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キュリアと謙次 じゅーろっかいめ!

ケーケー「勝手ながら、今週はすごく忙しいため、今週の木曜・土曜のキュリアと謙次はおやすみです」
イノブン「あれ? お前この前、1度サボったらもう更新できない気がするとか言ってなかった?」
ケーケー「大丈夫、なんとかなるさ!」
イノブン「……不安だ」
↓ まさか日曜に8人も訪れているなんて、感激です!!! ↓


「……ん、あれ?」
 キュリアたちが話し始めてから約1時間後、ようやくマリエルが目を覚ましました。
「あ、マリエル、気がついた?」
 キュリアは血まみれのマリエルに向かって、笑顔で声をかけました。
「仕方ないから回復魔法でもかけてあげようか。こっちに来なよ、マリエル」
「……キュリア、私いつも思うんだけど、……私が気絶している間にそれかけてくれればいいんじゃないの?」
 よわよわしい口調で、マリエルが言いました。キュリアは、
「え? でもマリエルの命を奪わなかっただけでも、私結構寛大だとおもうよ? ……なんならまだやる?」
「いえ、結構です……!」
 マリエルがビクつきました。マリエルはゆっくり立ち上がり、キュリアのもとへと歩き出しました。するとキュリアは、
「そうだ、今謙次のいた世界のことをいろいろと聞いてたんだけど、いろいろこの世界と違うらしくてね、かくかくしかじか……」
 おや、キュリアのやつ、自動車会社のCMに出てくる鹿の名前を突然言うなんて、一体何考えているんだ?
(作者:かくかくしかじかはそういう意味じゃねえよ! 今まで謙次と話していた内容をマリエルに説明しているだけだよ!)
 そうだったのか。とまあ、そんな感じでキュリアが話しているうちに、マリエルはキュリアの回復魔法でほぼ全回復できましたとさ。
 キュリアが説明し終わると、シーノは言います。
「そういえばさ、謙次の世界と私たちの世界の違うところって、私たちの世界で便利なところが多かったりしないか? 魔法やバージョン2とか」
 するとキュリアがこう言います。
「そうだね、謙次の世界は電気が一番便利なエネルギーみたいだし」
 なお、キュリアたちの話をだいぶカットしていますが、その中に電気の話がありました。どうやらこの世界にも電気があるようですが、電気を一時的に魔力に変換したり、魔力から電気に変換したりすることで効率を上げることができるとか。
 どうしてそんなことができるのかといいますと、まあ、これもさきほどカットした話の一部なんですが、この世界の魔力エネルギーというのはエネルギー保存の法則に従わないエネルギーらしく、小さなエネルギーから大量の魔力エネルギーを得たり、逆に小さな魔力エネルギーから大量のエネルギーを発生させたりできるみたいなんです。
 それで、話を戻しますが、キュリアの発言のあと、マリエルが何かをひらめいたようで、
「へえ、じゃあ謙次君のいた世界って、『個体能力』とかあるの?」
「『個体能力』?」
 謙次は何それおいしいの的な感じで言いました。どうやらビンゴみたいですね。
(作者:いや、僕らの今いる世界にないものだからすぐ分かるでしょう)
「さすがマリエル、よく謙次の世界にないものを見つけられたな!」
 シーノはそう言ってマリエルをほめました。マリエルは、
「まあ、なんとなくね。それで謙次君、個体能力というのは私たちが『ふとしたきっかけで』身につけることができる特殊な能力のことなの。たとえば私は、『合掌している間、世界中のどこでも見ることができる』能力を持っているわ」
 いわゆる特殊能力ってやつですね、分かります。
 なるほど、だから盲目のマリエルでもキュリアと戦えるんですね。戦闘中、マリエルはほとんど合掌してたし。
 それに対して謙次が尋ねます。
「へえ、……で、その『ふとしたきっかけ』って、どういうきっかけなんですか?」
 それにマリエルが答えます。
「そうね、……それは人それぞれよ。世界中の学者も研究しているみたいなんだけど、どうやったら個体能力を得ることができるのかはまだ解明されていないみたいだわ」
 続いてキュリアが発言します。
「ちなみに、個体能力は最大で2つまで持てるよ。マリエルは1つしか持ってないけど、私は『犬歯で他の生き物の血を吸うことができる』能力と、『どんなに暗くても、どんなに明るくても、普通の明るさでモノが見える』能力の2つを持ってるよ」
「へえ」
 謙次は空返事をしました。どうやらいきなり2人の個体能力を言われてもよく理解できないみたいですね。
 でもキュリア、要するに吸血できて、暗いところでも動けるわけですよね。さすが、名前の由来がドラキュラなだけはある。
(作者:ドラキュラ(dracula) → cula → culia → キュリア)
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キュリアと謙次 じゅーごかいめ!

↓ 今回みたいに17時より前に更新することなど、あんまりない! ↓


「この世界の地図はこんな感じだよ」
 キュリアが部屋の隅の木製の棚から薄っぺらい紙をとってきました。それを覗くとすぐ、謙次は驚きました。
「これ……、俺のいた世界の地図と同じじゃねえか!?」
「え!?」
「何だと!?」
 キュリアもシーノも驚きます。
「え……、それ本当なの? 謙次」
 キュリアの問いに、謙次はうなずきます。
「ただ、国名は俺のいた世界のと違うところが多いみたいだ」
「そりゃあ、世界が違うからな」
 シーノが言いました。シーノは続けて、
「まあ、私は異世界ってのがどんななのかは知らないが、全く大陸の形が同じだとはな」
「まあ、同じだとは限らないけどね」
「へ? どういうことだ、キュリア」
 キュリアの発言について、シーノは尋ねました。
「だって、私たちだって、この地図の形を全体的に少しずつ変えられたものを見せられても分からないよね? ひょっとしたら謙次が気付かないだけで、謙次のいた世界とこの世界の地図は若干違うんじゃないかな?」
「言われて見れば、そうかもな。……確かに、俺のいた世界ではこんなところに国なんかなかった!」
 謙次は、謙次のいた世界でいうオーストラリアと南アメリカのちょうど中間の位置を指さして言いました。そこには謙次のいた世界では国などありませんでしたが、この世界ではモンスター王国やピラニア国、アトランティス王国などの聞いたことのない国がいくつかありました。
「あれ、このモンスター王国って、さっき俺とキュリアが行ったところか?」
 謙次の問いに、キュリアが答えます。
「そうだね。ちなみに今私たちがいるトランズ島もこのすぐ近くだよ。まあ、小さいからこの地図にトランズ島という名前は書いてないけど」
「そっか。そういえばさっきもキュリア、それ言ってたよな?」
「うん、言ったね」
 キュリアがそう言うと、シーノが何かを思いついたかのように言いました。
「あとさ、謙次。お前のいた世界には学校というのがあったか? まあ、分からないかもしれないが、学校というのは要するに、私たちにいろいろな知識を……」
「それぐらいあるさ」
 謙次はシーノの言葉をさえぎって言いました。するとキュリアは、
「私たち、さっき言ったようにモンスター王国に行ってきたんだけど、電車や車が道路を走っていないところ以外は謙次のいた世界の街並みとモンスター王国の街並みはそっくりみたいだよ」
「へえ、……でも車が道路を走っているとか信じられねえな。車って、過激なスポーツに使う乗り物だろ?」
 シーノが尋ねました。謙次は、
「俺のいた世界ではそんなんじゃないんだけどなぁ。まあ、一部ではそんな感じだったかもしれないが」
「へえ。こっちの世界では車は過激なスポーツに使う乗り物だからな、そんなのが走ってたら私たち一般人はたまらねえよ。……キュリアみたいに強けりゃ問題ないんだが」
「え? この世界の人ってみんなキュリアみたいに魔法使えたり強かったりするんじゃないのか?」
「そーそー、私たちみんな強い、ってんなわけねえだろ!」
「ナイスボケだね、謙次」
 シーノはつっこみ、キュリアは笑顔で拍手しました。今の、謙次は普通に素で言ったんですけどね。
 シーノが続けて言うには、
「第一、魔法が使えるやつ自体そんなにたくさんいねえよ。あれが使えるのは、本当に頭のいい奴だけだ」
「マジか。てっきりこの世界の人は全員、魔法を使って暮らしているのかと」
「……なあ謙次、お前、素で話すだけでお笑い芸人としてテレビに出れるぞ」
「えっ!?」
 謙次は素で言ってるだけなのに、シーノひどい。
「まあ、お笑い芸人はどうでもいいとしてだ、謙次、この世界で魔法が使えるやつはそんなにたくさんいない。それに、魔法が使えるやつはみんな強いというわけじゃないから、キュリアみたいに強い奴なんかほんの一握りだ」
「……そうだったのか」
 シーノはキュリアの方を見て、こう言いました。
「なあ、キュリア。謙次がこうもこの世界のことを知らないとなると、お前もすごく疲れるんじゃねえか?」
「うん、さっきもモンスター王国に行く途中、まともに会話が通じないことが多かったしね」
「……やっぱな」
 シーノとキュリアがそんなやりとりをしていると、謙次はなんかすごく恥ずかしくなってきました。
「……だがそれがいい」
 シーノは言いました。
「さーて、じゃあもっと謙次と話して、私を疲れさせてもらおうじゃねえか!!」
 そう言えばシーノ、ドMでしたね。

キュリアと謙次 じゅうよんかいめ!

↓ 火・木・土・日更新は大変だけど、1回でもサボったら少なくとも1ヶ月以上は一切更新しない気がする ↓


「見えてきたよ、謙次。あれが私の家だよ」
 キュリアは周りにある木々のせいで少ししか見えない茶色い何かを指さして言いました。おそらく、キュリアの家の一部でしょうね。
 それは木造の家でした。さきほどキュリアが指さしたのは、この家の屋根のあたりだったみたいです。そして、この家の屋根の上にはなんと、木造の家に似合わない、発電によく使われる形の風車が付いています。
「へえ、結構高いね」
 謙次はそう言いましたが、キュリアが言うには、
「いや、そんなに高くないよ。普通の2階建てと同じぐらいだよ」
「まあ、周りが民家じゃないから、そう見えるのかもな」
 シーノがそう補足しました。実際、この家は謙次の元いた世界の家と比べても低い方の家になります。謙次がこの家を高いと錯覚したのは、おそらくシーノの言う通り、周りに一切家がなく、キュリアの家とだいたい同じぐらいの高さの木々に囲まれているからだと思います。
「さて、それじゃあ入ってよ」
 キュリアが家の扉を開けました。そして中をのぞいて謙次が言ったセリフがこちら、
「へえ、結構広いね」
 5つほど前のセリフとほぼ同じセリフですね。ということは、キュリアが次に言うセリフも想像できますね。
「いや、そんなに広くないよ。むしろ狭い方だと思うけど」
「なるほど、謙次の家は結構いろんなものが散らかっていたんだな」
 今シーノが言ったことから、謙次が見た部屋がどんな感じかを想像できますか? まあ、ようするに、がらんとしているわけです。壁の一角に金属製の箱と、その上に食器入れがあり、その隣には木製の引き出しが2つついている箱が置いてあり、部屋の中央にテーブルがあるだけです。キッチンとかもありません。1階の部屋はどうやらこの部屋と個室トイレぐらいみたいですね。
(作者:個室トイレは部屋なのか?)
「じゃあついでに2階も見てみようか!」
 キュリアは背負っていたマリエルを乱暴に放り投げ、階段をあがっていきました。
(……うわぁ)
 謙次はマリエルを不憫に思いながらも、2階にあがっていきました。シーノはいつも通りという感じで特に気にせずあがっていきました。
 2階は1階よりものが置いてありました。まず階段のすぐ右側の角には、なにやら台座の上に赤・橙・黄・緑・青・藍色の6つの色の透明な石が並べられてました。そして階段がある壁とは反対側の壁のそばに、テレビやテレビゲーム・トランプなどが置いてありました。また、階段を上がってすぐ左側をみると、4段の本棚があります。まあ、そのうちの1段目だけ本が埋まりそうで、あとの段には1冊も本が入っていないという状態ですが。
「さて、2階はこんな感じだけどどうかな、謙次?」
 キュリアはそう尋ねましたが、謙次は、
「え? ああ、いい部屋じゃないかな」
 などとテキトーなことを言います。どうやら感想がまったく浮かばなかったみたいですね。イノブンとしては、6色の石がのってる台座がすごく気になるんですけどねぇ。
「さて、じゃあ下で謙次のいた世界の話でも聞かせてもらおうか」
 シーノが言います。キュリアはテレビゲームの方をじぃーっと見ていますが、謙次は気付かないようで、
「ああ、いいよ。じゃあ俺にもこの世界のことをいろいろ聞かせてくれよ。まだこの世界についてよくわかっていないからな」
 珍しく謙次が長いセリフを言いました。シーノはキュリアがテレビゲームの方を見つめているのをあからさまに無視して、
「じゃあキュリア、そういうことで下に行こうか」
「え……、うん、分かった」
 そう言って3人は1階に下りていきます。でも先ほどのシーノの言動ですが、まるでテレビゲームをしたくないような感じでしたね。

キュリアと謙次 じゅうさんかいめ!

↓ 13回目なのにまだ1日目だなんて ↓


「二人とも、お待たせー!」
 バージョン3から元の青い着物姿に戻ったキュリアは、ボロ雑巾な上に顔が真っ青なマリエルを背負って、謙次たちのもとへ戻ってきました。
「やっぱりキュリアが勝ったか」
 シーノはごく日常的な感じにそう言います。
「まあね。……それに、私にあんなことを言ったことを後悔させる必要があったし」
 キュリアは笑顔でそう言いました。謙次はそんな笑顔をしながら生きているのか死んでいるのか分からない怪我をしているマリエルを背負っているキュリアを見て、めちゃくちゃ引いてました。
「ん? どうしたの謙次?」
 どうしたのじゃないって! もしこれをアニメにしたりマンガにしたりしたら、今のマリエルにモザイクがかかるぐらいの怪我をマリエルに負わせておいて! というか、これ、本当にまだ生きてるの?
 謙次はそんなことを聞いていないが、シーノが察してくれたようです。
「ああ、心配するな。こんなになってもマリエルは生きてるから」
「さーて、敵は排除できたし、私の家にでも来る?」
 キュリアはまるで何事もなかったかのように言います。なんかいろいろとおかしいぞこいつら!
「そりゃあ行くさ。マリエルがこんなだと私も帰るすべがないしな」
 シーノがそう言うと、キュリアは明るく、
「よし、それじゃあしゅっぱーつ!」
 とか言い出します。シーノはキュリアから距離をとっている謙次に近づき、小声でこう言いました。
「まあ、キュリアはあのタブーさえ言わなければ、基本的に何言われても、何されても怒らない、かなり温厚な性格なんだ」
「……あんなことやってたのに?」
 謙次はすごい不審な目でキュリアを見ます。もちろんモザイクをかけるべきマリエルも視界の中に写ってます。
「ああ。だからアレさえ口に出さなければ、キュリアと接するとき特に気を使わなくても大丈夫だ。だからそう自分の身を心配するな」
「ん? 二人して何話してるの?」
 キュリアが話に割り込もうとしてきました。シーノはあわてて、
「ああ、えーと、ほら、謙次はキュリアの家に来るの初めてだからって、……とにかく、そんな話!」
 するとキュリアは笑顔で、
「そっか。まあ、私の家はかなり質素だから、あんまり期待しない方がいいかもよ」
 そう言って、キュリアは謙次たちと距離をとって、前に出ていきました。
「……今のごまかせたのか? 思い切り変な言葉になってたぞ」
 謙次はそうシーノに尋ねました。それに対しシーノは、
「まあ、ごまかせてないだろうな。私の話し方もすごくおかしくなってたし、……それに、キュリアは相手の言ったことが本当か嘘かを見抜けるからな」
「え?」
 なにそれ? どういうこと?
「『え?』って、……そうか、謙次のいた世界には魔法がないから、あんなふうに戦う人がいないのか」
「え? え? 一体それはどういう意味?」
 謙次はかなり混乱しています。
「この世界ではある程度強くなると、勝負において先読みすることが重要になってくるんだ」
「先読み?」
「ああ。いろんな種類があるようだが、一般的なのは相手の顔をみて、それで相手が何を考えているのかを知ることだな」
「え? それって先読みなの?」
 なんか、イノブンの考えていた先読みとは全然違うっぽいですね。
「ああ、先読みだ。とはいえ、完全に相手の行動を読むことは難しいみたいだな。特に、戦いに必要だからそれを身に付けたやつは、戦いでしか相手の考えていることを理解できないんだ」
「……つまり、戦いじゃないと先読みを使えない、ということ?」
「ああ。ただ戦いで使える人は、日常生活でもある人の言ったことが本当か嘘かを判別できるぐらいには分かるみたいなんだ」
「へえ、だからキュリアに嘘は通じない、ということか」
「そういうことだ。ちなみに、今キュリアは私の言ったことが嘘だと知っていながら、私たちから離れて歩いてくれてるだろ?」
「……確かにそうだね」
「つまり、まあ、キュリアはそんな感じの思いやりのあるやつなんだ。タブーさえ言わなければ決して恐ろしいやつじゃないさ。むしろ、自分に対しては殺さない限りなんでもしていいというぐらいに心の広いやつなんだ」
「……それは言いすぎじゃないか?」
「言いすぎじゃないと思うがな。まあ、そういうやつだから、安心しなよ」
「……そうだな。分かったよ、シーノ」
 謙次はそう言ってシーノに微笑みかけました。どうやらさっきまであったキュリアへの恐怖心はふっしょくされたみたいですね。
 そしてシーノは、念を押してこう言いました。
「まあ、タブーを言わなければ、の話だがな」
 すると謙次の恐怖心が再び蘇りました。目の前のボロ雑巾マリエルも目に入ってきます。

キュリアと謙次 じゅうにかいめ!

↓ C++講座、続けるとか言っておいて結局できてないorz ↓


 キュリアが攻撃のすきをうかがっていると、マリエルから先に攻撃が来ました。
「『アルティメットブラスター』!」
 このマリエルの魔法は伝説系とは違う、究極系という属性の魔法です。マリエルは主に伝説系の魔法を使いますが、伝説系の魔法は他の魔法を打ち消せる代わりに魔力の消費がパないので、他の属性の魔法を交えて使うことが多いです。
 この『アルティメットブラスター』は、大きめの光弾を放つ魔法ですが、
「『グレイヴスラッシャー』!」
 さっきのマリエルの魔法は伝説系の魔法でないため、キュリアは反撃の魔法を使いました。今キュリアが放った『グレイヴスラッシャー』は大きな黒い球体を放つ魔法です。しかし、
「『エーシェントカッター』!」
 マリエルがそう言うと、マリエルの頭上に平たい赤と緑の円盤ができました。マリエルがこれを放つと、さきほどキュリアの放った『グレイヴスラッシャー』と衝突した際、『グレイヴスラッシャー』を跡形もなく消し去ってしまいました。これがいわゆる伝説系魔法ということですね。
「よっと」
 今『エーシェントカッター』に対してキュリアが魔法を使っても、キュリアの魔法が一方的に打ち消されるのは目に見えているので、キュリアは『エーシェントカッター』を避けることにしました。
「だったら、『アルティメットミサイル』!」
 マリエルはそう叫び、両手のひらをキュリアに向けた。するとマリエルの両手のひらから無数の光弾が放たれた。
「この魔法は追尾機能があるから避けるのは難しいなぁ。……だったら、『ブラックトルネード』!」
 キュリアがそう叫ぶと、マリエルの『アルティメットミサイル』はすべて漆黒の竜巻に飲み込まれてしまいました。
 しかしマリエルは、漆黒の竜巻の裏に隠れながら何かやっているようです。そして、こう叫びました。
「『ジャガーノート』!」
 するとキュリアの『ブラックトルネード』がかき消され、広範囲に広がるオレンジ色の破壊光線がキュリアに襲いかかりました。
 『ジャガーノート』は一般的に知られる伝説系の魔法の中で、一番強い魔法です。それは扇状に広がるオレンジ色の破壊光線を放つ魔法で、広範囲に攻撃できかつその威力もものすごく高い、そんな魔法です。
 これはさすがにキュリアもよけれまい。そう思ったマリエルは勝利の笑みを顔に浮かべました。
「やった! 183回ぶりにキュリアに勝った!」
 負けすぎだろアンタ! というか、よくそんな中途半端な回数を覚えてるな!
 まあ、そんなこんなでマリエルはすごく喜んでいます。
 が、しかし、
「あれ? いったい何がそんなにうれしいの? マリエル」
 マリエルの背後から、キュリアの声が聞こえました。
「……え?」
 マリエルは振り返るのを恐れて、しばしじっとしていました。しかし、今は戦闘中であるということで、即座に振り返ろうとすると、振り返る前にキュリアの足蹴りを喰らいました。
 足蹴りを喰らったマリエルは、そのままトランズ島に衝突。そんなマリエルに対し、キュリアはさらに追い打ちをかけようと、マリエルが衝突した地点に急いで飛んで行きました。
 なお、さきほどマリエルが言ったタブーをキュリアは相当気にしているようで、このあとキュリアはマリエルに対し、かなりえげつない攻撃を仕掛けます。大量出血とか骨折とか普通にさせます。なので、ここから先のマリエルVSキュリアの勝負は説明を控えさせていただきます。

キュリアと謙次 じゅういっかいめ!

↓ 話しの区切り方がいまいちつかめないorz ↓


 謙次は勝負しているキュリアたちを見て、シーノに訊いた。
「しかし、結構マジな勝負じゃないか? マリエルさんは一体なんでこんな勝負なんかしにきたんだ?」
「なんでって、どうせただの息抜きじゃないか?」
「これが!?」
「そんな大した理由はないさ。ほら、激しい運動をするとすっきりとした気分になるだろ?」
「激しすぎだろ!!」
 謙次、つっこみ乙。
(※乙:『おつかれさま』の意。『おつ』と読む)
「それとシーノ、キュリアは戦うときに変身するし、マリエルさんはオレンジ色のオーラ出すし、……あれも魔法というやつなのか? 突然変わったから驚いたよ」
「ああ、あれか? あれは魔法じゃねえよ」
「え?」
 え? 違うの? イノブンてっきり『メタモルフォーゼ』とかの魔法かと思ってた。
「まず、今のマリエルの状態は『バージョン2』って言って、身体能力とかが通常の2倍になるんだ」
 身体能力が2倍? どういうことなんでしょうか、なんかぱっとしませんね。
(作者:つまり、握力40kgの人がバージョン2になると、握力80kgになるって意味です)
 それはすごい! さすがバージョン2!
「それでバージョン2になると、あんな感じに全身に魔力をまとうんだ。そしてバージョン2になっている間は、自分の魔力が徐々に奪われていくんだ」
「なるほど。ということはマリエルさんのまとっているオレンジ色のオーラは、マリエルさんの魔力だったのか」
「そういうことだ。そしてキュリアの今の状態だが、……あれは『バージョン3』だ」
「バージョン3!?」
 なにそれおいしいの?
「ああ」
 どうやらおいしいようです。
(作者:んなわけあるか!! 今のシーノのセリフ『ああ』は謙次のセリフについて言ったのであって、イノブンの問いに答えたのではありません)
「あれは身体能力が通常の6倍、つまりバージョン2の3倍になるやつだ。バージョン3はバージョン2と違って魔力をまとったりせず、きまった形もない。ただあんな感じに、姿が少し変わるだけだ」
「『少し』……ねぇ」
 謙次はそう言って、さっきまで着ていた青の着物ではなく、漆黒の鎧を着ているキュリアの方を見ました。
「ちなみに、気にならないのか、謙次」
「え? 何が?」
「普通、魔力ってのは、赤色だろ? だがマリエルがバージョン2になって出している魔力はオレンジ色なんだ」
「……ふーん。まず俺、魔力の色なんて知らないんだけど。普通は赤色なのか?」
「あれ? お前、そんなことも知らなかったのか。常識だろ?」
「いや、俺この世界の常識とか知らないから! まず俺のいた世界に魔法なんてないから!」
「なんだって!?」
 シーノは驚きます。
「……魔法がない世界とか、考えられねえな」
「それで、さっきシーノが言ってたことだけど、『気にならないのか』って、何のことだ?」
「ああ、それか。さっき言ったように、普通の魔力は赤色だが、マリエルがまとっている魔力はオレンジ色なんだ」
「確かに……。じゃあマリエルさんが今まとっている魔力は少し変わった魔力、……ということか?」
「よくわかったな、その通りだ。マリエルがまとっている魔力は『伝説系』という『属性』の魔力なんだ」
「伝説系? ……それと属性?」
「ああ。魔法には属性というのがあるんだ。一般的によくつかわれる属性は火・水・風・地・雷だな。まあそのほかにもたくさんの属性がある。キュリアがよく使う魔法の属性は風属性と闇属性だ。そしてマリエルが使う属性が伝説系という属性なんだ」
「へえ、でも伝説『系』なのに属性なんだ」
「ああ。属性は通常、風や闇みたいに名前が一文字のときは『~属性』と呼び、伝説みたいに名前が二文字のときは『~系』と呼ぶんだ」
「そうなんだ」
「そしてその伝説系だが、伝説系の魔力は他の属性の魔力をすべて打ち消す力を持っているんだ」
「へえ、……つまりどういうこと?」
「つまり、マリエルには魔法が効かない、ということだ!」

キュリアと謙次 じゅっかいめ!

↓ カウンター見たら、今日自分含めて5人来てることに気付いた。うれしい! ↓


「こっちだ、謙次!!」
 マリエルとキュリアが衝突し始めたころ、シーノは謙次を引っ張ってキュリアたちのそばを離れました。
「おい、シーノ……だっけ?」
「おい、さっきそう紹介しただろ? 『だっけ?』なんて言うなよ。ゾクゾクするだろ?」
 ゾクゾク? どういうことですかね?
「ああ、ごめん、シーノ。……それで、あいつらは一体何を始めたんだ?」
 みなさん聞きました? 今謙次は、明らかに自分よりも年上の人であるマリエルを『あいつ』呼ばわりしましたよ。本人に聞

かれなくてよかったですねぇ。まあ、イノブンはマリエルがどんな性格なのか知らないですけど。
(作者:僕はイノブンにあまり詳しくこの話の設定を教えていないので、そこのところをご了承ください)
 先ほどの謙次の質問に、シーノはこう答えます。
「ああ、アレか? アレは『勝負』さ。今日マリエルはキュリアと勝負するためにここに来たのさ」
「……へえ。でも、キュリアさっき、『オバサン』と言われただけで凄く怒ってたよ……、ンンッ!?」
 話の途中で、シーノがとっさに謙次の口を押さえた。
「……今の、キュリアに聞かれなかったみたいだな、危ない危ない」
「……どういうこと?」
「いいか謙次、気をつけておけよ。キュリアに『オバサン』やそれとほぼ同じ意味の言葉はタブーだ」
「……言ったらどうなるの?」
 謙次がそう聞いてみました。するとシーノはうつむき、ややふるえながらこう言いました。
「……私も気になって言ってみたんだ。私はドMだから、イイコトを期待していたんだが……」
 ドMなん? コイツ。
(作者:ええ、ドMです。あといろんな面で変態だったりします)
 ……この話、そのうち『作者は病気シリーズ』に認定されないかな?
(作者:大丈夫、そこまで人気でないから)
「期待していたんだ……、だがいくらドMとはいえ、腕の骨を粉々にされたいとは思っていなかった……」
 ぞっとする謙次。そしてぞっとするイノブン。
(作者:お前もか!!)
「だから、その……『オバサン』なんてキュリアの前で気軽に言うなよ! 下手すると命を落としかねない!」
「何っ!?」
 なんてことだ……!? じゃあひょっとすると『ななかいめ!』でフェニックスが言ってたセリフ、
(……絶対に殺すなよ。『ジェノサイド』)
 これはもしかするとそういう意味なのかもしれませんよ!! つまり、下手に謙次が『オバサン』的なことを言っても『絶対

に殺すな』という意味じゃないかということです!!
「だけどシーノ、キュリアって子供だろ? なんでそんな単語に反応するんだ?」
「は? 何言ってやがる? キュリアは44歳だぜ?」
「な、なんだって!?」
 いわゆる『合法ロリ』っていうやつか!? 年齢的には普通にオバハンじゃねえか!!
 あと、さっきのシーノのセリフを見て思ったんですけど、シーノって結構口悪くないですか?
(作者:ああ。普通に男口調だったりしますよ)
 ……マジか。

キュリアと謙次 きゅーかいめ!

↓ ねみぃ ↓


 キュリアたちがトランズ島に帰ると、そこには一人の女性と一人の少女がいた。
「帰ってきたわね、キュリア」
 女性の方が言った。その女性は長い黒髪で、目を閉じ両手を合わせています。年齢は20歳ぐらいでしょうか?
「マリエル、シーノ、来てたんだ」
 とキュリアが言いました。どうやら女性の方がマリエルで、少女の方がシーノみたいです。
 シーノと呼ばれた少女は、だいたい年齢が14歳ぐらいに見える、赤髪の少女です。
「ごめんね、ちょっと買い物にいっててさ」
 キュリアはそう言って頭をかきました。シーノは、
「問題ないさ。私たちも今来たところだよな、マリエル」
「ええ。……あら、そこの子は?」
 マリエルが謙次をみて言いました。キュリアは、
「どうやら異世界からきたみたいなんだ。ね、謙次」
「あ、ああ」
 とりあえずうなずく謙次。そう聞くとマリエルはこう言いました。
「そう。私はマリエル。そしてこの子はシーノ。私は孤児院をやってて、この子はそこの孤児のうちの一人よ」
「シーノだ。よろしくな、謙次」
「あ、ああ。よろしく」
 謙次はおどおどしながらそう言いました。マリエルは、
「それで、その子をしばらくあなたの家で生活させるというわけね、キュリア」
 そう言われてキュリアは、
「うーん、……まあ、あてもないだろうし、……それでいいよね、謙次」
「え? あ、ああ」
 始めからそのつもりでいた謙次は、拍子ぬけたような返事をしました。
「それでマリエル、何の用なの?」
 キュリアが訊きました。それに対し、マリエルはこう答えました。
「ちょっと時間が空いたからね、あなたと勝負をしにきたのよ、オバサン」
 オバサン? え? 誰それ? キュリアのこと?
 マリエルがそう言ってから約1秒後、キュリアの目の前に突如現れた漆黒の球がマリエルに向かって勢いよく飛んで行きました。
 するとマリエルの体がオレンジ色のオーラに包まれました。漆黒の球はそのオーラに触れると、跡形もなく消え去りました。
「マリエル、誰がオバサンだって?」
 キュリアは笑顔で聞きました。ただし、キュリアの顔には筋肉で作られた怒りのマークが濃く浮かんでいます。
「ふふ、あなたよ、キュリア」
 マリエルがそう言うと、瞬時にキュリアの着ていた青い着物が漆黒の鎧に変わりました。
 変わった直後、二人は互いにすごい勢いでぶつかり合いました。

キュリアと謙次 はっかいめ!

ケーケー「まだ1:00を過ぎてないからセーフだよね?」
イノブン「12:00を過ぎてる時点でアウトです」


「さーて、じゃあさっきの飛びマークのところから帰ろうか」
「ああ、そうだな」
 さあ、前々回から続く『謙次は~を考えてる』シリーズも飽きてきましたが、このミスターKYこと謙次はまた何か考えているようです。しかも、今度は前回までのとは別のことです。
(……さっきから気になっていたんだけど、……なぜゴリラとかワニとか、さらには何とも言えない形状の生物が街中を歩いているんだ?)
 なん……だと……?
 おっと、驚いているヒマはないようですね。さっき謙次の言ってた『何とも言えない形状の生物』のうち、全身黄色くてマスコットキャラクターみたいなのが謙次たちに近づいてきましたよ。
「やあ、キュリア」
「あ、フェニックス」
 どうやらこの黄色いマスコットキャラは知り合いのようですね。
「紹介するよ、謙次。彼はフェニックス。この国の国王だよ」
「何っ!?」
 何だとっ!? このマスコットキャラが国王だと!? マスコットの分際で生意気な!!
(作者:いや、別にこいつマスコットキャラではないし)
 いや、だってこのフェニックスとかいうやつ、頭が丸くて、三角の耳がはえてて、体に対して足が短くて、見た目がかわいらしいから、どう考えてもマスコットキャラじゃね!?
(作者:キャラの説明おつかれ)
「国王と知り合いだなんて、キュリア、君は一体……!?」
「おや? キュリアだけでなく、僕のことも知らないなんて珍しいね、君」
 フェニックスが不思議そうな顔で言いました。フェニックスは少し上を見て何かを考えるそぶりをし、こう続けました。
「もしかして君、異世界から来たとか?」
「そうみたいなんだよ。謙次に聞いた話によると、そうとしか言いようがないんだよ」
 とキュリア。
「ふーん、なるほど。だからキュリアが夕食を買いにきたのか」
 そう言うと、フェニックスはキュリアに耳打ちします。
(まだ『あの事』については話していないみたいだね)
 あの事? どういうこと?
(うん、話してないよ。謙次がおびえるかと思ってね)
 まさか自分のことが話されているとは知らず、謙次は首をかしげて二人の会話が終わるのを待っている。
(……そうか。でも……)
 フェニックスが真面目な顔をしてキュリアにつぶやくには、
(……絶対に殺すなよ。『ジェノサイド』)
 こっこっこ、恐えぇぇぇぇぇ!! なんなんだこいつらの会話!! かなりやばいこと話しているんじゃないか!?
 ……謙次には全く聞こえていないようですね。謙次、お前はかなり危険な世界に着てしまったのかもしれないぞ!!

キュリアと謙次 ななかいめ!

↓ これの更新日の閲覧者が増えてる気がして、ちょっとうれしい/// ↓


「謙次、何か食べたいものある?」
 スーパーに入ってすぐ、キュリアが尋ねます。
「いや、特には……」
「うーん、じゃあ今日はカレーにしようかな?」
 そう言って、キュリアはカレーの材料になりそうなものや、他になにかめについた物をカゴの中に入れていきます。
 外は車が走っていなかったため、ここが謙次の元いた場所とは違うということを少しは感じさせました。しかし、この世界のスーパーの中と謙次の住んでいたところの近くにあるスーパーの中とはほぼ同じなので、ここでは全くここが異世界だということを感じることができませんでした。
「キュリア、なんか俺、ここが異世界だということが信じられなくなってきたよ。スーパーの中も俺がいた世界のとほぼ同じだし、今考えればこの世界にスーパーがある時点で驚くべきだったかな」
「へえ、そうなんだ。私も少し信じられなくなってるかな。さりげなく『スーパー』とか『交差点』とか『飛びマーク』とかの言葉を説明なしに出してるけど、謙次はみんな分かってるみたいだし」
「いや、『飛びマーク』は知らないよ。さっき聞きそびれたけど、一体『飛びマーク』とは何なんだい?」
「そうだね……。空を飛んだり、空から下りたりする場所かな。ほら、街中でいきなり人が飛んだり、自分の目の前に突然人が下りてきたりしたらびっくりするよね?」
「魔法がある世界でも、そういうのでびっくりするんだ……」
「まあね。法律とかで規制されてるわけではないんだけど、飛びマークから滞空魔法を使うのが常識かな?」
「へえ」
「さて、買うものはそろったからレジ済ませてくるよ。ちょっと向こう側で待っててくれる?」
「ああ」
 謙次はそう返事して、レジのないところを通って、買った食料品を袋詰とかする台に移動しました。
(……ほんと、こういうところは俺のいた世界とそっくりだな)
 そんなことをずっと考えながら、謙次はキュリアを待ちました。

キュリアと謙次 ろっかいめ!

↓ 短めなのは時間がなかったからですm(_ _)m ↓


「そこにかっこいい大きなビルがあるよね? あそこの交差点を左に曲がるとスーパーがあるんだよ」
「へえ」
 なんという空返事。まあ、謙次は普段からあまり会話をしないからでしょうけど、今謙次は街中を見回していろいろ考えているからというのもあるかもしれません。
 謙次が今歩いている大通り沿いには、たくさんのオフィスビルが並んでいました。また、曲がり角から小路を除くと、そこにはたくさんの民家がありました。その点を考えれば、ここは謙次のいた世界の街並みとあまり変わりません。
 しかし謙次のいた世界と違うところもあります。まず、道に車が走っていないところ。今謙次は大通りを歩いているのに、その道に車は一台も走っていません。次に、信号機がないところ。この世界では車は道を走らないので、信号機すらありません。
(確かに俺の住んでいたところとは違うな。だけど……)
 しかしよくよく考えてみると、謙次の世界でも道に車が走っていなかったり、信号機がなかったりする場所があるかもしれません。たとえそんな場所がなくても、文化の違いによっては車が走っていないことよりも、異世界に来たかのような感覚に陥らせる場所があるでしょう。
(うーん。やっぱりあまり異世界に来たという感じがしないなあ。……だけど)
 しかしこの世界には『魔法』というものがあります。たとえこの世界の街並みが謙次のいた世界の街並みと似ていても、謙次のいた世界には魔法がないため、ここが謙次のいた世界と同じ世界だとは考えられにくいですね。
「ほら、着いたよ、謙次」
 そんなことを考えているうちに、謙次たちはキュリアの言っていたスーパーについたのでした。

キュリアと謙次 ごかいめ!

↓ よく5回も続いたもんだ ↓


 その島、モンスター王国に近づくと、王国の全貌が見えるようになりました。
 モンスター王国は謙次のいた世界のように、高層ビルが立ちならび、たまに工場などがあったりしています。ただ謙次の世界と違うところは、車が走っていないところです。本当に1台も見当たりません。
「へえ、この世界には車はないのか」
「いや、あるよ?」
「え? どこに?」
 謙次はキュリアに担がれながらあたりを見回すが、本当に1台も見つけられません。
「どこにって、謙次はどこをさがしてるのさ。道端に車なんか落ちてるわけないよ」
「何!? じゃあこの世界では車をいつ使うんだよ!?」
「いつって、そうだなあ……。レースにしか使われないよ」
「え!?」
「『え!?』って、じゃあ謙次のいた世界では車はいつ使われてたの?」
「そりゃあ、どこかに行きたいときだよ。車がないと、好きな時に好きなところへいけないだろ? 街中の大通りは基本的に車が走りまくってるよ」
「え!? 何それ危なくない!?」
「まあ、交通事故とかよく聞くけどねぇ」
「交通事故?」
「……そうか、車がないと『交通』という言葉は使わないのか。でも、この世界に車がないなら、どこかへ出かけるのに不便だな」
「いや、出かけるといったら電車だよ。こっちでいう交通はほとんど電車の運行という意味だからね。『交通事故』なんて起こり得ないよ」
「え? でも電車でも事故は起こるんじゃ? というか……」
 再び謙次は周りを見回します。しかし、謙次が見る限り、線路はどこにもありません。
「電車すら見当たらないんだが」
「え? それも道端になんか落ちてないよ。謙次のいた世界では、電車は道路にあるものなの?」
「いや、ないな」
 おい、お前路面電車のことを完全に忘れてるだろ。
「俺のいた世界では、電車は線路の上を走っていたよ」
「こっちの世界でもそうだけど?」
「は!? でも、線路なんてどこに?」
「地下だよ。謙次の世界では、線路は地上にあるの?」
「ほとんどな。まあ、地下鉄もけっこうあるけど」
「地下鉄?」
「……なんでお前が首をかしげるんだよ。お前が言うには、この世界の電車はすべて地下鉄なんだろ?」
「いや、なんていうか、そもそも『地下鉄』という言葉自体がわからないよ」
「……何だと!?」
 それもそのはず。この世界の電車はすべて、謙次のいた世界でいう『地下鉄』なのであって、この世界ではそれを『電車』と呼んでいるため、そもそも『地下鉄』という言葉が存在しないのだ!
 そうとも知らず混乱する謙次。そうこうしているうちに、謙次の視界に漢字の『飛』を○で囲んだような大きなマークが入ってきました。
(……なんのマークだろ?)
 謙次がそう思っていると、キュリアは、
「さて、『飛びマーク』も見えたことだし、着陸するよ、謙次」
「え?」
 そのままキュリアは徐々に高度を落とし、着地した。着地と同時に、キュリアに生えていた白い翼が、水がはじけるように消えていった。

キュリアと謙次 よんかいめ!

↓こいつのせいで、最近プログラムとかプログラミング講座とか作ってる暇がなくなってきたorz ↓


 キュリアが空を飛びたってからしばらくの間、謙次はぎゃーぎゃーと叫び続けていました。当然ですね。高いビルの窓から下を見下ろしたときと、命綱がキュリアの両手である今とでは全然状況が違います。高所恐怖症なんて関係ないですね。
 謙次が叫んでいる間、キュリアは
(……なんでこんなに叫んでいるんだろ?)
 とか思いながら謙次を不思議そうに見ていました。やっぱり、世界が違うと常識とかもいろいろと違ってくるものなんですね。
 しばらくたって、ようやく謙次が落ち着き始めました。キュリアの両手で抱えられているだけとはいえ、意外と安定しているので、ある程度安心したのでしょうか。それともたんに疲れただけでしょうか。
「ようやく落ち着いた? 謙次の世界には空を飛ぶものはないの?」
「いや、あるけど……、でも、両腕でだっこされたまま海の上を飛ぶものはないなあ」
「そっか。私にとって魔法なしの世界なんか考えられないからよくわからないよ」
「俺も、魔法がある世界の常識は全く分からない……」
 ここで謙次はあることに気付きました。空を飛ぶためしかたないとはいえ、謙次は今10歳ぐらいの女の子にだっこされているということです。よく女子と接する男子はあまり理解できないかもしれませんが、女子と接する機会がほとんどない謙次にとって、これはかなり重要なことなのです。
「ん? どうしたの、謙次」
「いや、なんでも……」
 謙次は顔を赤くして言いました。なお、キュリアは謙次の背を自分の方に向けて謙次を抱えているので、謙次の顔は全く見れません。
 テキトーにごまかすため、謙次は何か話題を考えました。
「そういえばキュリア、お前がさっき俺を助けたとき、あの時も『魔法』をつかったのか?」
「うん、使ったよ。魔法で攻撃するのが一番手っ取り早いと思ってね」
「へえ」
「具体的に言うと、私が使ったのは『ガスト』っていう魔法だよ。風の塊を相手にぶつける魔法で、結構有名な魔法なんだよ」
「へえ、そうなんだ。ところでその魔法ってやつは、どうやって使うんだ? 本とか魔法具とか魔法陣とかを持ってれば使えるのか?」
「いや、そんなん簡単なもんじゃないよ。魔法を使うには、魔法を使うのに必要な知識を理解していなければ使えないんだよ」
「知識?」
「そう。それもとても膨大なね。魔法を使うのが簡単なのかどうかは人によって差があるけど、難しいという声のほうがよく聞くよ」
「へえ。じゃあ魔法陣とかはいらないんだ」
「まあね。ゲームとかアニメとかに魔法陣はよく出てくるみたいだけど、そういう道具系統はいらないよ。ただ、魔力を消費するから、使える魔法と使える回数は限られてくるよ」
「そうなんだ。……ってこの世界にもゲームとかアニメとかあるの!?」
「うん。私も気にせずに言っちゃったけど、謙次の世界にもあるんだね!」
「ああ。……へえ、結構自然ばかりだと思ってたのに、意外とそういうのが発展してるんだね」
「自然? ああ、あんな大自然はこの世界にあんまりないよ」
「え!?」
 え!? この世界全体があんな感じじゃなかったの!?
「今から行く『モンスター王国』がこの世界の一般的な風景だと思うよ。ほら、見えた、あれだよ!」
「え?」
 キュリアが指さす先には、まだ遠くてあまり見えないが、小さな島のようなものが見えた。

キュリアと謙次 さんかいめ!

 ↓これ書いてると、なかなかC++講座が書けないorz ↓


 さきほど謙次を襲おうとした黒い熊の丸焼きができたようです。
「はい、謙次。あまりおいしくないけど、今はこれしかないから」
 キュリアが丸焼きの一部を謙次に渡しました。
「ありがとう。じゃあ、いただきます」
 なお、この世界はいま昼です。ちょうど昼ごはんの時間です。謙次がとばされたとき、謙次のいた現実世界は夜だったので、この世界と時間軸が一致しているかどうかは分かりません。時間はどうあれ、謙次は今はらぺこです。なので待ってましたと言わんばかりのなかなかいい笑顔でその肉にかぶりついたのです。
 しかしがぶりついたあと、謙次のなかなかいい笑顔は、少なくとも笑顔とは呼べない顔になってしまいました。
「ごめん、やっぱまずいよね。夕食はちゃんと食材買ってきて作るよ」
「いや、まずくはないんだけど、噛みにくいし食感悪いし。……ひょっとして、キュリアはいつもこういうのを食べてるの?」
 それをまずいというのでは? きっと、あまり失礼のないように謙次なりに努力しようとしたんでしょうね。結局、失礼ですけど。というか、そんなにまずいんですね、この肉。そんなにまずいならキュリアもいつも食べてるわけないと思うんですが、
「うん、食べてるよ」
 食べてるんかい!!
「私、あまり贅沢するの好きじゃないから」
「いや、贅沢とかじゃないだろそれぐらい!!」
 そう言ったあと、謙次はふとあることに気付きました。
「いや待てよ、そう言えばここは異世界だから、これが普通の食事とか……」
「こんなまずいのが? そんなわけないよ」
 そんなわけないんかい!?
「じゃあ、まずいのにどうしてこんなものを食べてるんだい?」
 ついにまずいと認めちゃったよこいつ! さっきはまずくはないと言ってたのに!!
 そして、それに対するキュリアの答えは、
「……まあ、なんとなくだよ。この島でこんな生活をしてみようかなと思って、それ以来こんな生活を続けてるだけ」
 というものでした。ちなみにイノブンが聞いた感じ、セリフの最初らへんで少し言葉を選んだみたいでした。ひょっとすると、キュリアには何か隠し事があるのかもしれませんね。
「さて、どうせヒマだから、今から夕食の材料でも見に行こうか、謙次」
「今から? 今昼飯を食ったばかりなのに……」
「そう言われても……、うーん……、やっぱ何もやることないね。それに、謙次もこの世界のことをいろいろ知っておきたいよね? それも兼ねて今から買い物にでも行こうかと思ったんだけど」
「そっか、確かに俺はこの世界のことをあまり知らないからな」
「よし、決まりだね。それじゃあ『ウイング』!!」
 キュリアが『羽』を英語で叫んだとたん、なんとキュリアの背中から大きな白い翼が生えました。
「……これがこの世界の、『魔法』なのか……!?」
「うん、そうだよ。とりあえず今は、これでこの島から出て『モンスター王国』まで行くんだよ」
「へえ、わざわざこの島から出るのか」
「だって、この島は無人島だから。買い物に行くなら島からでないと」
「え!? そうだったの!?」
「そうだよ。というわけで、行ってみようか」
「え?」
 キュリアは軽く跳んで、そのまま翼をはばかせ、謙次を両手で抱えると空高く飛び上がって行きました。

キュリアと謙次 にかいめ!

AOC「ノーコメもありや」
 ↓ということで、ノーコメントで始めます。2回目です。上のネタを知らない人はごめんなさいm(_ _)m ↓


「……ん?」
 謙次が目を覚ましました。相変わらずそこは木々に囲まれた大自然の中。謙次の家なんかありやしません。
「お、気づいたようだね」
 先ほどの少女の声です。謙次は恐がってすぐに起き上がり、逃げようとします。
 少女の方を見ると、その少女は先ほど倒した黒い熊を丸焼きにしている最中でした。……ということは、謙次もこの熊のように丸焼きにされて……、
「恐がらなくても大丈夫だよ? 私はキュリア。悪魔とかじゃなく普通の人間だよ? さっきの話は大半嘘だから気にしなくていいよ。さっきの話の中で本当のことと言ったら、ここはトランズ島という小島だということぐらいかな?」
「トランズ島?」
 え? まったく聞いたことのない島ですね。この世界にそんな島あったっけ?
「うん。なんとなくここに一人で暮らしてるんだ。それで、あんたは?」
「ああ、俺? 丸越謙次」
「マルコシケンジ? ……ああ、苗字があるんだ。いまどき苗字をつけてるなんて珍しいね」
「へ……?」
 何だかキュリアがよく分からないことを言ってます。珍しい? いや、苗字つけてない人なんて作者の周りには一人もいませんよ?
「……何かおかしいね。私の知ってる常識と謙次の知ってる常識とが全然違ってる気がするんだけど?」
「ああ、俺もそう思う。まあ俺がおかしいと思うところはお前との会話だけじゃなく、さっきから俺の周りで起きてる出来事すべてなんだけど」
「へ? どういうこと?」
「かくかくしかじか」
「……え!? そんなことがあったの!?」
 イノブンも驚きですよ! まさか『かくかくしかじか』の8文字で、さっきから謙次の身の回りで起きてる出来事をすべて話せたのですから!!
(作者:いや、謙次が本当に『かくかくしかじか』と言ったわけじゃないから! ちゃんと説明してるから!!)
「『夜、自分の部屋でテレビ見てたのに、突然わけのわからない何かに吸いこまれて、気づいたらここにいた』んだって!?」
 なるほど、今のキュリアのセリフで分かりましたよ。謙次は『かくかくしかじか』の部分で『夜、自分の部屋でテレビ見て……気づいたらここにいた』って言ってたわけですね。……あれ? じゃあ上の謙次のセリフは『かくかくしかじか』じゃなくて『夜、自分の部屋でテレビ見て……気づいたらここにいた』でよくない?
(作者:気にしたら負け)
「一体誰がそんな魔法使ったんだろうね。謙次、心当たりある?」
「いや、ない……え?」
 そうだよ、友達のいない謙次にそういう……え? 今キュリアなんて言った? 魔法?
「キュリア、……その、魔法ってのは?」
「え? 魔法っていったら魔法だよ? ……謙次、知らないの?」
「いや、知らないのとかそれ以前に、どういうことなのそれ? 誰か使える人いるの?」
「え? うん。すでに謙次の目の前に」
「……は!?」
 そりゃあ、『は!?』でしょうね。謙次のいた現実世界に魔法なんてないのに、魔法があるとか、私は魔法を使えるよとか言われればね。
「……『は!?』って、謙次? もしかして、いままで魔法を使える人を見たことがないとか?」
「当たり前だ!! 魔法なんてものがあれば、人生どれだけ楽にすごせることか!?」
 そりゃそうでしょうね。
(作者:僕も、謙次の意見に賛成です)
「……やっぱりだ。どうりで私と謙次の話がまったくかみ合わないわけだ」
「え?」
 キュリアは一呼吸おいて、こう言いました。
「ズバリ謙次、あんたは異世界から来たんだと思う!」
「な、なんだって!?」
 驚く謙次。でもキュリアの言う通り、今までの展開を見直すと、どう考えてもここは異世界だとしか考えられませんよね。

キュリアと謙次 いっかいめ!

 今日から火・木・土・日曜に自作小説『キュリアと謙次』を更新したいと思います。この話はホムペ(疾風の谷)に2話アップされてますが、読み返してみると展開が早すぎるため、作り直そうかと思ったんです。
 なお、この話の地の文は僕ではなく、僕の考案したキャラ、J・イノブンがやってます。
 ……ちなみに、C++講座ですけど、まだやめるつもりはないんでご安心ください。プログラムに入って突然量が増え、手こずってるだけです。
(追記:100回越えたので、まとめサイト作りました→http://www.wa.commufa.jp/~ksk/culia.html
 それでは、どうぞ!!


 どうも私、この小説の地の文を担当させていただくJ・イノブンと申します。イノブン≠作者です。
(作者:なお作者である僕、ケーケーのセリフはカッコ書きで書かれます)
 この小説は異世界・ファンタジー・魔法ものです。真面目な内容なのに作者がふざけますが、イノブンは真面目にやるのでどうぞよろしくおねがいします。
(作者:ふざけるのはイノブンの方だろ? というわけでお願いします)
 いや、作者だろ? とか言ってると無限ループに陥りそうなので、そろそろ本編に入ります。


 まだ異世界には入りませんよ。現実世界です。その現実世界にいる、とある少年におきた出来事から物語は始まります。
 その少年の名は丸越謙次[まるこし けんじ]、受験間近の中学三年生。彼は受験を控えているのに学校から帰ったら家に閉じこもってゲームばかりしているというような生活をしている上、その受験校は謙次が1か月間まじめにに頑張っても受かるか受からないかというレベルの高校でした。また、彼の学校には友達と呼べる者が一人もおらず、休み時間中も一人で孤独に過ごしています。
 そんな彼はふと、こう思ったのでした。
(あーあ、どこか異世界にでも行きたいなあ。とりあえず俺が幸せに暮らせる世界に)
 受験まであと1週間、夜、謙次は自分の部屋でそんなことを考えていると、突然、謙次の背後で何かが輝き出しました!
「……へ?」
 謙次は何が何だか分からないまま、何か後ろから強い力に吸い寄せられました。
「ちょ、えっ!? うわああぁぁぁ!!!」
『なーんてね、うっそだよーん。これはただのカードさ」
『っ貴様!!』
 謙次はそのままその光に吸いこまれ、部屋の中にはテレビの音だけが残されました。


(……ん? ここは……?)
 謙次が目を覚ますと、そこはあたり一辺に木々が広がっている場所でした。テレビの音は聞こえませんが、小鳥のさえずりが聞こえます。川の流れる音も聞こえます。言うまでもなく、こんな自然いっぱいのところに謙次の家なんかありませんよ?
 そしてふと横を見ると、黒い大きな熊がうなりながらよだれを垂らして謙次を見ています。熊もいるなんて、ほんと大自然ですね!
「って、うわああぁぁぁ!?」
 謙次は急いで起き上がり、逃げ出します。熊もおなかをすかせているようなので、謙次を追いかけます。鬼ごっこならぬ熊ごっこですね。
(作者:少なくとも、『ごっこ』ではない気がするんだが……)
 ある程度謙次に近づいたところで、熊が謙次を狙って思い切り斬り裂こうとしました。謙次に熊の腕は全然届いていません、が、なぜか熊の腕が当たっていないところの木々が何本かなぎ倒されました。
「何いぃぃぃ!?」
 謙次の顔が真っ青になりました。そもそも熊って気を何本もなぎ倒すほど力強かったっけ? そういう疑問を頭に浮かべながら、それでも謙次は走るのでした。
 そろそろ追いつかれる、もうどう考えても逃げ切れない。そして謙次の人生は終わるのでした。めでたしめでたし。
(作者:めでたくねーよ!! というかこれで謙次が死んだらもうこの話終わっちゃうじゃん!!)
 熊が自分の腕を振り上げ、本当にこの話が終わりそうになったその時、今まで謙次を追いかけていた熊が何か強い力に吹き飛ばされました。
「……え?」
 謙次を追いかけていた熊は、すぐ近くの木にぶつかりノックダウンしていました。何が起きたのか分からず、謙次はあれこれ考えていると、
「ふう、危なかったね。大丈夫? けがはない?」
 不意に後ろから声をかけられました。謙次は後ろを振り向くと、そこには小柄な少女が笑顔で立っていました。
 少女は白い短髪とブルーアイズ(青眼)を持ち、上下一巻の青い着物を着ていました。その着物もかなり特徴的で、上は長袖なのに下はパンティーがギリギリ見えないくらい短いです。見た目で言うと、年齢はおそらく10歳程度。小五ロリですね、分かります。
 なお、この少女の名前を先に知っておきたい方は、この物語のタイトルをご覧ください。
「……えっと、君が、助けてくれたのかい?」
 状況がまったくの見込めないまま、謙次は尋ねた。少女の返答は、
「うん、そうだよ」
 『Yes, I did.』だそうです。
(作者:なぜ英語にした!? それも中学校で習うような!)
「……ん? ひょっとして、私が誰だか分からない?」
「え?」
 おや? この少女はいきなり何を言い出すんだ? まさか、超有名人とか!?
 どうしたらいいか対応に困っていると、その少女は急に真顔になってこんなことを言い出しました。
「実を言うと、私はね……、悪魔なの」
「へ?」
「ここは悪魔である私の島『トランズ島』。ここには時々、あんたみたいに流れついてしまう人がいるの。……悪魔への生贄としてね」
 え? 流れ着く? いや、何かおかしくない? 謙次はわけのわからない光に吸いこまれてここにいるというのに……。
 しかしそんなことを疑問に思っているヒマはないみたいですね。なんかやばそうな感じなので、謙次はすぐに振り向いて逃げ出そうとします。
 しかし逃げ出そうと振り向いたそのとき、謙次の右肩を何者かにつかまれました。まあ、『何者』と言ってもここには謙次以外、1人しかいませんが。
 謙次は恐さのあまり、なかなか後ろを振り向けません。しかし気になるので徐々に後ろを振り向くと、そこではその少女が、
「なーんてね、冗談冗談。あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
 そんなことを言って、腹を抱えて大爆笑しています。読者のみなさんがこの展開についていけないように、謙次ももちろんこの展開についていけてません。
「あー、ごめんごめん。驚かせちゃったね。2年前に考えた渾身のギャグだったんだけど、世界中で私を知らないって言う人が少ないから、……あれ? おーい、ちょっと、どうしちゃったのー?」
 少女の説明の途中で、謙次は気を失って倒れました。まあ、部屋にいたら突然わけのわからないところに飛ばされて、命の危険に2度もさらされれば、当然こうなりますか。
プロフィール

ケーケー

Author:ケーケー
趣味:自作小説執筆、プログラミング、電子工作
好きなゲーム:ぷよぷよ

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