!」
 キュリアはそう言ってマリエルに手を振りました。シーノも、
「ああ、じゃあなキュリア、そして謙次!」
 謙次はそう言われて、
「ああ、……じゃあまた」
 と小さく言って、小さく手を振りました。
 マリエルたちが見えなくなると、キュリアは言いました。
「さて、と。それじゃあ私たちも晩ご飯にしようか?」
「ああ、そうだね。確か、カレーにするんだっけ?」
 謙次が訊くと、キュリアはうなずきました。
「うん。謙次はね」
「……俺『は』?」
「じゃあそこらへんでモンスターを1匹狩ってくるから、家の中で待っててね!」
「え!? ちょっとキュリア!!」
 謙次が言うのも聞かず、キュリアはものすごい速さでどこかへ走って行ってしまった。
プロフィール

ケーケー

Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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